2000・10・28から11・3までの香港映画祭のちょっとしたリポートです。
未公開作品を中心に作品を選んで見ました。
香港映画のほかに2本の韓国映画も観たのでそちらのリポートも一緒にどうぞ

作品名 ポイント  
東京攻略
(2001年公開予定)
トニー・レオンファンでない人が観たらどんな感想をもつのでしょうか?
トニーファンにとっては彼のコート姿などかなり素敵に映る一種の
観賞用映画となっていますが・・・
外から見た東京をポイントとしてみても、綺麗なガイドブック的に撮影されている
だけなので、残念ながら、ブラックレインにみられるような別の大阪を発見したときの
ような感動は得られないのです。
ただこの映画に観られる新宿の街並みはもう現実では
観ることは出来ません。
オープニングに写る三峰は今年の夏前に閉店し、アメリカ屋靴店は昨年の春
倒産してしまってします。
そして映画の冒頭のアクションシーンに登場するラーメン屋も今はアダルトビデオ
ショップになっているはず。
トニーのアクションシーンを観ながら街の移り変わりの激しさに
淋しいものを感じてしまいました。
十二夜
(公開未定作品)
イーソン・チャンとセシリア・チャンのかわいらしさはよく
出ていると思うのですが、やはり一夜、二夜と分けられると
先の展開が読めてしまうところがあり、話の流れがテンポよくというより、
ぶつ切りになってしまう感じが残念でした。
スカーフなどの小物使いなどセシリア・チャンの衣装がかなりよかったです。
爆裂刑警
(公開未定作品)
ン・ジャンユーの渋い演技はもちろんですが、
ルイス・クーの演技もン・ジャンユーの胸を借りてかなりの熱演。
花様年華
(2001年公開予定)
特に大きな出来事は起こらず、主人公二人の日常をゆっくりと
追っていくだけにもかかわらず、思ったほど退屈させない展開なのは
主演二人の演技力によるところが大でしょう。
古きよき時代が消え行く直前の香港を、忠実に再現したであろうことが
日本人の私にさえもわかる、クラシックな感じはかなり好感が持てました。
殆ど密室でありながら、@ブエノスアイレスのようは圧迫感はなく、
60年代でありながら、@欲望の翼のような暑い感じはなく、ただただ
二人の横顔の美しさばかりが心に残り・・・・

ただ本編のスタイリッシュでクラシックな映像とはうってかわったタイトルに
ちょっと驚きました
赤い画面に、スクリーンからはみ出さんばかりの明朝体の@花様年華の
文字・・・・・
孤男寡女
公開が決まったようで、
うれしい限りです。
(2001年公開予定)
軽いコメディではありますが、こんなに
楽しく観られたのは、アンディ・ラウとサミー・チェンのキャラクター設定が
きちんとしていたからでしょう。
ご都合主義の話の展開ではなく、二人のキャラクターに合わせた話の流れが
できているので、ちょっと展開に突飛なところがあっても、無理なく
楽しめる話になっています。
レオン・ライとの共演作でサミー・チェンの演技は見ていたのですが、
格段の進歩というのか、かなり垢抜けた感じでかわいらしく演じていて
好感がもてます。
特にカレー店でのサミーの一人芝居には感激。
アンディも意味もない格闘シーンもなく、一回も血を流すこともなく、
サラリーマンをさらっ演じていてこちらも好感度高し。
観ていてきまりが悪くなる場面もなく、香港でのヒットもうなずけます。
鎗火
(公開未定作品)
女の人が中途半端に出てこないストーリーが
いいですね。
男たちの友情・葛藤がスタイルのあるアクションシーンに
彩られて展開していく様は胸がすかっとします。
小親親
(公開未定作品)
アンナ・マデリーナから金城君をぬくと、こんなテンポある
コメディが出来上がるのでしょうか?
うだうだ悩んでいる場合ではないですよね。なにごともテンポよくいかないと!!
エリック・ツァンとテレサ・モウの年配カップルのエピソードも
話に広がりをもたせて楽しい映画になってます。
カル
韓国映画 
(2000・11・3から公開)
2000年4月に香港で中国語、英語字幕のものを
観ていたので今回が2回目だったのですが、2回目で初めて発見することが
多々ある映画でした。
いわゆる最後の謎解きの場面がかなりのスピーとで展開するので
2回目でやっとという感じ。
そういう意味では観客に親切な映画ではありませんが、
イマジネーションをかきたてられることは確かです。
儒教の国の作品とは思えないほどの残虐さなのですが、
それがカルト的になっておらず、きちんと商業ベースの作品に仕上がっているのは
やはり監督の力なのでしょう。
ただやはり残虐なので、苦手な方にはお薦めできないのが
残念なところ・・・
燃ゆる月
韓国映画
本国韓国でもまだ未公開
今回がワールドプレミアとのこと
冒頭20分くらいはちょっと説明口調なのですが、
そのあとはもう畳み掛けるようなストーリーの力技で
ぐいぐい進み大作風格たっぷりの映画。

愛のために仲間を捨てるというストーリーはちょっとくさくもあるのですが、
大作の風格でそんなものは吹き飛ばしています。
「おまえのは愛ではない!ただの執着だ!」
こんな台詞がぴったりくる時代劇もなかなか楽しいものです。


ここから下は映画とは直接関係ないちょっとした感想です・・・・・

作品名 ポイント  
花様年華 主演二人の舞台挨拶がとても短くてかなり残念でした。
せっかくきてくれたのだからもっと映画のことを聞いて欲しかったですね。
映画祭のセレモニーだったはずなのに一番自分をアピールしていたのが
レスリー・チャンだったのには何故か納得。
スターの正しい姿をみせて貰ったような気がします。
イーキン・チェンのいっそうの奮起を望みます。

エンドロールのロイ・チョンの名前にむかって一瞬フラッシュがたかれました。
ロイ・チョイはマギー・チャンの旦那さん役だったらしいのですが、
姿は一回も映らなかったのでした。
彼のファンにはもどかしい映画だったでしょうね。
爆裂刑警そして鎗火 エンドロールが流れると会場内がとても自然な拍手で包まれました。
こういう場面に出会うと直接大きな会場で何人もの人たちと同じ感動を味わえた
うれしさを感じます。
きっと会場中のお客さんがン・ジャンユーファンになって家路についたことでしょう。
それほど彼の演技は素晴らしかったのです。
とても感動したのに、上手く言葉で言い表せないのがもどかしいのですが・・・
公開の予定はないようなので、機会があったら是非VCDでとお薦めしたい
作品です。
孤男寡女 主演の二人以外のキャストがかなり地味なのにはびっくり。
アンディの昔の彼女が@森川由香里にそっくりですので、ぜひチェックして!
サミーのオフィスの机周りもかわいらしく出来ています。
(ロボコンが飾ってありました。(笑))
小親親 ちょっとしたつぼにはいった場面

ケリーの結婚相手で登場するチョン・チーラムがレスリー・チャンに瓜二つなので
笑えます。


マーク・ロイのおとぼけぶりもかなり笑えます。


動物保護局のダッミンも期待を裏切らない怪演でかなり笑えます。

上映後
ケリー・チャンのティーチ・インがあったのですが、
皆さんの質問も的を得ていて楽しいものでした。

「ケリーさんの歌の師匠ともいえるマーク・ロイさんと
恋人同士の役ですがやっていてどんな感じでしたか?」

ケリー「怪しい感じ?」(このケリーの日本語で一気に会場は盛り上がりましたね。)

「スペシャルサンクスにレスリー・チャンの名前がでていましたが何故ですか?」
ケリー「(広東語で )演技指導をしてくれました」
どこの場面ですか?
「よっぱらったところ」(ここも日本語だったのでまたまた会場は盛り上がり)

「映画の中でも衣装がとても素敵だったのですが、
衣装は自分でセレクトしたりするのですか?

ケリー「スタイリスト」
(せっかく質問したのに、愛想のない一言だったのですが・・・)
自分の着ている服を指差して
「これは自分で」というケリーの日本語に・・・
(ほーという意味のない溜息が会場から漏れる・・・)

その他随所に日本語を織り交ぜたケリーのトークに会場は大満足でした。
カル 監督が来日しており話を聞くことができました。
話事体は前作@接続 ザ・コンタクトの興行的な成功が
あったので、この作品を撮ることが出来たということだったのですが、
驚いたのは
とてもあの猟奇的な場面の数々を生み出したとは思えない
監督の温厚そうな風貌・・・
人の奥深さを垣間見た瞬間でした。
燃ゆる月 主演のキム・ヨンジン(シュリの主役の人ですね。)とキム・ソックンが
舞台挨拶にきていたのですが、
本人たちも挨拶の後、会場内で一緒に鑑賞していました。
監督が現在韓国で編集作業中ということですから、
本人たちもはじめて大きなスクリーンで見たのでしょう。
たまたま出入り口近くに座っていたので、入るときと出るときと2回二人のそばに
いることができたのですが、キム・ヨンジンは燐とした素敵な女優さんでした。

気になったのはキム・ヨンジンよりも目立っていたチェ・ジンシルが
モーニング娘の@安部なつみにそっくりだったこと。
もー気になって気になって・・・

1999年 秋 東京ファンタスティック映画祭

オープニングデイの香港ムービーセレクション
幸運にも3本全部観る事ができました。

作品名 ポイント
ゴージャズ ジャッキーチェンがラブアクションという新天地を求めて新しいタイプ の映画に挑戦しています。
ジャッキーのポリシーが感じられるメッセージインボトル ジャッキー版でした。
新しいタイプに挑戦する時、迷いが感じられると観客も戸惑うものですが、そのあたりの方向性は
彼の中で明確になっているようで観ていても安心していられます。
そしてなんといってもスーチーがかわいらしいです。
いまは@あのウーロン茶のCMの女性陶芸家という説明が必要でしょうが
スタイルいいし、かわいいし、これで一般的にもっと認知されるとうれしいですね。
カメオ出演も盛りだくさんで、華やかな明るい感じの爽やかな映画になっています。
風雲 去年の夏シンガポールで予告編をみてからずっとスクリーンで見られるのを
待っていました。(インターナショナル版とのことでちょっとはしょった感じはご愛嬌でしょう。
アーロンコック・イーキンチェンの二人も持ち味を生かしていますが
これは絶対THE 千葉真一の映画です。
彼の存在感に敬意を払った演出が功をそうして、アーロン、イーキンの若々しさが
際立った感じになっています。
彼一人吹き替えであるにもかかわらずそんなことを感じさせない存在感。
わざわざ香港に呼ばれたのも納得の演技を見せてくれています。
特警新人類 こういう警察ものは悪役がよくないとだらけた感じになりがちですが・・・
ダニエル・ン ン・ジャンユー そして仲村トオルが 三人三様の悪役ぶりで映画に厚みを持たせています。
特に仲村トオルがいいですね。
若手三人組がすてきなのは言うまでもなし。コメディリリーフでサムリーがいい味だしてます。


舞台挨拶もありました(一言感想風に)

千葉真一   いつまでも現役でいたい!そんな感じが体から溢れていました。
         タランティーノとのコラボレーションが決まっているそうです。

イーキンチェン 「ささえてくれてありがとう」と日本語を披露してくれました。

サムリー   映画だけでなく舞台挨拶でもコメディリリーフ振りを披露して
        くれました。(彼だけ広東語なのもご愛嬌)

ニコラスツェー 蕨じこみの日本語を披露してみんなの黄色い歓声をあびていました。

1999年  夏
映画祭などで幸運にも鑑賞することができた映画

ぜび大きいスクリーンでもう一度見たいものです。望む一般公開

作品名 ポイント
1000の瞬き 王子の言葉を借りるなら@古い映画
確かにそのとおりなんですけどねそんなにはっきりいってどうする??
ン・マンタおじさんが王子のお父さん役ですが、シンチーと一緒じゃないとちょっと寂しく感じてしまうのは
何故でしょう。
ポートランド
ストリート ブルース
スーチーも好きなので彼女のエピソードもうれしかったのですが、何故助演女優賞が取れたのかは
少し疑問が・
イーキンたちが出てきたときみんなの拍手で盛り上がったのがうれしかったですね。
こういう雰囲気がビデオでは
味わえないスクリーンの醍醐味ですよね。
でもいきなりポートランドと言われても・・どうしても英題になじめませんでした。
(原題は古惑○情義篇之洪興十三妹)
美少年の恋 オレンジ色の照明は私たち亜細亜人の肌の色にしっくりくるんですね。香港のねっとりした湿気は感じられず
やはりこの題材で湿気が感じられるのはまずいのか?
某掲示板ではブリーフねたがあると張り切ってしまう私ですが、この映画では香港電影には珍しく白でなく
グレーのブリーフを見ることができました。
ダニエル・ンくんはこれからチェックが必要ですね
舞台挨拶もかなり好感もてました。


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