2005年7月27日(水)〜30日(土) 韓国への旅

「韓国だったら近いし行ってみたい」という母の一言で3泊4日の韓国旅行へ行く。
母が一緒ということで、羽田から旅立ち、宿泊先ははロッテホテルという私にしては結構豪華な旅だ。
「お母さんと一緒の旅なんて仲がいいのね」などと言われることも多いのだが、決して仲が言い訳でもない。
もし同年代の知人として出会っていたとしたら、口を聞くこともなくただ挨拶を交わす程度の間柄でしかないだろうと思う。
これは多分は母からしても同じことで、転職の際も黙っていたら「お前は何にも親に相談しない」と呆れられたものだ。
(どんなことでも相談したら止めろといわれることが分かっているのに、誰が相談などするものかというものだ)

旅の途中「これをやってみよう」と誘っても「嫌だ」と何度断られたことか。私からすれば母親はノリが悪いし、母から見たら
私はただの無鉄砲に映るらしい。この旅の途中でも会話がかみ合わないことの方が多かった。
それでこの旅の最中にも何度も言い合いになったがそこは実の親子。5分以上言い合いが続くことはなく、(お互いに言い合っても解決に
ならないことがよくわかっているのだ)無事に3泊4日の短い旅を過ごすことが出来た。


観光あれこれ

27日の夕方 ヨイド⇔ヨイドの漢江遊覧船に乗る。

気温は27,8度だったのだろうか?写真だと天気がよくないように見えるが、そんなことも無かった。

ヨイナルの駅から乗り場までは金色に輝く63ビル(ユクサンビル)を右手に観ながら7.8分川沿いの道を歩く。

母との会話は勿論ここでもかみ合わない。
遊覧船に乗る前に川沿いの道を歩きながら「綺麗な景色だね」と話かけると
「あら あの鳩 日本の鳩とちょっと羽の色が違うわね」(景色じゃなくて鳥に興味があるのか・・・)
めげずに「風もいい感じで吹いているし」と続けると「あらまだ7月なのにもうコスモスが咲いているね」

勿論遊覧船に乗ってからは、夕暮れのソウルを思う存分楽しんだ。

29日の午後はケーブルカーでソウルタワーへ行ってみる。

片道3分ほどでタワーの下に着く。
ケーブルカーの中から無数のトンボを見ることが出来た。まるで一緒に山登りをしているかのようだった。


韓国ドラマ@美しき日々で見たことのある場所だ・・・
写真スポットのようで、写真屋さんも店開きしていた。

ソウルタワーは3月から10月まで改装のため閉鎖中だったが、タワーの上らなくてもソウルの街を一望することが出来た。


食べ物あれこれ

1人分、2人分、3人分と人数によって選ぶことが出来る@レッドマンゴーのアイスクリーム。
皆同じ皿から食べるのが韓国式らしい。
トッピングもつけると好きなトッピングを5種類選ぶことが出来る。
マンゴーやキウィ、タピオカなどを選んでみる。

綺麗な店内とさっぱりした口当たりのアイスクリームに母も大満足だった。


インサドンにあるジョンというチジミの専門店での@ジョン盛り合わせ。
かぼちゃのジョンが美味しい。

オレンジ色の照明とシックなディスプレイでまとめた店内は、クラシックなイメージのあるインサドンの中にあっては
ちょっと変わった雰囲気のお店だと思う。
二人にも関わらず、@野菜のビビンパも注文したので、食べきれない程だったのだが、母は残すのを良しとせず、
最後まで食べようとしていた。
「韓国ではお客さんが食べきれない程だして、接待するという考え方があるそうだから、私たちが残しても気を悪くすることは
ないと思うよ。食べきれない程頼むほうが悪いのだけれど、無理に食べて気持ち悪くなったら困るよ。」
そういいながら何度も止めたのだが、「頼んだくせに残すなんて日本人は非常識と思われたら困る」などと言い
結局全部食べるまで箸が動くのは止まらなかった。

ロッテリアのキムチバーガー

日本だったら白ゴマを使うと思うのだが、何故か黒ゴマつきのパンズだ。
ファーストフードだからとちょっと舐めてかかったのだが、なかなかの辛さだった。

ミョンドンにある@ポンジュクという韓国伝統おかゆ専門店の店内

店内にお客さんは殆どおらず、どちらかというとテイクアウトをしていく人が多いようだ。

海老粥 確か7000Wだったと思う。

「焼肉を食べに行こう」と誘ったのだ、(勿論店を探すのにウロウロしたりしたら叱責されることは分かっているので、事前にリサーチ済みだ)
「暑いから嫌だ」とあっけなく却下される。(拍子抜けとはまさにこのことだ)
「クーラーも利いているだろうし」と更に薦めたのだが、「そんなに食べたいんだったら、行ってあげてもいい」などと言い出すではないか。
呆れて黙っていると「肉よりお粥がいい」と言うので、ミョンドンのお粥屋さんに行く。

これが結構美味しかった。お客さんがいなくてのんびりできたのもかえってよかった。しかし焼肉は結局機会を逸してしまい、
食べないまま帰国することとなった。


ミョンドンのソフトクリーム屋 32パルプェ 1000Wでこのソフトクリームが出てくる。

おそろいのユニフォームを着た若い男性店員は道を歩く日本人には多分全員に声をかけていると思う。
「どうですか?大きいですよ。1000Wですよ」
元気のいいその声に釣られ私だけ購入し食す。ここで一緒に食べてくれたら、話も盛り上がるのだが、母は決してそんなことはしないのだ。

烏骨鶏の参鶏湯

参鶏湯は夏の栄養食らしい。
旅立つ前に「何を食べたい」と聞くと、「参鶏湯」というので、食べに行ったのだが、母は残念ながら余り気に入らなかった様子だ。
奮発して1つを烏骨鶏の参鶏湯にしたのも、見た目がグロテスクで逆効果だったようだ。
私は好きなので、「栄養があるらしいよ。疲れも取れるよ」と盛んに薦めたが、「誰にだって口にあわないものはあるし」と
大変つれない返事が返ってくるだけだった。
旅立つ前に「参鶏湯が食べたい」と言っていたのは、単にガイドブックに参鶏湯を賞賛する記事を読んだだけだったことが分かる。
参鶏湯といえばついてくるキムチはカクテキなのだが、このカクテキがまた残念なことに美味しくなかったのだ。
結局このお店のキムチは「この旅行で一番美味しくないキムチ」と母から格付けされることになった。


チャングムことイ・ヨンエ主演の映画

ソウルは27日の夜更けから大雨と雷が酷かった。
翌日の28日も一日雨が止まなかったので、景福宮へ行くのを変更し、江南にあるショッピングモールCOEXモールへ行く。
29日公開と聞いていたイ・ヨンエ主演の@チンチョラン クムジャッシ(親切なクムジャさん)が上映されていたので、
母と一緒に鑑賞する。

「言葉が分からないから眠ることにする」と言っていた母は、後ろの観客が椅子を蹴飛ばすのが気になって眠れなかったのだという。
「あの主役の人 つかまった時、キム・ヒョンヒにそっくりだったね。おまけに人殺しの話なのに、見ている人が笑っているし。」
普段映画を見慣れていない上に、韓国語での映画鑑賞は辛かったと思う。
こんな短い感想でも、怒らずに感想を語ってくれただけでも良しとしよう。

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復讐者に憐みを@オールドボーイに続くパク・チャヌク監督の復讐劇と言われているこの作品だが、前2作に比べたらグロテスクな場面は
かなり少ない。(勿論これはあくまでも比較の問題だ)

赤いハイヒールを履いた親切なクムジャさんが後ろを振り返るポスターは@グロリアを連想させるが、グロリアほどハードボイルドではない。
清めの豆腐を拒み、自ら左手の小指を切り落として復讐に臨む姿は確かにハードボイルドではあるが、クムジャさんの心の中はすさんでいても、
死んだような目をしながらも、外見はどこまでも綺麗なままだ。そしてうつろな眼差しを赤紫のアイシャドーで隠し、綺麗なまま自分の
過去の清算に挑んでいくのだ。

母もいっていたように、復讐のクライマックスの場面では、観客席から笑い声も聞こえてきたりした。
復讐の対象@パク先生が救いようもない悪徳な奴なので、同情の余地がないのも一因だし、前2作に比べたら目を覆うような場面の残虐さを
ソフトに抑えているせいだろう。

この映画でイ・ヨンエの別の面が観られたと韓国の観客は納得したのだろうか?映画の前半 犯罪場面の再現だけでもファンには衝撃だったのだろうか。
綺麗な女優さんは綺麗さが武器だし、綺麗さが弱点でもあるはずだ。だからシャリーズ・セロンは何キロも太り、入れ歯をつけ@モンスターの主演を
したのだろう。誰もイ・ヨンエにそんなことは望まないし、する必要もないだろうが、ケーキ店の若い店員との場面も、結局その場面を写さずに終わって
しまったのはちょっと残念だった。白いケーキに顔を埋めるシーンを見ながら、イ・ヨンエ自身によるグロテスクなシーンをもっと増やしても良かったのでは
ないかと思う。私にとってはイ・ヨンエはまだまだ綺麗な女優さんのままだ。


同行した母は、ナンタを楽しんで観ているようだったので、感想を聞いてみれば「何でも叩いて本当に凄いけれど、野菜の無駄遣いね。」などと言ったり、
「韓国の女性は9割がたサンダルを履いているが何故か?」など、どうでもいいようなことを色々言っていたが、冷麺には舌鼓を打っていたし、
南大門市場は洋服を買ったりして楽しそうだったので、良しとしよう。普段も話がかみ合わないのだから、旅行の時に急に波長が合うわけがないのだ。

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