プチプチ フェイスな旅


注意

ここは
梁朝偉(トニー・レオン)にゆかりがある場所を自分が出来る範囲で足で歩いて見た
記録を簡単にまとめたものです。
よって
梁朝偉(トニー・レオン)ファンでない方にはなんの価値のないページになっているはずです。
もしかしたら
梁朝偉(トニー・レオン)ファンの方にとっても大して意味のないページになっている可能性大なのですが・・・
こんな旅行の仕方もあるとちょっとでも思っていただけたらこれ幸いです。

注意 2

2001年5月に発売されたキネ旬ムック フェイス トニー・レオンにいたく感激し、
今回のこの旅を@プチプチ フェイスな旅と勝手に命名。雑誌フェイスとは無論なんの関係もなし。

旅の始まり

2001年6月27日から30日まで早めの夏休みで3泊4日の香港旅行を計画した私は、上にも書いたとおり
出来る範囲で
梁朝偉(トニー・レオン)ゆかりの地をぶらぶらすることを思いつく。
せっかくの一人旅。こんな計画もせずぶらぶら歩くことの方が楽しいのかもしれないが、
一度くらいこのような企画物の旅があってもおもしろいのではないかと思い、今回自分の滞在する香港島を
中心にぶらぶらする計画を立てて見た。


何しろ3泊4日の短い旅。効率的になおかつポイントは押さえたい。ということでかなりの予習が必要とふみ、
朝夕の通勤時間を使ってスケジュールを組み、地図を暗記すること約2週間。
(ちなみに地図は暗記する必要はないのだが、道端で地図を広げるのが大変なのと、あまり観光客然としているのも
かっこよくないのではないかという、少しのの見栄から、暗記することを思いつく。)
また家に帰ってからはいまさらのように@恋する惑星などのビデオを見返したりして、日本に居ながらにして
心の中は半分以上香港という2週間が過ぎ、次のようなプチプチフェイスな旅が繰り広げられたのである。


2001年6月28日(木) 夕方

邀月茶館

夕方の5時過ぎの
タイムズスクェアの混雑にうんざりしながらハッピーバレー行きのトラム沿いに
そって歩くことにする。
(香港島ではトラムの向かう方向で場所を判断できるから、道に迷った時、とても便利である。
タイムズスクェアの前から見えるトラムはすべて
ハッピーバレーへしか行かないので好都合)
スターバックスが左手に見えてきたら、道なりに
希慎道に入り、2本目の道(開平道)を曲がって
すぐ右手にあるのが
邀月茶館


(当初ここはお茶関係で立ち寄ろうと思っており、プチプチフェイスな旅とはなんの関係もなかったのだが、
28日の新聞で
梁朝偉(トニー・レオン)が39歳の誕生パーティをここで開いたことをしり急遽プチプチフェイスな旅の
仲間入りである。)
邀月茶館は渋谷にもお店を出店しているとても落ち着いた茶藝館である。
春に友人に連れられ訪れてからすっかりファンになり、自分一人でも訪れるほどの入れ込みようだ。

タイムズスクェア前からは5,6分でついたのだが、外から覗くとお店には殆どお客さんがいないようだ。
(ちなみに渋谷のお店もデパート内6Fのかつら屋さんの隣とロケーションの悪さからすいていることが多い・・・)
前のオープンカフェが大盛況なのを尻目に静かにドアをあけると、お客さんは若い女性が一人だけ。
夕方6時前はお茶を楽しむ時間ではないのかとも思ったが、せっかくだからと雰囲気を楽しむことにした。

お茶を一人で楽しむということは簡単なようでなかなか難しい。
仕事に追われ、時間をお金で買うような生活が続くと、何もしない時間がとても不安になってくることがあるのだ。
ここに座ってのんびりしていいのだろうか?もっと他にすることがあるのではないだろうか?
お茶を飲んでノンビリするのが好きな筈なのに、一方でこんなことを考える自分もいるのだが、
ここは香港、旅先だ。特になにもすることはない。今日ここでせいぜいすることといったら
「先日の
梁朝偉(トニー・レオン)の誕生会は盛大でしたか?
梁朝偉(トニー・レオン)は楽しそうでしたか?」これを拙い英語で店の人に質問するくらいがおちだ。
勿論そんな勇気があるはずもなく、とても一人では食べきれないほどのお茶請けに舌鼓を打ちつつ
小一時間で店を後にした。




金雀餐廊

希慎道を少し戻り、スターバックス手前の利園山道を右に入り、一本目の道(蘭芳道)を右に曲がると
左手に@
金雀餐廊の扉が見えてくる。(邀月茶館からは歩いてて5分とかからない距離である。)
中が見えるお店かとおもったのだが、店先には簡単なコースメニューが張り出されているだけで、
中の様子はかいま見ることが出来ない。
中が見えるようなら、ちょっと入ってみようかなともおもったのだが、一人旅の日本人がふらっと
立ち寄るような店構えでもない。
結局、ここには入らず店の前の何度かうろうろしただけで、
湾仔の宿泊先へ戻ることにした。


金雀餐廊
での食事場面がでてくる@花様年華にはこのほかにも沢山の食事シーンがでてくる。
梁朝偉(トニー・レオン)とマギー・チャンの交わす会話に「私たちは話をしているだけ。食事をしているだけ。何も
やましいことはない」云々という台詞がたびたび出てくるが、私はそのような話題が二人のなかで
出てくることこそ、二人は自分たちの中に潜む疚しさ?をもてあましていたのだと思う。
ビジネスランチならいざ知らず、わざわざ男女が食事を共にする。それがどんな重要な意味を持っているのか
知っているからこそ、知っていてなおかつそこから目をそらしたいからこそ、このような会話を何度も繰り返したに
違いない。この場合は何もしていないことが重要な意味を持っているのだ。
何もないことが、かえって何かあることより重要な意味を持つことがあるということを、この二人が知らないはずは
ないのだから。


2001年6月29日(金) 朝9時〜10時30分

@恋する惑星から@裏街の聖者へ

雨期の香港は梅雨の日本に負けず劣らずむしむしと暑い。
朝にもかかわらず体中の毛穴が全部開いて汗が出てくるような気がしてくる。
日中街中を歩けないと思った私は、午前中の涼しい時間に
中環から上環をぐるっと回ることにした。
街角で足踏みミシンを踏むおじいちゃん。お直し屋さんだったようだ。

地下鉄 セントラルの駅D2の出口を出ると皇后大道中からすぐに
士丹利街蘭桂坊へぬけることができる。
ワトソンズとワトソンズワインセラーの間の道をはいってすぐ右手が士丹利街だ。
まだ朝の9時。当然歩く人もまばらだ。道なりにすこし歩くと左手にとても急な
石板街が見えてくる。
石板街とはよくいったものだ。この急な坂の両脇に張り付くように店が軒を並べている。
どうしてこんなにしてまでお店をとおもうが、それは旅行者の勝手な理屈だ。
その街に生まれたから、その街に住む。生活の糧を得る。それはそれで当然のことなのだろう。
急な坂道を地元の人は当然のごとく上っていくが、取り立てて急ぐ用事もない私はゆっくりのぼるだけである。
上りきると
雲咸街なので道なりに下っていく。くだりきったレンガ造りのフリンジクラブの左側が蘭桂坊だ。
これはフリンジクラブでなく
雲咸街にあった別のビル

何もないところに、まるであたかもなにか大切なことがあるようにして振舞う。そんな夜の街では当然のことが、
朝の光のなかでは間抜けな無意味なことのように思われてくる。
勿論、朝の街を眺めただけでいい加減なことはいえない。夜の街には夜の街のあり方があるのだろう。
それが朝の光のなかでは見えないだけなのだろう。
あの狭い一角の中にもかかわらずあちこちで工事が行われていた。こうして街は立ち止まることなく、
変化を続けていくのだろう。訪れるたび違う顔を見ることが出来る不思議な一角だ。

 だれもいない
蘭桂坊

蘭桂坊を一回りしてから、皇后大道中士丹利街と平行に走る咸霊頓街上環へ向かって歩いていく。
蘭桂坊を下って咸霊頓街へはいる角にスターバックスがあるので、咸霊頓街へ入る前に
一休みするにはお薦めだ。
香港のスターバックスはどこも欧米人で一杯である。欧米人はどこへいっても自分流のスタイルを変えないのが
好きらしい。ここのスターバックスもその例にもれずお客様の8割は欧米系の人だった)
ヒルサイドエスカレーターのあたりで丁度中間地点である。そこから5分ほどでまた
皇后大中道へぶつかるので、
道なりに右に曲がる。
地図を見るとここから
安和里をはいって歌賦街へ入れるようにみえるが、この安和里は一度だけではみのがしてしまう
だろう。あれ
安和里はどこだといっているうちにあっとい間に樓梯街の入り口へ到着する。
一体
安和里はどこをいっていたのだろうと思いながら樓梯街を上っていく。
なぜか公衆トイレのとなりに看板が・・・

樓梯街の真下をクロスするようにキャットストリートが走っているが、朝早いせいでお客さんはまばらだ。
そして数少ないお客さんも殆どが欧米系の観光客だった。(
油麻地玉器市場もそうだが欧米系の観光客
の方はやはり東洋的な香りのするものに惹かれるのだろう)

荷李活道にぶつかったら文武廟を向かいに見ながら左に曲がる。茶器の邀月軒を通り過ぎて小学校が見えてきたら
そこが歌賦街の入り口だ。
なんということもない道を下っていくと右手に階段が見えた。勿論朝なのでオレンジ色の照明こそそこにはなかったが、
確かに
裏街の聖者で観たあの階段があった。
 下からみた善慶街

 上からみた三輪街

裏街の聖者はとても心が温まる映画の一つだ。
この映画を観るといつも、幸せと成功について考えさせられる。成功は社会的なものだが、幸せはとても個人的なことだ。
成功とは人の評価でしかないが、幸せは自分の評価なのだ。そして幸せはこんなにも身近にあるものだといつも
改めて気づかされる。そしてそんな当たり前のことを見失ってしまう自分の弱さを恥じたりもする。
そして世の中なかなか捨てたものじゃないとも思えてくるのだ。

二つある階段の一つ
三輪街に繋がる路地を下っていくと皇后大道中へ出た。人一人がやっと
通れるくらいのただの通路だ。地図に書いてあったのでそのとおりに下ってみたが、
まず地元の人以外は通らないであろう。一見して
皇后大道中からはまず通り抜けできるとは思えない入り口
である。もし行かれる方は解りやすい
荷李活道から行くことをお薦めする。



2001年6月29日(金) 夕方6時過ぎ

ハッピーバレーそして祥興珈琲室

タイムズスクェアからハッピーバレー行きのトラムに乗り込む。とすぐに天気雨が降ってきた。
かなり激しく降っているが空は夕焼けのままだ。
夕焼けを見ながら雨の中をハッピーバレーに向かってトラムは進む。
15分もするとハッピーバレーについた。トラムはここが終点である。ここから
ケネディタウン行きの
トラムになるのだ。


向かいのセブンイレブンの軒先ですこし雨宿りしていたが、小雨になった頃合を見計らって
成和道に入ってみた。
右側に公衆トイレがありそのすぐ隣に
祥興珈琲室があった。お店の名前を聞いていなければ通り過ぎてしまうそして、
お店の名前に珈琲室とあるが、店構えはごく普通のパン屋さんである。ウインドーにエッグタルトが並んでいるのが
見えたので思い切って入ってみることにした。


お客さんは二組ほど。入るとすぐに壁に沢山のサインがかかっているのが目にはいるが
だからどうだということもない。それ以外は本当に普通のパン屋さんである。
ウインドーを指差して1つ欲しいといい席につくと、身振りで飲み物はいいのか?と聞いて来てくれた。
頷くとメニューをもってきてどれにするかという。
レモン入りコーラを頼むとすぐにエッグタルトと一緒にもってきてくれた。

エッグタルトを食べながら沢山のサインを眺めてみるが、沢山のサインというだけでどれも全然読むことができない。
漢字のサインや英語のサインもあるのだろうが、それさえも判別不明のありさまだ。
英語も通じないようなのでそれ以上どうすることも出来ない。エッグタルトとコーラを飲んで店を後にした。
(バットに並べられていたエッグタルトは冷たかったがなかなか美味しかった。)
面白かったのは
お勘定をしている最中に年配の女性が持ち帰り用のジャーを持って店に入ってきたことだ。
なにかを持ち帰りしようとしているらしい。映画の中では見ていたが本当にあのジャーが使われているところを
初めてだったので、ちょっと驚いた。ごみもでないし、エコロジーだなと変な感心をした。
帰りは
ケネディタウン行きのトラムにのって湾仔まで帰った。雨に濡れた静かなハッピーバレー
なかなかおつなものであった。


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