A.DAISYとは
DAISYはDigital Audiobased Information Systemの略称で日本語には「デジタル音声情報システム」と訳されています。カセットテープの後を引き継ぐ次世代録音図書フォーマットとして現在ではIFLA(国際図書館協会連合)で「世界標準」として認められています。録音図書利用者の視点からは、1枚のCDに50時間以上の録音ができること、図書中の目的の場所へ容易に移動して読むことができることなどの特徴があります。録音図書製作者の視点からは、編集校正が容易にできること、図書の保管スペースが小さくてよいこと、長期間に渡って保存できることなどの特徴を備えています。
デイジー録音図書はフレーズの集合体であるセクションが集まって構成されています。
フレーズはデイジー録音図書の最小構成単位で、息継ぎや句読点によって分割されます。
セクションは複数のフレーズの集まりで「章」や「節」を単位にして分割が行われるのが普通です。 このCDを聞くためにはプレクストークやVictor Readerのような専用の再生機が必要です。
B.DAISY録音図書の種類
DAISY録音図書には次のような区分があります。
- (1) 全文音声のみの録音図書
- (2) 全文音声とフルのNCC(ToC)の録音図書
- (3) 全文音声とNCC、本文の一部による録音図書
- (4) 全文音声とフルテキストの録音図書
- (5) フルテキストと一部の音声による録音図書
- (6) フルテキストのみの録音図書
現在配布されているDAISY録音図書の大部分は(3) 全文音声とNCC、本文の一部による録音図書に属するものです。
中途失明者の理療科用教科書として理想的なのは(4)全文音声とフルテキストの録音図書です。拡大読書機の機能と録音教科書の機能を併せ持つ上に優れた検索性をも備えています。
C.DAISY録音教科書の構造
現在利用されているDAISY録音教科書の多くは以前に製作されていたカセットテープによる録音教科書を1枚のCDに収録し、適宜セクションに分割し階層付けをして教科書内の移動が容易にできるようにしたものです。DAISYには、などの機能があるのでこれを利用してマルチタイトル教科書も製作し実際に入所者に利用していただいています。
- 1枚のCDに50時間以上の録音が可能であること、
- 1枚のCDに何冊もの図書を収録してマルチタイトルCDを製作することも可能であること
D.DAISYフォーマットによる録音教科書の読み方
基本的にはカセットテープと同じようにSQRRRの技術を用います。DAISYフォーマットで製作されたCD録音教科書をCD再生機(プレクストークPK−300やVictor Reader Pro)を用いて再生すれば以下のような読書が可能です。
- (1)目次で調べたい項目のページを調べ、そのページへ移動して読む。
- (2)「章」と「章」や「節」と「節」ごとにジャンプして移動する。
- (3)「しおり」をつけ「しおり」から「しおり」へ次々に移動する。
- (4)1ページづつ進んだり戻ったりする。
E.CD録音図書再生機の操作技術
DAISYフォーマットによるCD録音教科書を読むためにはプレクストークPK−300やVictor Reader Proなどの再生専用のプレーヤーを用います。ここではプレクストークPK−300について必要な操作ボタンをあげてみます。全部で32個のキーやつまみの配置と使い方を学習する必要があります。
- (1)電源スイッチ(1)
- (2)音声ガイドボリューム(1)
- (3)ボリュームつまみ(1)
- (4)音質調節つまみ(1)
- (5)スピード調節つまみ(1)
- (6)Undoキー(1)
- (7)Redoキー(1)
- (8)十字キー(4)
- (9)再生、停止キー(1)
- (10)Backキー(1)
- (11)Fwdキー(1)
- (12)Bookmark Setキー(1)
- (13)Bookmark Deleteキー(1)
- (14)数字キー(12)
- (15)Treeキー(1)
- (16)Timeキー(1)
- (17)Pageキー(1)
- (18)bookmarkキー(1)
目次へもどる
You can come back to the top page.