豊島区議会議員 山口菊子  
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私のじっくり コツコツ20年 そして これから ■ 山口菊子の政策・提言 ■ 初一念で慎重に具体的にすすめます。



本の虫 2010年夏

暑いというより、2010年の夏は猛暑です。あまりの暑さに集中力を失いそうです。移動する電車内や、クーラーの効く部屋で本を読んでいます。今回は、7冊(5巻・16巻と、実際の冊数は多いです)をご紹介します。



沈まぬ太陽    山崎豊子著    新潮文庫
 文庫本で5巻は、さすがに気後れしましたが、読み始めたら、いっきに読んでしまいました。天下のJALが会社更生法の対象という今日を、誰が予想したでしょう。小説とは言え、真実に限りなく近いことでしょう。



ゲーテに学ぶ 賢者の知恵  適菜収編著    メトロポリタンプレス
 昔々「若きウェルテムの悩み」は読んでいますが、近頃はゲーテなんて縁遠かったなあと思いつつ、書店で手が伸びました。なかなか含蓄があります。



新しい世界観を求めて  寺島実郎・佐高信著   毎日新聞社
 両氏の立場の違いはあるものの、それぞれの人間的な奥行きの深さを感じさせる対談です。とくに寺島氏はテレビを通じてしか知らなかったので、面白かったです。


小説 琉球処分     大城立裕著    講談社文庫
 読み応えがありました。いまでも基地問題に翻弄されている「沖縄問題」の原点が、未だに歴史のかなたに消えていないのだということを、しみじみ感じます。


最低所得保障  駒村康平編  岩波書店
  所得格差が広がり、生活保護を受ける人が増えています。大学の専門家による科学的な根拠が明記され、わかりやすい本です。

 

いのちを守る労働運動 最前線9人の証言  設楽清嗣・高井晃   論創社
 長年、労働運動に取り組んできた2人が対談を通して、各地での労働争議をついて語っています。非正規労働が増え、あらためて「働く」ということの意味を考えました。

 

鎌倉河岸捕物控 全16巻   佐伯泰英著   ハルキ文庫
 山本周五郎・池波正太郎・藤沢周平を読み、ついに佐伯泰英を読み始めてしまいました。歴史小説が好きというより、庶民の目線で書かれているのに惹かれます。

 


 

本の虫 2010年2月

早いもので、21世紀になって10年も経っています。年令を重ねると時間が経つのが速く感じられます。もっと本を読まねば・・・と、思う毎日です。 今回は9冊をご紹介します。



「やるっきゃない!」吉武輝子が聞く土井たか子の人生    パド・ウィメンズ・オフィス
 土井たか子さんが政界を引退したのは5年前。その後も土井さんは「憲法行脚の会」などで憲法を守るために頑張ってきました。私の最も尊敬する政治家・土井さんの言葉を、吉武さんが引き出しています。



悠々たるフェミニスト 久保田眞苗・人と仕事    久保田幸子編  ドメス出版
  護憲・平和・男女平等を求め続けた、素晴らしい眞苗さんの人と仕事がまとめられています。眞苗さんは、私の尊敬する女性であり、政治家でした。



若き友人たちへ   筑紫哲也著    集英社新書
  筑紫さんは早稲田の大学院の教授でした。私は、その最終講義を聴講しました。その講義を思い出します。若い人たちへの熱いメッセージが伝わります。もっと生きていて欲しかったと思います。


北朝鮮で兄は死んだ  梁英姫(ヤン ヨンヒ)   七つ森書館
  映画「ディア・ピョンヤン」の監督であるヤンさんは、素敵な女性です。ピョンヤンに「帰国」したお兄さんの死を看取ることも、墓参もままならない・・・「在日」という状況を作ってしまった日本人の子孫として、私は大きな衝撃を受けた本です。佐高信さんが聞き手となっています。


ボクの彼氏はどこにいる?  石川大我著      講談社文庫
  はじめの本は絶版となり、6年ぶりに出版されました。性的マイノリティとして生きてきた石川さんの人生、そして社会への発信が伝わります。

 

半島へふたたび    蓮池薫著   新潮社
  拉致被害者の蓮池さんが、韓国へ初めて訪問し、拉致されていた24年を語っています。未だ全てを語りきれないでしょうが、痛ましい人生を垣間見ることができます。胸に迫ります。「拉致」は許せません。

 

イン・ザ・プール    奥田英朗著   文春文庫
   「空中ブランコ」と「町長選挙」と、3冊を一気に読んでしまいました。主人公のような精神科医が身近にいたら・・・「自殺」が減るでしょう。

 

チーム・バチスタの栄光   海棠尊著   宝島社文庫
  この著者の本も、立て続けに4冊読んでしまいました。医療用語は全て理解できませんでしたが、命と医療、そして医療現場・・・文章は軽快にすすみますが、ストーリーに内包された奥深いものが感じられます。

 

バカでエースがつとまるか!  堀内恒夫著    ベースボールマガジン社
  ジャイアンツのピッチャーとして活躍、監督にも就任し、そして殿堂入りした著者の言葉は、じつに説得力があります。堀内さんのお人柄・・・とても謙虚な方です。

 


 

本の虫(2009年初秋)

梅雨が明けないままに夏となった地域もあります。暑い夏は、選挙という熱い闘いでした。落ち着いて本を読む時間が少なかったのですが、爽やかな初秋になって、少しは読書に時間を割きたいと思います。 更新がご無沙汰のページです。今回は6冊です
 



隅田川の向う側━私の昭和史       半藤一利著    創元社
 私自身は隅田川のこっち側に生まれ育ち、世代も違いますが、母や祖父母の話を思い出しながら、少しだけ著者の世界を想像できます。



市場原理主義が世界を滅ぼす!  高杉 良著    徳間書店
 著者は保守の立場の人ではありますが、日本が小泉・竹中改革によって米国型資本主義・拝金主義に染め上げられたことを批判し、日本再生への道を訴えています。



丸山眞男を読みなおす  田中久文著     講談社
 タイトルとはおよそ違い、浅学の私は丸山眞男を勉強したことがありません。とても敷居が高い丸山論文を読む自信がなくて、恐る恐る手にとってみた本です。もっと勉強しなくては。


差別と日本人  野中広務・辛淑玉著   角川書店
 辛さんが野中さんの言葉を引き出して、野中さんの深層にある心が言葉になっています。それにしても、麻生太郎という人が根強い差別者であることに怒りが湧きます。


獄中記   佐藤 優著     岩波書店
 鈴木宗男と一緒に、国策捜査で有罪となった著者。接見禁止で、512日におよぶ東京拘置所での日々が詳細に書かれていますが、勉強が大好きなのだと、驚くばかりです。

 

村山談話とは何か  村山富市・佐高 信著  角川書店
自・社・さ連立政権で生まれた「村山談話」は、政権が変わってもすべての内閣が踏襲している意味は大きいです。連立政権当時の私は、連立に批判的でした。

 


 

本の虫(2008年・年の瀬)

このコーナーの更新は1年ぶりです。活字を読まない日はないのに、更新できなくて・・・言い訳がましいのですが、今年は一段と忙しい日々でした。そんな中で今年後半に読んだ、ホンの一部をご紹介します。
 



食大乱の時代  "貧しさ"の連鎖の中の食  大野和興・西沢江美子著 七つ森書館
農薬入り中国製冷凍餃子が大騒ぎになったのは1月。そして世界中で穀物不足が言われています。日本の食糧自給率は39%。まさに食と農が世界各地で音を立てて崩れています。必読です。



21世紀わたしの憲法手帳 〜いきいき沖縄ライフ〜   沖縄憲法普及協議会
大事な憲法。この憲法のおかげで私たち女性は参政権を得ることができました。厳しい「沖縄戦」という歴史をもつ沖縄の視点で編修されています。何度でも読み返したいです。



山川菊栄と過ごして   岡部雅子著   ドメス出版
1890年生まれの山川菊栄は、私にとって歴史上の人物です。津田塾を卒業して平和と人権の確立のために一筋に生き抜いた烈女と縁遠く感じていました。読んでみると、人間としての幅を感じます。山川が関わった日本社会党、日本婦人会議、婦人問題懇話会、そのいずれにも私は入っています。大先輩の「人となり」を、秘書だった著者が丁寧に書いています。


反貧困の学校  宇都宮健児・湯浅誠編   明石書店
バブル以後、所得格差がすすんだと言われてきましたが、いまや「貧困」が身近になってきました。野宿者の支援や貧困の問題に取り組んでいる2人の本です。


対論 生き抜くこと    雨宮処凛・香山リカ著   七つ森書館
就職氷河期に遭遇してフリーターになって絶望感を抱いて生きてきた雨宮さん、精神科医の香山さんが若者の厳しい現状と、自由と生存のために語っています。
 

小説会社再建  高杉 良著   講談社文庫
オイルショックによって経営危機に陥った佐世保重工を再建した坪内康夫を描いています。こういう経営者ばかりだったらと、思わずにはいられません。それにしても、銀行というのは困ったときには助けてくれないものなのですね。貸し渋り・貸し剥がしというのは今も昔も同じなのだということがわかります。高杉さんの作品はいつ読んでも、読み応えがあります。
 

物理学者、ゴミと闘う    広瀬立成著   講談社現代新書
ゴミ問題の解決は、なかなか難しいです。市場経済の中では儲けることが優先され、環境は後回し。環境って、企業が宣伝で使っていますが根本的解決には目を背けています。ゴミ問題は私の仕事のテーマの一つです。著者の「燃やして埋めるは大間違いだ」は、胸に迫ります。
 

土曜日のめざまし時計 国連と私  久保田真苗著  労働教育センター
今年8月8日に久保田さんは亡くなりました。労働省から国連の婦人の地位向上部長になり、婦人に対する差別撤廃条約の成立のために奮闘されました。1978年当時から比べれば、女性の地位は向上していますが、まだまだです。久保田さんの遺志をこれからも繋げなくてはなりません。


福沢諭吉伝説  佐高 信著  角川学芸出版
私が早大卒業だからというわけではありませんが、福沢諭吉のことは歴史教科書以外に書物で読んだことがありませんでした。「平熱の思想家」ですか・・・暗殺されるかもしれない状況にあっても時代に翻弄されない意思というのは、すごいですね。


隠蔽捜査  今野 敏著  新潮文庫

今野敏に、はまってしまいました。リオ・朱夏・イコン・ビート・ST警視庁科学捜査班・・・もう、10冊以上も。夜更かしを続けてしまいます。グチグチと悩みながらカッチリと仕事をしていく刑事を描いた作品など、人物描写が実に面白いです。

 


 

本の虫  2007年10月

このページの更新が・・・すっかり忘れたわけではありませんが、4月の区議会議員選挙、新しい議会での活動、参議院選挙と落ち着かない日々が続いていました。あげくに夏は猛暑で・・・言い訳ばかりです。本は読んでいましたが、どちらかと言うと気分転換に軽い小説ばかりを選んでいました。今回は8冊です。
 



包帯クラブ    天童荒太著    ちくまプリマー新書
著者の作品は「永遠の仔」を初めて読んで、じつに面白く、いくつか読みました。この本も心に傷を持つ子どもが描かれています。子どもが健やかに成長するのは、当たり前のようでいて、とても難しいのですね。



うつくしい子ども   石田衣良著     文春文庫
池袋西口に住む私にとって「池袋ウェストゲートパーク」は、それなりにショックなタイトルでした。地元では著者を嫌う人もいますが、悩める子どもたちを温かい目で書いているように感じます。この本も読み応えがあります。



おひとりさまの老後   上野千鶴子著    法研
著者らしい本だと評価する方もあるかもしれませんが、私は逆で、上野教授らしからぬ本だと思いました。家族があってもなくても、人間は自分の判断で生きるものだと思います。支えあいは大事ですが、依存した生き方は嫌ですね。


スピリチュアルにハマる人、ハマらない人  香山リカ著  幻冬舎
前世を信じる人は許容できても、死んでも生き返ると信じる子どもは困ったものです。テレビではスピリチュアルが大流行。胡散臭さを感じる私がオカシイかと思いましたが、やっぱりおかしくないことを確認しました。人間がこれほど他力本願になってよいのでしょうか?


裁判員制度の正体   西野喜一著   講談社現代新書
友人の弁護士からいただいた本です。2009年5月までに始まるという「裁判員制度」について詳細に書かれています。国会議員や市区村長は裁判員になることはありませんが、地方議員は裁判員になる資格?があります。だから、私も選ばれる可能性があります。私は裁判官を志したことは一度もありません。殺人などの重大犯罪の裁判に加わるなんて、まっぴらですが・・・簡単には断れないんですねぇ。こんな法律は作るべきではありませんでした。
 

クチコミのチカラ  ベクトルグループ編著   日経BP
あるパーティで著者メンバーからいただいた本ですが、とても勉強になりました。「マスメディアを使い大量の広告を投下する垂直型のアプローチだけでブランディングできる時代は終わったのだと認識すべきであろう」・・・なるほど。しかし「クチコミ」は諸刃の剣ですね。
 

臨場   横山秀夫著       光文社文庫
著者の作品は面白いです。読み始めたら途中で止められなくなります。身近にジャーナリストの卵がいるので、薦めてしまいました。主役の検視官の目は素晴らしい。固定観念でモノを見ないということは、存外に難しいことです。
 

会社事件史   奥村宏・佐高信著      七つ森書館
対談を読むのは苦手で、読み終わるのに時間がかかりました。サラリーマン必読です。人間は働かなければ生きていけませんが、雇用されている会社のありようは、しっかり見ておかねばなりません。


 

本の虫(2006年・年の瀬)

同世代か、それよりも上の世代の方と話すと、必ず「時の経つのが早いですね」という言葉が出てきます。ほんとうに、早いもので2006年も残り少なくなりました。私は一人の作家の作品を読み始めると、著書の全てを読みたくなります。最近では逢坂剛さんにはまりましたし、今回は北原亜以子さんにはまりました。北原作品5冊をあわせ10冊をご紹介します。
 



サザエさんの<昭和>    鶴見俊輔・斎藤慎爾 編  柏書房
小さいときから大好きな漫画・サザエさん。何回同じものを見ても笑ってしまいます。11人の人たちが、あらゆる面からサザエさんを分析しています。 フ―ン、そんな見方もあったのか・・・



憲法九条を世界遺産に  太田光・中沢新一 著  集英社新書
漫才?の「爆笑問題」の太田光という人は、テレビのゴールデンタイムで真剣に憲法を守ろうと言っていますが、イヤミや押し付けがなく、また拳を振り上げて「護憲」と、政治的発言をしてはいません。この本も素晴らしいです。



老後がこわい   香山リカ著   講談社現代新書
シングル女性の老後や死について、率直なことばが書かれています。読み進むうちに、シングルでなくても、だれもが共通して考えることばかり。精神科医の香山さんが考えることなのだから、私が悩んでも不思議ではない・・・そんなことを思いながら読みました。


傷・再会・おひで・峠・蜩  北原亜以子著  新潮文庫
慶次郎縁側日記の5冊です。山本周五郎・池波正太郎・藤沢周平と大好きな作家を読み終えて、北原作品とめぐり合いました。3人の男性の大作家に負けない作品だと思います。歴史に残っていない、いつの世も変わらない市井の人たちの気持ちを描いています。


真相  横山秀夫著   双葉文庫
横山作品は実に面白いと思います。「動機」「半落ち」「クライマーズ・ハイ」「出口のない海」など、どの作品も力作ばかりで感動しました。人間の心の奥底に迫る、作者の目がすごいですね。
 

政治原論  佐高信・岸井成格著   毎日新聞社
大学の同級生の対談です。ずいぶんと意見が違うのですが、それが、読んでいて面白いのです。お互いがきちんと自分の意見を言い、反論していく・・親しいからこそ率直に話せるのか?・・・私は、お互いを友人として信頼しているからこそ、いい加減なことを言えないということなのだと、思いました。

 


 

本の虫(2006年8月)

今年の夏は温暖化の影響で、夏らしい日が少ないようです。農作物の成長が気がかりです。暑くて集中力に欠ける時期ですが、今回は6冊を紹介します。8月はヒロシマ・ナガサキ・・・そして15日。平和を心から希求します。



白夜行     東野圭吾著      集英社文庫
文庫本の分厚さに、書店で手に取るのが一瞬ためらわれました。重くて持ち歩けないので、結局深夜に一気に読み終えました。息が詰まるような場面の連続。なかなかの作品です。子どもが幼いときに受けた心の傷は消えない・・・重いテーマです。



「言」こころ語り 「言」あ・うん語り  
         清水寺奥之院御本尊御開帳記念対談   音羽山清水寺

2000年・2003年と、あの京都の清水寺での「講話」の記録です。講話といっても対談もあり、語る方は各界で幅広く・・・すごくキャパのあるお寺なのだと、感動しました。場所は寺の書院。その空間をイメージし、私もこんな講話を聴くチャンスがあったら良いな・・・と思いました。
非売品のようです。



「靖国」と小泉首相   渡辺恒雄・若宮啓文著   朝日新聞社
読売新聞主筆の渡辺氏と朝日新聞論説主幹の若宮氏の対談。靖国神社首相参拝に異議ありで一致しています。小泉首相に理性や知性、そしてもっと人間的な奥行きがあれば・・・無理ですかね。


兄弟     なかにし礼著    文春文庫
著者の自伝的作品といわれますが、壮絶な家族関係ですね。「兄」の性格もあるでしょうが、戦争に翻弄された家族の背景に目を向けなくてはならないような気がします。だいぶ前に購入し、「積んでおいた」ものを最近読みました。


戦争で得たものは憲法だけだ  憲法行脚の思想  落合恵子・佐高信編  七つ森書館
憲法行脚の会の呼びかけ人の方々の言葉が続きます。分かりやすく、読みやすい、憲法を愛する人々の心が伝わります。
 

トヨタの正体    横田一・佐高信・週刊金曜日取材班著  株式会社金曜日
トヨタの車の安心感はどこから来るのでしょう?実は、私の車はトヨタ車。テレビも新聞も雑誌も広告無しには成り立たず・・・広告主の悪口は書きにくいとは聞いていましたが・・・マスコミ最大のパトロン トヨタの前に赤信号はないのか、と。力やお金の前に言葉を亡くすことは間々ありますが、日本の看板企業としての社会的責任は果たして欲しいですね。

 


 

本の虫(2006年4月)

年度切り替えの時期、なんとなく忙しい日々です。桜の盛りは短く、のんびりと花をめでる時間がないのは残念ですが、仕事に忙しいのは私にとっては大事なことです。本を一気に読むのは難しく、長編は後回しになって、積んであります・・・積読じゃ駄目ですね!今回は5冊を取り上げました。


テレビの罠 
コイズミ現象を読みとく  香山リカ著     ちくま新書
新書ではありますが読み応えがあります。香山さんの奥深さを感じます。昨年の衆議院選挙は小泉劇場といわれ、スターとなったホリエモンは今年なって塀の中に入り・・・メディアに騙された?・・・たいへん考えさせられる、必読の1冊です。
 

ケンカの作法 批判しなければ、日本は滅ぶ 辛 淑玉・佐高 信著  角川ONEテーマ21
いつもながら、辛さんの舌鋒は鋭く、そして心優しい言葉の数々。佐高さんとの対談は飽きません。対談には上野千鶴子さんも入って、読み応えがあります。

よってたかって古今亭志ん朝  志ん朝一門著    文藝春秋
素晴らしい才能で落語ファンを喜ばせていた志ん朝さんが亡くなり・・・私は彼の最期の頃の高座しか見ていない?(聞いていない)のですが、切れの良い噺が真骨頂でした。

姜尚中の政治学入門   姜 尚中著     集英社新書
相変わらず「知性の姜尚中」という印象です。難しくて理解できないことも多くて、他の本で調べたことも。あとがきの「百聞は第六感にしかず」・・・ウーン、そうですね、どんなに勉強しても、知識を超えたところが重要ですね。それにしても、越える前の知識を身に付けなければ・・・

小泉政治全面批判     森田 実著       日本評論社
近頃テレビでお顔を見なくなった森田さん、政権批判で干されているのでしょう。公開されているブログが評判ですが、私は未だブログに訪問していません。「政治の基本は平和であり、独立、自立であり、自由と平等を同時的に追及しなくてはならない」と、アメリカ追従の小泉首相を批判しています。森田さんは保守の方ですよね。

 

 


本の虫   2006年晩冬

豪雪被害が多くあり、久しぶりの寒い冬を迎えましたが、立春も過ぎ、もうすぐ春です。小さいときは当たり前だった霜柱を今年は踏んでしまいました。靴底に付いた土を見て、チョッと嬉しくなりました。今回は少し早めの更新です。


明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか   板垣恭介著   大月書店
タイトルを見て、書店で思わず手に取りました。元宮内庁記者である著者は歯に衣着せず、昭和天皇の戦争責任を書き、昨秋の総選挙での小泉政権圧勝を「ファシズムの萌芽」と言い・・・実に鋭い舌鋒です。天皇に「ふつうの人間になりませんか」と著者は優しく呼びかけています。ホントですよね、戸籍もない、選挙権もない、結婚の自由もない・・・

田原総一郎よ 驕るなかれ    佐高 信著     毎日新聞社
日曜日のテレビを見ると、強い人には低姿勢、自分より下と見たら高飛車な、そんな田原総一郎にはチョッとうんざりしていました。とても痛快な本です。

遺言のつもりで 伊都子一生語り下ろし  岡部伊都子著    藤原書店
変わらない岡部伊都子さんの語り口。読んでいて本に呑み込まれるような・・・そんな感じです。やさしい語りで、中身はピンと鋼のような意思が込められています。たくさんの方に、ぜひぜひ読んでほしいと思います。

鯨岩     又吉栄喜著           光文社文庫
日本全体の米軍基地の53パーセントが沖縄にある、アメリカの前哨基地としての沖縄。そういう事実は知っていますが、沖縄の普通の人たちの人生の中に、いかに基地問題が組み込まれてしまっているかを、この小説は伝えてくれます。基地問題という重い課題を、沖縄の美しい自然の延長線で私たちの目に写します。

多重がんを克服して 体験的治療学  黒川宣之著     金曜日
私は実母を胃がんで、義母を大腸がんで亡くしています。看病に明け暮れた日々を、同じ病院で闘病生活をおくる方々を思い出すと、とても気が重くなり、闘病記のようなものを読む気がしませんでした。元朝日新聞記者の著者の客観的な文章は、オビに書かれているように「用心と安心のガイドブック」です。

 

 


本の虫   2006年初春


記録的な積雪という、とても寒い冬を迎えています。このページの更新が遅れました。昨秋から更新しなくては・・・と思いながら、年を越してしまいました。最近少し忙しく、集中力が欠けてしまい、長編を重く感じてしまいます。でも忙しいときほど気分転換が必要ですね。今年もたくさん本を読んで頭をリフレッシュさせようと思います。
 


「あふれる愛」を継いで 米軍ジェット機が娘と孫を奪った  
土志田 勇著 七つ森書館

1977年9月27日、横浜市緑区で米軍ファントム機が墜落し土志田和枝さんと二人の幼い子どもが犠牲になりました。和枝さんは酷いやけどの治療を受けながらも31歳で亡くなりました。私と同世代、子どもも同じ・・・忘れられない事故です。お父さんの勇さんの近著です。お父さんの無念が伝わります。必読です。
 


下流社会 新たな階層集団の出現    三浦 展著    光文社新書
所得格差が広がっていることは、私の仕事上からも実感しています。フリーターやニート問題がマスメディアでも取り上げられています。人件費節約のために企業も公務員職場も正規採用をしなくなっています。自治体で指定管理者制度導入が法的に決められ、これもフリーターを大量に作る仕組みです。著者の見解はもっともに見えますが、チョット違うのでは?と私は思います。差別構造を作っている根幹は政治の作為ではないかと思うのですが。
 


CM化するニッポン なぜテレビが面白くなくなったのか  谷村 智康著    WAVE出版
私が子どもの頃、1時間番組の合間のコマーシャルは最初と中間と終わり、つまり3回でした。そのうち15分毎に、4回になりました。いまやコマーシャルの合間に番組を見せてもらっています。テレビの公共性を考えるとき、私たち視聴者の持つべき視点を考えさせくれる本です。
 


ザエクセレントカンパニー 新・燃ゆるとき   高杉 良著   角川文庫
高杉さんの著書は欠かさず読んでいます。アメリカで日本企業が成功していくのは大変なことだと思います。解説が佐高信さんですが、佐高さんの言うように成功物語だけれども失敗したこともキチンと書いてあり、モデルになった人が自らの負を書かれることを拒否していないのはスゴイことです。
 


松本清張傑作短編コレクション(全3巻) 宮部みゆき責任編集  文春文庫
「点と線」などいくつかの作品は読んだことがありますが、松本清張の作品の面白さを再発見しました。
 


いまどきの「常識」   香山リカ著     岩波新書
日ごろ私が感じていることが書かれていて、共感することばかりです。時代に流される、「現実」に従う・・・日常の中で、何事にも疑問を持つことを拒否されるような日々です。しっかり社会を見る目を、そして自分の考えを持つことが必要ですね。

 

 


本の虫2005年夏の終わりに 

今年の夏は地震・台風、そして解散・総選挙と落ち着かない日々になりました。夏休みが取れなかったのが残念ですが、元気で働けるのは有難いことです。今回は6冊を取り上げました。佐高さんの本が2冊になりましたが、いずれもお勧めです。

 

奇跡を起こした村のはなし   吉岡 忍著     ちくまプリマー新書
 ルビのついている本を読んだのは久しぶり。なんと読みにくいものかと、本の中身より気になってしまいました。豪雪・大水害・過疎・・・新潟県黒川村の村おこしの記録です。どこにもキーマンという人がいるのですね。平成の大合併で、築き上げた村の財産・・・人や農業や観光といったものが変わっていくのでしょうか。

ひとりひとりのいのち、ひとりひとりの人生  佐高 信著    七つ森書館 
 辛口の佐高さんですが、この本は優しい文章で書かれています。人が大好きで人をいとおしむ・・・佐高さんの人を斬るのとは違う面がにじみ出ている本です。

嫌われ松子の一生 上・下    山田宗樹著    幻冬舎文庫  
 「自分で考え自分で決める」というのが愚息の通っていた小学校の校訓でした。まさに自己決定できる力を小さいときから身につけなくてはなりませんね。主人公松子のように、親の言うままに良い子に育ち、些細な挫折から転落の人生になりながらも自己決定できない・・・なかなか奥の深いテーマですね。

懐かしのアメリカTV映画史   瀬戸川宗太著    集英社新書
  小学生から中学生くらいの頃、私はアメリカのテレビ映画をよく観ていました。高校までは校則が厳しくて、保護者付き添い無しで映画館に行くことが出来なかったので、テレビ映画は本当に楽しみでした。
 

悲歌 古賀政男の人生とメロディ    佐高信著    毎日新聞社
  演歌というか歌謡曲というと最近はマイナーなイメージです。どうも湿っぽくて、貧乏臭い歌が多くて元気が出てこないような気がしますからね。でも、「この世から不幸が消えない限り、涙の歌は唄われてゆく」・・・なるほど。佐高さんが演歌をお好きなことは知っていましたが、こういうジャンルの本も書かれるのですね。

私が生きた「昭和」    澤地久枝著    岩波現代文庫
 心臓が悪いという澤地さんが、息も切らずに話し続ける講演が目に浮かびます。戦後60年の今年の夏、もう一度読み返しました。
 

 


 


本の虫  2005年5月 

爽やかな初夏・・・私の大好きな季節です。目に映る青葉は、仕事に追われて疲れた私の気分をリフレッシュしてくれます。重い本は自宅で、文庫などは持ち歩いて・・いつも複数の本を並行して読む癖がある私です。チョット変ですね。
今回は6冊を紹介します。

 

西武を潰した総会屋芳賀龍臥 狙われた堤義明  平井康嗣著  WAVE出版
 西武の総帥・堤義明失墜・逮捕そして西武グルーの闇が明るみに出て行ったきっかけは、総会屋の芳賀龍臥がかかわる土地取引でした。株主も顧客も知らないところで、企業や経営者が利益を私物化してヤミのお金が動くのを見ると腹立ちを禁じえません。著者の丹念な取材が裏付けされ、文章も読みやすく、若い平井氏のこれからの活躍を期待したいと思います。

禿鷹の夜 無防備都市禿鷹の夜U    逢坂 剛著   文春文庫
 最初、Uのほうを読んだのですが、面白くて前作を買いに行きました。スゴイの一言です。環境浄化運動などで地元警察の生活安全課長とお会いし話すことがよくありますが、この本を読んでから・・・ウーン、まさか?ネ!

あわわのあはは 徳島タウン誌風雲録  住友達也著  西日本出版社
 とても面白かった!・・・感想としては単純すぎますが、タウン誌を作りたいという発想を実現して、趣味のようなミニコミ誌を会社組織まで作り上げていく力に感動します。地域にこだわり地域に生き抜くタウン誌を継続させるのは、実は簡単なことではありません。極めて個性的な著者の半生史でもあります。

考える一族    内橋克人著   岩波現代文庫
 私は理科系と言うか技術のことは、まったく分からないのですが、私が子どもから大人になる時代に、計算機がいかに進歩したか!すごいですよね。カシオ4兄弟のことを初めて知りました。同じ仕事を兄弟でするのは難しいことです。兄弟で商売をして喧嘩別れなんてことは往々にしてありますが、賢いカシオ4兄弟の生き様は、計算機の進歩以上に感心しました。

岡部伊都子へのめぐる想ひ 櫻レクイエム  大沼 洸著  紅ファクトリー
  元本は福島県本宮町で「岩越豆本(縦8.5センチ横6.5センチ厚さ1.7センチ)」を製作している著者の20号記念とのこと。旧字体旧仮名遣い毛筆字・・・読めな〜い!情けない!でした。でも、岡部さんの「兄や許婚者を、戦場に追いやった」という悔いを、そして大切な命への思いを伝えています。岡部さんは「こんな本を作ってくださった方があって感謝しています」と。限定1000部。読むことが出来た私は幸せです。

ま・く・ら    柳家小三治著  講談社文庫
 豊島区の文化フォーラムの講師として師匠の名前がありました。予習のつもりで読んだのですが、ウーン・・・高座のほうがズッーと良いです!初の女性真打・古今亭菊千代さんと大の仲良しの私は、彼女のおかげで寄席に行く機会がたびたびです。小三治師匠の噺を聞く機会もあります。噺のなかの、あの「間」というのはなんともいえませんね。

 


 


 

本の虫  2005年春

スキー場の雪不足を憂いた年末辺りから寒くなった今年の冬。久しぶりに寒い冬でした。コタツに入って読書・・・ぴったりのようですが、本は売れないようですね。初めて花粉症になった私は、花粉症対策の本に目が行きましたが、買いませんでした。今回は新刊が少ないですが7冊をご紹介します。「鬼平犯科帳」は読み終えました!

 

その男(一〜三)   池波正太郎 著  文春文庫
 江戸末期から明治へかけて、武士は当然ながら既得権を守るために奔走し、庶民は翻弄され・・・歴史はいつも過渡期ではありますが、近代国家への一歩がいかに大きかったか・・伝わってきます。杉虎之助という人が、今目の前にいたら・・・面白いだろうなと思います。

百姓が時代を創る   山下惣一/大野和興 著  七つ森書館
 世の中すべてグローバル化、非効率なものは許されない時代になっています。自然との共生なくして成り立たない農業が、大規模化・機械化・・・食料が自給できずに国家が自立できるのか?人間生活のすべての基本である「食」に対する無関心は、自然からのしっぺ返しがくるようで、怖いと思います。必読です!ちなみに装丁は私の友人の林佳恵さん。

曼荼羅道   坂東眞砂子 著  集英社文庫
 第15回柴田錬三郎賞の受賞作です。読んでいて、スゴイ気迫を感じました。坂東さんの作品は初めて読んだときから、作者の強いメッセージが伝わってきました。でも、押し付け臭くなく、上手な文章から自然と伝わってくるのです。

ゲバゲバ70年!大橋巨泉自伝   講談社
 見ていた当時、「11PM」は夜中の番組でした。釣りにマージャン、ゴルフ、競馬・ジャズ・・・趣味が多いというより器用な人だというのが大橋巨泉氏の印象でした。読んでみて、戦後の焼け跡の何もない時代から高度成長時代までの、「日々変わり、日々良くなる」良い時代に生きることができた人なのだと思いました。そしてポジティブでヴァイタリティのある人であることがよく分かりました。

生きる   乙川勇三郎 著  文春文庫
 藩主が死ぬと忠誠を示すために「追腹」・・・テレビの時代劇では見たことがありませんでした。藩主の遺言にしたがって生きてしまった家臣の物語ですが、人間は、生きるのも死ぬのも容易じゃないということが伝わってきます。同じ文庫に入っている「安穏河原」「早梅記」も切なさが残る作品です。

あたくし外伝   小沢昭一著  新潮社
筆者を知っている若い人たちも少ないでしょう。大正生まれの親から昔話を聞いて育って、なんとなく明治・大正・昭和初期を「知っている」世代の私には、見たわけじゃないけど、そんな時代のことが想像できます。私の母の曾婆さんは明治より前の生まれで昭和初期まで生きていたそうで、隠居髷を結って、近所には車屋さんがあって、人力車ででかけていたそうな。著者は人力車にお母さんと一緒に乗ったことがあると。テレビではお目にかかる機会のない筆者を懐かしく思います。

「噂の真相」25年戦記   岡留安則著  集英社新書
毎月の楽しみというか、読まないと落ち着かなかった「噂の真相」が休刊して、いろいろな週刊誌などを読んだが物足りない・・・ヨン様ブームのように世の中はピュアなものが好まれ、下品なものは疎まれますが、清濁あって世の中かな?と思います。広告収入を背景にしたメディアは広告主を意識してペンの運びが鈍るわけで、岡留さんのような個性的な編集者は出てくることはないのでしょうか。 

 

 


 

本の虫 (更新2004年年の瀬)

また更新が遅れました。2004年もわずかになりましたが、今年はことのほか忙しく、でもチョットの間に本にかじりついて、気分を変え、頭をリフレッシュさせていました。今回は5冊をご紹介します。来年はこのページの更新を早く出来るようにしたいです。

 


だまされることの責任  佐高信・魚住昭 著        高文研
 この本に、佐高さんは【「だましてください 言葉やさしく」とうたった詩人もいましたが・・・】と、サインしてくださいました。そうですよね、「だまされた!」いうのは、自分を正当化するだけで、ヤッパリ自分の判断がないということで、ダメなんですよね。実に読み応えがありました。

渡邉恒雄 メディアと権力   魚住昭 著        講談社
 佐高さんとの共著を読むまで魚住さんの本は読んでいませんでした。この本は「えっ?読んでないの?」と、愚息に呆れられ、借りて読みました。スゴイ取材ですね。魚住さんのファンになりました。ところで、ナベツネさんの「たかが選手」という言葉は流行語大賞になりませんでしたね。

中央構造帯    内田康夫 著    講談社
浅見光彦シリーズは大好きで、すべて読んでいます。ファンクラブにも入りたいくらい。今回は読んでいて、筆致は明らかに違うのですが、高杉良さんの小説かと思うくらいに銀行に対する目が厳しいものでした。

小泉純一郎 血脈の王朝   佐野眞一著  文芸春秋
 小泉首相を、秘書官の飯島勲・首相の生みの親とも言うべき田中真紀子・姉の小泉信子を描くことによって、その「ひととなり」を書いています。ウーン、そうなのか、と説得力がありますね。

金子みすゞをうたう みんなを好きになりたいな  吉岡しげ美著   クレヨンハウス
 今年は「君死に給もうことなかれ」がつくられて100周年。吉岡さんの歌と赤松良子さんらの講演の集いがありました。吉岡さんの歌に引き込まれました。たまには、金子みすゞの詩を読んで、心安らかにしなくては。

 

 


 

本の虫 (更新2004年8月)

 忙しいときほど本屋さんに足が向きます。議会と選挙で忙殺された6月7月でしたが、移動の合間に本屋さんに寄って本を買い込んでいました。8月は1年を通して一番自分の時間が取れるとき。でも真夏日が40日も続くと、チョット疲れますね。今回は冊数としては10冊をご紹介します。鬼平犯科帳は大事にゆっくり読んでいます。10巻目です。

 

幕末新撰組  池波正太郎著 文春文庫
 今年の連続テレビドラマは「新撰組」です。近藤勇とか土方歳三などの名前は知っていますが、実は本を読んだことがありませんでした。それに、体制派でなかった人たちが何故ドラマで取り上げられ、人々から長年にわたって親しまれるのか?気になりました。この本は「永倉新八」が主役です。理屈ぬきに面白かったです。

恋  小池真理子著   ハヤカワ文庫
 食わず嫌いというか、なかなか手に取る気がしませんでした。で、勇気を持って( ?)読んでみました。もう1冊「贅肉」と続けて読みました。さすが直木賞です。読み応えがありました。でも本屋さんの店頭で手に取るのが恥ずかしくなるタイトルばかりですね。

幻世の祈り・遭難者の夢・贈られた手・巡礼者たち・まだ遠い光
                              天童荒太著  新潮文庫

 2月から1冊ずつ発刊されました。読み始めると止められなくなり、気がつくと夜が明けていることもありました。どこの家庭でもありそうな・・・登場人物の一人一人の気持ちが、大人でも子どもでも、伝わってきました。読者の想像力をかきたてる筆力に感動します。

「イラク戦争」の30日   豊田直巳著   七つ森書館
 豊田さんの写した写真とともに、「私の見たバグダット」とあるように、ルポルタージュです。2003年3月20日、米英軍がイラクへの空爆を開始した日にイラク入りした筆者の文章は、実に臨場感あふれ、イラクの状況、というよりイラクの人々の様子が伝わってきます。

結婚しません   遙洋子著   講談社
 少子化が進んでいます。結婚して子ども生む人は複数のお子さんを持っています。一方で結婚しない方がものすごく増えています。とりわけ女性が結婚による人生のリスクを感じています。結婚とか出産はきわめて個人的な問題ですが、筆者がこのような本を出版する社会的背景を考えると・・・少子化も仕方ないかな・・・ でも、遙さん、読者の皆さん、良い出会いがあったら、ぜひ結婚して、子育ての楽しさをパートナーと共有してください!

 

 


 

本の虫 (更新2004年4月)

 今回は、早めに更新します。池袋西口の芳林堂(書店)が昨年末に閉店になり、とても不便になりましたし、本屋さんを覗く楽しむが減りました。東武デパートの上まで上がるか、東口まで足を運ぶことになりました。本当に残念なことです。 ところで、豊島区は公共用地や公共施設の再編を進めようとしていますが、図書館も減らす方針が出ています。子どもたちの読書離れが言われていますが、身近な図書館を大事にしたいと思いますし、図書館を維持できるような状況を作っていきたいと思います。 今回は5冊をご紹介します。

 

蹴りたい背中  綿矢りさ著  河出書房新社
 史上最年少19歳の芥川賞受賞作です。早稲田の後輩でもあるし、読まなければ!と思いました。「私の狭い世界を書いた本が受賞するなんて・・」という作者の謙虚さに惹かれました。確かに幼い世界を描いていますが、何かにこだわり、不器用な生き方しか出来ない・・・そんな登場人物に、私はかなり共感しました。 同時受賞の金原ひとみの「蛇にピアス」も、なかなかの作品でした。

にんげん蚤の市  高峰秀子著 文春文庫
 「土門拳・木村伊兵衛展」の入り口で売っていたのです。土門拳・木村伊兵衛の二人の写真家の被写体になった女優さんのエッセイです。私が小さいときに映画などで見た記憶があります。歯切れの良いベランメーな口調が活字になっています。美しい印象を残したままファンの前に顔を出さない女優さんというのは、とても素敵ですね。

ふたたびのいのち  梶原早千枝著   光文社
 心臓病のお子さんを失った著者は、お子さんの闘病中から、全国から移植を前提に入院する子どもに付き添う親のためのサポートハウスを運営しておられます。16年間のサポート活動をゆったりとした文章で書かれていますが、家族の壮絶な闘病生活は、誰もがいつ遭遇するかもしれないことだと、重いテーマが強く伝わってきます。光文社の編集者Mさんが「たまにはこういう本をどうぞ!」と薦めてくださった1冊です。

カカシの夏休み   重松清著   文春文庫
 友人のYさんに「疾走」を薦められたのですが、本屋さんで題名を失念して、間違って買ってきたのですが面白くて一気に読んでしまいました。さりげなく書かれた小説ですが、テーマがとても重いのです。

日本論    姜尚中・佐高信著   毎日新聞社
 辛淑玉さんが「久しぶりに《知》というものを感じた本です」と言われていましたが、お二人の知性をきっちり出した、読み応えのある本です。私は、実は、戯曲がまったく読めなくて、その延長線でしょうか?対談本は苦手なのですが、この本は吸い込まれるように読みました。「姜さ〜ん!このオバサンが握手して欲しいって」と、佐高さんが私を姜さんに紹介してくださり、握手をしていただいた私はニッコリ・・・なんてこともありましたが、姜さんはしばらくドイツに行かれるとのこと。論客がお留守になるのは寂しいことです。 

 

 


 

本の虫 (更新2003年の年の瀬)

久しぶりの更新です。更新しないならコーナーを閉じたほうがいいんじゃない?とか、1ヶ月に1冊も読んでないの?・・・厳しい声をいただきました。さすがに選挙に追われていました。4月には4回目の当選を果たさせていただきましたが、11月の総選挙はとても辛いものでした。本を読んでも感想を書くだけの元気が出ませんでしたが、ようやく読みたかった「鬼平犯科帳」を読み始めました。24巻の文庫本の4巻目です。ついつい時間を忘れて寝不足になります。
今回のお薦めは6冊です。

 

もうひとつの日本は可能だ / 内橋克人著 / 光文社
 内橋さんは、いつでも現場を歩いて地域の状況をつかんで、人々が今何を求めているかをしっかり感じている方ですね。強いもの勝ちなんて、ヤッパリおかしい。題名の通り、今の流れを大きく変えていかなきゃなりませんね。
 
悪魔の予言 / 金子勝・青木雄二著 / 五月書房
 漫画も言葉も実にインパクトのあった青木雄二さんは今年59才で亡くなられました。金子勝さんと二人、辛らつな言葉が続きますが、共感することばかりで、読み応えがあります。


ヘタな人生論より徒然草 / 荻野文子著 / 河出書房新社
 大学受験のとき以来、古典といわれるものは読んでいませんでした。源氏物語も現代訳でした。この本は、予備校教師の筆者によった現代訳でもなく、解説文でもなく、もちろん参考書ではありませんし、どういう分野になるのでしょうか・・・ものすごく分かりやすくて面白い!いつかまた原文を読んでみたいと思いました。


天に遊ぶ / 吉村昭著 / 新潮文庫
 短編集ですが、1作ごとに大変新鮮な印象があります。作家にあこがれた文学少女?時代がありましたが、ホント、こんな作品が書ける作家に生まれてきたかったなあ!


鬼哭啾啾 / 辛淑玉著 / 解放出版社
 ものすごーく心優しく、ものすごーく真っ直ぐな、ものすごーく激しい、私の大好きな辛さんの自分史、そして在日の人たちの様々な状況を伝えています。数年前、ある集会で、「子どもが飢えているのに、指導者が太っているなんて、そんな指導者は信じられない!」「辛さんは韓国と日本が戦争になったらどっちの味方をしますか?と中学生に聞かれたことがあります。戦争になったら1番始めに在日が殺されます、と答えました」という辛さんの発言が今でもはっきり耳に残っています。「在日」という状況を作り出した日本の歴史を、私たちは未来永劫忘れてはならないと、強く思います。


さらば外務省! / 天木直人著 / 講談社
 著者は自費出版しようと思っていたと、聞きました。読んでいて、正直なところ、鼻についてくるというか、なんだかエラソーという感じがしましたが、あれだけの立場の人がここまで・・・やはり感動です。ヤッパリ世の中捨てたものじゃない、と思います。
 

 

 


 

本の虫 2002年末

 タイトルを替えなくてはなりませんね。このページの更新が遅いと指摘を受けてます。
本と向き合ってはいますが、このページに書き込むまでいかなくて。新しい年は、更新のペースを上げるようにしたいと思います。

 

1.原子力と日本病 /村田光平著 朝日新聞社
 前スイス大使の著者は、70年代の中東戦争をきっかけにエネルギー問題に関心を持ったという。原子力発電所の危険性を感じ、「原発事故演習をやるべし」と97年のスイス大使時代にも国に声を上げていたという。外交官にもこんな人がいたのかと、驚きました。


2.理由 /  宮部みゆき 朝日文庫
 直木賞受賞作ですが、文庫本になって初めて読みました。登場人物の一人一人が、どこにでもいそうな普通の人ばかり。事件を通じて様々な人たちの人生が見えてくる小説です。


3.三人噺 / 美濃部美津子 扶桑社
 志ん生、馬生、志ん朝の、今は亡き3人の噺家一家のお話です。志ん生の長女が語っています。前半は「貧乏自慢」という感じですが、後半はとても含蓄のある内容でした。亡くなる年の春、池袋演芸場で志ん朝さんの落語を聞きました。この本は、演芸場に連れて行ってくださった方から「たまにはこういう本を読みなさい」と頂いたものです。


4.ながい坂 / 山本周五郎 新潮文庫
 普通、山本周五郎、池波正太郎、藤沢周平と進むそうですが、私は藤沢周平から入り、今、山本周五郎に夢中です。人間の人生がどれほどのものか分かりませんが、自分の信ずる道を迷わず生きるというのは容易ではないと、この長い小説から伝わってきます。


5.長期停滞 / 金子 勝  ちくま新書
 2001年の参議院選挙のとき、保守党代表が「経済?ITがあるでしょう!」とキンキンと怒鳴っていましたが、そのときアメリカのITバブルは破綻していました。大臣が経済を知らない国に未来はないと、私は絶望感をいだいたのを思い出します。金子先生の分析は的を得ていますし、指摘は正しいと思います。蛇足ながら、先生はエラぶらずお人柄が素晴らしく、私は大ファンです。


⒍.タレント文化人150人斬り / 佐高 信    毎日新聞社
 「大丈夫ですか?」と思わず佐高さんに聞いてしまいました。これだけ歯に衣着せぬ評論をしたら命狙われませんか?今回は「逆風の中で」とサインを書いてくださいました。ホント、逆風の中で私も頑張らなければ!と、勇気づけられます。

 

 


本の虫 2002年8月

このページの更新が遅れました。仕事の合間に本を読んではいましたが、それでも、チョット読むペースが落ちています。今回のお薦めは5冊です。

 

1.代議士になったパリの娼婦
               /ニコル・カスティオーニ著 草思社

こんなことが現実にあるのかと・・・一気に読み終えました。悲惨な幼児体験、信じられないような結婚体験、そしてパリ・サンドニ通りに立つ娼婦・・・スイスに戻って町議会議員から代議士に。ヨーロッパは敗者復活が可能な社会なのだろうか?あるいはニコル個人の資質なのだろうか?


2.サヨナラ学校化社会 / 上野千鶴子著 太郎次郎社
 1971年夏、私は就職活動をしていました。大学の就職部の掲示板には「政経・法学・商学部のみ」という紙ばかりでした。雇用機会均等法がない時代ですから「女子も可」なんて紙も稀にありました。親の肩書きが、学歴が将来を決めていた時代がつい最近までありました。今、どれほどの学歴があり、大会社に就職しても、ある日突然会社が無くなり、路頭に迷うことは珍しくありません。偏差値が一生ついてくる・・・まるで学校のような社会ではなくなりました。


3.爆笑問題の日本原論 世界激動編 / 爆笑問題著 幻冬社
 めったにテレビを見る機会がないのですが、こういう名の「お笑いタレント」がいることは知っていました。前書きを読み始めたとき、ナント賢い人なのだろうと、感動しました。評論家など専門家が直接に政治や経済を批判することも大事ですが、こうした表現で社会に声を出すことも意味があるなあ・・・私は、硬い言葉しか使えないからなあ・・・


4.在日コリアンの胸のうち / 辛淑玉著 光文社
 私の友人の在日の女性が「日本で生まれ育ったけど日本人じゃない、祖国に行っても落ち着かない、私たちは居場所がないみたい」と言っていました。私は、辛さんとはいろいろな運動で一緒になります。辛さんの言葉はいつも胸に響きます。


5.わたしを変えた百冊の本 / 佐高 信著 実業之日本社
 佐高さんにはサイン入りの著書をいつも頂いています。今回は「北に向かいし 枝なりき 花咲くことも遅かりき 国分一太郎」と達筆で添えて下さいました。佐高さんの読書量には言葉が見つかりません。私が本の虫なんて・・・恥ずかしいですね。

 

 

 


 

 

本の虫 2002年春

昨年秋は決算議会、この2・3月は予算議会、議会のないときは監査が続いて忙しくしていました。そのため、このページはしばらく更新しませんでした。目に付くものを手当たり次第・・・あまり落ち着いた読書とは言えませんね。
この半年くらいに私が読んだ本でお勧めを以下に。

 

1.アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ
               /モフマン・マフマルバフ著・武井みゆき・渡部良子 訳

 映画「カンダハール」の監督の著作。アメリカのテロに対する報復戦争の攻撃地アフガニスタンを「神にさえ見放された」国と言い、アフガニスタンに対する世界の無知を質しています。必読の1冊だと思います。


2.世界がもし100人の村だったら / 池田香代子 再話・C.ダグラス・ラミス対訳
 ベストセラーについ手を出しました。私が小学生だったら感動したかもしれません。少なくとも私が生きてきたこの50年の歴史を振り返るだけでも、世界の人々の構造は複雑すぎて・・・この本は少し美しすぎると思いました。


3.鳥たちの舞うとき / 高木 仁三郎著
 私は、草の根非核運動に関わってきました。高木さんのお話を聞くことも度々ありました。高木さんがガンで闘病しながら活動を続けていらしたのには胸が詰まりました。高木さんの最初で最後の小説です。


4.肩ごしの恋人 / 唯川 恵著
 直木賞受賞作品。恋愛小説はたくさん読んだことがありますが、この本はとてもスンナリと受け止められました。無理のない生き方ができたら・・・誰もが思うのでしょうね。


5.静かに 健やかに 遠くまで / 城山 三郎著
 城山さんの「箴言」が綴られている本です。「この日 この空 この私」には震える思いがしましたが、城山さんは感動的なタイトルをつけられるものです。


6.学校に行かなければ死なずにすんだ子ども / 石坂 啓著
 石坂さんのお子さん「陸ちゃん」は見るからに伸びやかです。明るい石坂さんの子育てが成功しているのでしょう。体育館マット殺人や葬式ごっこで苛められて命を亡くした子どもたちは、確かに「学校に行かなければ」死なずにすんだのです。子どもたちが健やかに生きられるようにとの願いが伝わります。

 

 


 

この半年間で私が読んだお勧めの本 

 

1、 アーユーアーハッピィ? / 矢沢永吉著
私はロックは好きなのですが、日本人の、しかも永チャンの歌は聴いたことがありません。友人が読んでいたのを借りて読んでみました。彼のいわばサクセスストーリーかと思いましたが、彼の人生の迷いや苦労が伝わる良い本でした。今度CDを買って聴いてみようかな?


2、裁判官を信じるな! / 柳原三佳・松永憲生・寺西和史他著
 司法判断は絶対のものだと、普通は思います。冤罪は昔からよくありますが、よもや「トライヤルエラー」なんて、そうあるものではないと信じていました。難しい司法試験を突破したエリートを信用するなというほうが無理ですから。司法改革の問題点も出ていて、必読です。


3、遺言状を書いてみる / 木村晋介著 
 私は、どんな小額でも、たとえ10万円の貯金を遺すとしても、遺言状は書くべきだと思っています。残された人たちへ自分の遺した物をどうしてほしいのか伝えるべきだと思っています。その通りに遺族が実行するか喧嘩するかは別として。私の友人福島瑞穂さんの遺言も載っていて勉強になります。


4、白い犬とワルツを / テリー・ケイ著
 さわやかな小説です。このところ小説というと、池波正太郎と宮部みゆきばかり読んでいました。田中重仁弁護士が読んでいらしたので買ってみました。老人の孤独と家族の問題は国境も時代も関係ないのですね.。


5、まるまる一冊マルセ太郎 / 矢野誠一・永六輔他著
 数年前、ギーフォアンシーを主宰する谷さんが、マルセ太郎さんの「泥の河」を池袋の私の知人の店で企画し、私は初めてマルセ太郎さんの一人芝居を鑑賞しました。そのときの興奮は今でも忘れられません。マルセさんの訃報を聞いて彼の舞台をもっと見たかったと、心から思いました。


6、ポッカリ月が出ましたら  朴慶南著
 キョンナムさんとは初対面から意気投合。山口菊子とともに歩む会の会員です。差別と軍事訓練が大好きな石原都知事に「やめろ」と言い続けています。キョンナムさんの強い精神と他者の立場を想い図る優しさは'命さえ忘れなきゃ'と、彼女の真から命を大切に思う心から出てくるのだと思います。

 

 


 

 

年末にあたって、今年私が読んだ本の中でお勧めを以下に。

 

私は「本の虫で」、忙しいと言いながら本屋さんに行くことだけは欠かしませんし、

手元に読む本がないと駅のホームでも本を買ってしまうくらい「活字中毒」なのです。

 

「永遠の仔」 / 天童荒太

「道祖士家の猿嫁」 / 坂東真砂子

「不安社会を生きる」 / 内橋克人

「黄砂の楽土 石原完爾と日本人が見た夢」 /佐高 信

「火車」 / 宮部みゆき

「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」 / 遥 洋子