時間軸
我々が感じ取ることの出来る時間とは、地球の自転に由来しています。地球の時間を肉体が感知できるのは地球の重力圏が及ぶ範囲だという事です。移動する速度によって時間の進み方に違いがあると言ったのは、あの有名なアインシュタイン博士ですが、実は我々の対応するあらゆる出来事において、その時間の進む速度はまちまちなのだそうです。そして我々の人体は、心臓の鼓動で時を計っているようです。
今、我々の意識は完全に時間の観念の檻の中にがんじがらめに閉じこめられているようです。少しその様子を探ってみましょう。
我々は遅刻しそうになるとあわてます。なんとか先方に連絡する方法はないかと思案が始まりますが、一般的には「いかに外なる現実に働きかけるか」に思考を使います。「時間を産み出す」事に思考を使う人はまだ少ないようですが、思考を「時間を産み出す」方に使い始める時が来たようです。
仕事の納期が迫ってきたらどうしますか? 仕事の効率をあげる事に思考を使うと思いますがこれでは片手落ちです。外の世界に働きかけるだけでは不充分です。どうぞもう半分の「時を産み出す」ことにも意識を向けて下さい。
まず手始めは「時間はいくらでもある」と自分に言ってみます。これだけで心は若干落ち着くものです。「大丈夫、時間はいくらでも産み出せる」と自分に言い聞かせます。これだけで心にゆとりが生まれます。そしてこの心のゆとりが明日のゆとりの時間を実際に創造してしまうのです。
一度こんな体験をすると、「本当に思っただけで時間が産み出せた、絶対間に合わないと思っていたのに納期内に仕事を片づけることが出来た、本当に時間は意識の力で創り出すことが出来るのかもしれない」と、何となく自信が出てくるものです。一度この自信がつくと、今度はその自信が作用してもっと確実に自分の意志で時間を変えることが出来たと感じる事柄を引き寄せてくるようになるでしょう。あなたのゆとりある心がゆとりの時間の源であったことに気づくでしょう。
そして時間意識に束縛された最もポピュラーな体験が、未来に対する不安です。人は未来に意識が飛ぶとすぐ不安を体験することが出来ます。人は今の延長線上に未来があると堅く信じこんでいます。これは大きな誤解なのですが、これまでの体験から判断すると、「時間軸は今ここに無限にある」という話を聞いてもなかなか納得することが出来ません。時間はレールの上を直線に流れているわけではありません。今、意識の質が変化すると、時間軸というレールの線を別のレールに乗り換えてしまい、未来に体験する出来事が変わってしまいます。
実はこのためにこそ、あなたのハイヤーセルフはあなたの未来に起こることを、あなたに告げようとしないのです。あなたのハイヤーセルフは、常にもう一段上のレールにあなたが乗り換える可能性を見ています。未来を渡して、その未来に束縛されてしまうことを良しとしないからです。
あなたは体験上、多くの因果律を知っています。こうしたらこうなるといった原因と結果の因果律です。この知識によってより豊かな未来を得ようと今を操作します。しかしこれまで体験で学んできた人類のこの原因と結果の法則さえ役に立たない時代が来ようとしています。
時間は絶対的なものではなく、今この瞬間を生き切ることによって、未来に予測された事態を回避できることを体験してみて下さい。「こうしたらこうなる、だから今はこうしよう」というような思考をいったんストップしてみるのです。今ここで信用を無くしたら生き辛くなるとか、今ここでこうしたら所得が下がるだろうというようなことです。今のあなたの行動と、未来に起こることに必ずしも因果関係が成立しているわけではなかったことを体験し始める時がやって来ました。
もう自分の思考を使うのを止めて、自分の人生を自分のハイヤーセルフに委ねましょう。勇気を持って、その瞬間したくなった事を自分に許すのです。「大丈夫、これで絶対に問題はないのだ、総ては必ずうまくゆく」と、事情の如何に関わらず単に信じて、今、したいことを自分に許していると、あなたが過去に体験した因果律に反した結果を招くといった体験を引き寄せ始めることでしょう。
三次元現象世界では、今とこの次の瞬間は繋がっていないのです。宇宙は毎瞬毎瞬、その瞬間ごとに完全です。今ここに完成された完全なる宇宙があり、次の瞬間には又別の完全な完成された宇宙が生まれます。我々の意識は毎瞬毎瞬その完全な宇宙を移動することによって時間の流れを感じているだけのようです。今と次の瞬間は決して線で繋がっているわけではありません。今この瞬間、あなたの意識がシフトすると、別の平行宇宙へ入っていきます。すなわち別の平行時間軸の宇宙へと移動してしまうのです。
もちろん同じ意識状態のままでいるあなたは、これまで通り過去においておなじみの因果律の体験を味わうことはもうご存じの通りです。あなたが信じた通りの宇宙を、また次の瞬間に創造するからです。しかしあなたが信じるものが変わった次の瞬間、その新たな信念通りの宇宙を産み出します。「これで良いのだ」と知っている人は、これで良い宇宙を産み出すのです。「これではまずいことになる」と知っている人は、これではまずい環境を創造してしまうからです。
そんな体験の一つひとつが、あなたの時空間にゆらぎを起こし、あなたの直線的時間の観念にひびを入れていくことになります。「こうしたらこうなる、だからこうしよう」といった固定的思考に挑戦してみて下さい。必ず、あれ、なるほど時間は繋がっていなかったという体験が出来ることでしょう。その時あなたの意識は、固定的時間の束縛から自由でいられることを知るでしょう。
これはやって見れば簡単なことなのですが、その前に、普段自分がいかに時間に束縛された想念を無意識に発しているかに気づく必要があります。「時間は大切である」という考え方もその一つです。もちろん時間が大切ではないといっているわけではありません。時間を大切にしようという想念の奥には、「時間は有限のものである」という、疑うことのない強い信念が潜んでいるのです。「もっと時間を大切にしようよ」という思いを出すときには、「時間は有限なのだ、時間は産み出せないのだ」、という思いを無意識に発しているのだと気付いていて下さい。
「時間は無限にある、大丈夫だ」と自分に言い聞かせたあと、待ち合わせに遅れてきた友達に対して、「俺は今忙しいのに何で待たせるのだ」という思いを持ってしまったとしたら、「時間はある」という思いと、「時間はない」という思いの両方の思いが互いにキャンセルしあって変化は何も起こりません。
どうか「何で俺を待たせるのだ」という思いが出てしまったら、「俺は今、時間がないという思いを出してしまった」とすぐそのことに気付いていて下さい。我々は肉体をまとっている以上エゴが必要です。エゴは我がままで独りよがりです。自分の都合の側からしか見られないエゴを、咎める必要は全くありません。それはエゴが働いているということなのですから、どうぞ自由にエゴさんを働かせてあげて下さい。そしてあなたはただそのことに気付いてさえいればいいのです。
あなたが「時間がない」という想念を出した時、その想念エネルギーはあなたの宇宙に生産されます。そしてその事に気付くことによって、その想念エネルギーはあなたの宇宙から消滅してしまいます。出したことに気づかず、出しっぱなしにしていると、宇宙のエントロピーの法則(在るものは無に戻っていこうとする性質)によってそれが物質世界へ現象として表現されます。すなわち想念エネルギーは物質化という活動を通して解消に向かうわけです。
人間が宇宙に付け足したエネルギーは、自然の摂理によって解消する機会を探し始めます。人が出した「時間がない」という想念は、「時間が足りなくて困ってしまった」という現実を、三次元世界で表現し、その役割を終え消えて行くわけです。三次元世界でいうところの諸行無常(「人が創り出したものは必ずいつかは消え去っていく」)ということを我々は知っていますが、これは見えない想念の世界においても同じことなのです。
ビッグバンによって神が創り出した宇宙に、人が付け加えた想念エネルギーは、いつかは消え去る運命にあります。それが思いが現実化することのメカニズムなのです。想念エネルギーは現実化することによって消えて行くわけです。ですから思いをかなえることはとても簡単なことです。単に思いを出せばいいだけです。あとは宇宙の自然摂理が働いて現象化します。
しかしあなたが無意識のうちに出している数々の想念に気付かなければ、いったい何が起こっているのか、わけがわからなくなってしまうのです。
今、あなたの世界が思い通りでないとしたら、それはあなたが無意識に出している想念に気付いていないだけのことです。自分の出す想念の100%に気付いていること、これだけのことです。
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