選択


  人は普段何に基づいて行動しているのでしょうか? 自分をつき動かす源は何でしょうか? 今あなたが一日の中で最も時間を割いていることは何ですか? そのことがあなたの人生の中であなたが一番価値を与えていることであることは明らかです。

 現代人が最も時間を割いていることといえばそれは仕事でしょう。基本的に人が仕事をするのは生き延びるためであるといえるでしょう。人が仕事にどんな意義を見つけたとしても、それはやはり生きるためという基本をはずれる事はなさそうです。

 ではあなた方を仕事に駆り立てる原動力は何でしょう。ひとことで表現するなら、それは「幸せのため」ということになるでしょう。幸せになるためにあなたは毎日行動し続けているわけですが、どうして人は幸せを得るために、仕事をするのでしょうか? 当たり前だと思いこんでいるだけで、人はあまりその理由を考えたこともないようです。幸せになるために本当に人は仕事をしないといけないのでしょうか?

 自分には、好きなことをする力がないと信じている人は(現代地球人の大半はそうなのですが)、幸せになるためには基礎をこつこつと築き上げなければならないと信じています。恐れから出てくる発想です。マイナスの想念世界で発想すると、人は自分を守るために思考が流れます。幸せの創造に意識は働かず、自分を守る方に意識が向いてしまいます。守ろうとする思いが敵を産み出すというのに・・・。

 「働かざる者喰うべからず」という強い強い価値観が今の地球を覆っています。「働かないと生きていけない」と硬く信じていますが、決してそういうわけではないようです。そう信じているからそんな現実社会を見ているだけだと伝えられました。

 「私は人に左右されず、社会に左右されず、自分に素直に、自分の好きなように生きていくのだ、好きなことをしているだけで絶対に生きていけるはずだ」という生き方を、他の人に先駆けて始める人達が出始めました。この地球の変容の時期に、そのために地球にやってきた人達が、積極的にそんな生き方を始めています。

 これを読んでいるあなたもきっとそのひとりでしょう。これを読みながら魂が感応しているとしたらそれが証拠です。貨幣経済社会とは基本的には奪い合いの仕組みですが、お金のない社会では、人は与えあわない限り生きていけません。「お金なんかなくても生きていけるのだ」と、誰かがそんな生き方の手本を示すことによって、これまで通りの生活に嫌気を感じていた人達が、新しい生き方に同調してきます。誰かが勇気を奮ってこれまで通りの因習的生き方にさよならをして、新しい生き方をしてみせる必要があります。あなたもきっとそんな人達の中のひとりではないでしょうか。

 我々人間が根本創造神から与えられている能力は、「創造の自由」と「選択の自由」である、と初めに伝えられました。私は長い間、このことの意味が判りませんでした。人は誰でも自由を求めますが、それは好きなことをしたい自由であると考えたからです。選択の自由が与えられたとしても、行動が自由になるとは思えなかったのです。

  「自分には力がない」という考え方で今までうまく行かなかったのなら、「自分には無限の力がある」という考え方を選択してみることも可能です。あなたが信じ、受け入れた考え方は、やがて時間の経過と共にあなたの現実の中に浸透し、現れてきます。

 望む結果を手に入れるのに、必ずしも行動しなければならないわけではありません。そう思い込まされてきただけです。より有利になりたい、より都合よく、より豊かに、よりよい環境で、より優れるため、あなたは行動をとり続けてきたわけですが、そろそろそんな、幸せになるために何かに成ってみたり、何かを手に入れてからという考え方にしばし別れを告げ、単に幸せでいるための考え方を選んでみるという生き方に挑戦してみてはいかがでしょう。

 「選ぶだけで幸せが手に入るだなんて、そんな虫のいい考えが通用するかしら」という考えが浮かんできたとしたら、ただそのことに気付いていて下さい。あなたの現実はあなたの選択の結果にすぎません。では何を選択すればいいのか・・・。ただ単にあなたの都合のいい考え方を選んでいけばいいだけです。ただ単にあなたにとって有利と思われる考え方を選んでいけばいいのです。

 実は今もあなたはあなたの選択の結果、今の現実をみています。あなたに今見えている環境は全てあなたの選び取った考え方の結果なのです。あなたの受け入れた考え方が状況を産み出します。

 「この世にはあなたに災いをもたらす敵がいる」という考え方をあなたが抱いている証拠として、あなたに災いをもたらす人物や環境が現れてきます。テレビニュースで流される殺人事件を見るのもこの世には自分の利益のために人をあやめる人がいるのだという考え方をあなたが受け入れてしまった結果として、あなたのその信念を見せられているにすぎません。

  「人は互いに理解し合うことは不可能」という信念の鏡として、あなたの前にあなたを理解してくれない人が現れます。あなたを判ってくれないその人は、あなたの信念が創り出した映像です。その人に「あなたは私を誤解しているのよ」と弁明を100回試みたとしてもその努力は徒労に終わるでしょう。人の認識を変えようとせず、あなたは自分の考え方を新たなものと取り替える事によって、簡単に現実である他人があなたへの認識を変え始めます。あなたがあなたを批判するその人を理解して上げて下さい。この世に「他人はいない」という考え方を選び取ってみて下さい。そんな世界に誤解は存在のしようもありません。

 今、時代が大きく変わろうとしています。どうして社会が変化するかというと、あなたの抱く信念を変える事によって社会が変わります。革命や、活動によって社会が変わるわけではありません。時代の変化とは意識の変化の事ですが、それは単にあなたがこれまで抱いてきた信念を手放し、新たな信念を抱く事によって起きてきます。であるならばあなたにとって都合のいい考え方を選び取ってみてはいかがでしょう。そうすればあなたにとって都合のいい社会が必ず現れてくる事でしょう。

 「都合のいいように考えればいいのですよ」と言うと、「じゃあ嫌いな上司がいなくなると決めてしまえばいいのですね」と問うてきますが、その人はまだ自分には嫌いな人がいるという信念は握ったままですから、上司が目の前から消えたとしても、又新たな嫌いな人を引き寄せてくることになります。目の前の敵を払いのけようとするのではなくて、自分が人を嫌う原因の考え方を変える方がずっと効果的です。自分が上司を嫌っているわけを捜して下さい。

 私がまず初めに皆様方に選択して欲しいのは「幸せになるために必要なものなど何もない」という考え方です。幸せになるのにお金はいりません。幸せになるのに恋人は必要ありません。幸せになるのにどんな環境も必要ではありません。こんな考え方を信じていると、今この瞬間が、そしてどんな瞬間も、とても幸せに思えてきます。生きている毎瞬毎瞬が至福の時へと変わります。「これが手に入ったら・・・」、「こうなったら・・・」といった未来の幸せに意識を向けるのは止めにしましょう。

 そして次に手放して欲しいのが、「働かないと生きていけない」という固定観念です。現代社会の根底にある硬い硬い価値観です。決してそんなわけではないのですが、そう信じている人達が、それを真実として体験しているにすぎないのです。

  もしあなたが過去の経験に照らして私のいうことを判断しようとしたら、私には私の正しさを証明するすべはありません。あなたのこれまでの体験が、あなたの正しさを証明しているのですから。あなたが受け入れた考え方を、真実として体験しているのですから・・・。ですから勇気を奮って新しい選択をしてみて下さい。あなたの正しさをこれまであなたの現実が証明してきたように、新しく受け入れたあなたの選択も正しかったことが証明されるようになってくるでしょう。

  もう「この世で何が正しいのか」といった正しさを探すのは止めましょう。過去の実績が証明する正しさを握っている限り、あなたは今のジレンマの社会から抜け出す事はありません。ある考え方が正しいか否かの判断にはどんな意味もありません。あなたの選択した考え方があなたの真実となってきます。

 「豊かになるにはお金が必要」という考え方から、「私の内側には無限の豊かさが元々内在している、無限に豊かな私にどんなものも必要がない」というシンプルな考え方に変えてみて下さい。「ああ、そうしよう」と単に選ぶだけであなたはそうなります。他にどんな事も必要ありません。簡単すぎるからといってあなたは疑うこともできますが、疑ってどんな利益があるでしょうか。「ああ、そうか」と受け入れたとして、一体どんな不利があるのでしょう。

 我々が神から与えられた能力は「選択の自由」です。幸せは選択することによって得られます。長い間、我々は活動することによって幸せを手に入れようと努力してきました。安心を得ようとして武器を作り、作った武器によって不安を感じてきました。病気をなくそうと膨大な努力をして、病人を増やしてしまいました。

 「働かなければ生きていけない」という恐怖の価値観を選んだことによって、神の子である我々人間はこんな葛藤を体験することが出来ました。地球そのものである我々人類の集合意識は、もう別の選択をしています。もう葛藤は終わりにしようと決めています。あなたが神から与えられた「選択の自由」の権利を行使して下さい。ただそれだけであなたはこれまでと違った生き方が可能となります。あなたは選択することによってのみ自由となります。あなたを変えられるのは神であるあなただけです。あなたは万能です。あなたは全てです。この考え方をあなたが選択したときあなたはそうなります。


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