2008年春リーグ3連覇・日本一



【激戦を物語るスコアーボード】
最終回、松永タイムリー、十九浦逆転2ラン、大野ソロ
〜2008年5月28日亜細亜大1回戦〜




















【優勝決定戦で先発好投した乾】

【優勝に沸く選手たち】

 
  

頂点に立った君たちへ」toyo1040さん作 大学選手権優勝に際して

 時折まばゆい陽光が差し込む神宮は、いまだ昨日の興奮が冷めやらないでいた。
激闘を征した余韻が残る中、君の投げた速球がミットに吸い込まれ、試合は始まった。
先制点を取り主導権を握りつつも、執拗に追いすがる影。しかし、追いつかれても
決して逆転を許さない迫力を見せつけた。
 全国区で通用する多彩な投手陣を擁し、それを開花させたのは、紛れもなく
守護神たる正捕手の君だ。正確な捕球とたぐい稀なスローイングは、他の追随を
許さない。4人の投手は、まるで母に抱かれた子供のような安心感を持って投球
していたに違いない。
 投手陣の活躍もさることながら、9人の打者は強烈な印象を残した。今まで、
攻撃野球は見たことはあったが、超攻撃野球は数少ない。東洋の野球は、魂を
揺さぶる稀有な存在かも知れない。東都リーグ戦の前に、実力を過小評価された
鬱憤を晴らすかのような執念は、見る者を惹きつけてやまなかった。しかし、
度重なる拙守は、時に深刻な致命傷になることもある。ただそれを補って余りある
破壊力のある攻撃は、それを許さなかった。そして、リスクを恐れず、貪欲なまでの
走塁も見逃すことはできない。君たちの積極的な走りは、あたかも草食動物を襲う
肉食獣を彷彿させた。
 最後に君は不動明王のような形相で、孤独なマウンドを死守した。ボールの縫い目から
ほとばしるものは、4年間の悔しさだったかも知れない。高い潜在能力を秘めながら、
くすぶりかけた炎を消さずに守り抜いたからこそ、そこに立っていられたのだ。

 下克上の嵐が吹きすさぶ戦国東都の覇者は、立ち向かう西国の雄を蹴散らし、ついに
湘南の暴れん坊をなぎ倒した。一騎当千のつわものが揃う檜舞台で何ら臆することなく、
どこか王者の風格が漂う威風堂々たる見事な底力だった。
 しかし、君たちはいつまでも挑戦者でいてほしい。挑戦者が目標を凝視する姿は
美しい。そして、君たち全員が一点に集中するとき、再び頂点に立っていることに
気づくだろう。

【3連覇達成時の観戦記所感を改訂】
亜大エース岩見と東洋大エース乾の投げ合い。優勝をかけた1戦で、相手エースに見事立ち向かった乾、すばらしい。
乾も絶え凌ぎ、味方の援護を待つが7回先頭の岩本に2ベース、犠打成功1死3塁で鹿沼へ交代。
1球目からスクイズ成功。初球からやってくるかとの思いもあっただけに悔やまれる配球ではあった。
8回、鹿沼が先頭に安打を許し犠打成功が1死2塁のピンチもルーキー内山が追加点を許さない。この粘りが逆転劇を生んだ。
迎えた9回の攻撃。2連続三振で勢いに乗る岩見。あと1アウトまで追い込まれる。代打都築が追い込まれながらも粘って四球で出塁。
勝ちを意識したか岩見がカウントを崩しノースリーに。今季不調だった松永。ノースリーから神宮の雀さんの「狙っていけ」の声とともにバットが火を噴きライトオーバーのタイムリー同点2塁打。
ついに追いついた。やったぞの思い。さあ続け4番十九浦。
これまたノーツーから十九浦が振り切った打球はライトスタンドで吸い込まれる。ええー!!逆転2ランだ。
「すごいぞ。おまえら最高だ。」
そして大野も続いた。今季初ホームラン。4対1だ。
頼むぞ内山。思わぬ回ってきた胴上げ投手だ。
3番中田三振、4番岩本センターフライ、5番今村を追い込み最後はセカンドゴロ、3人締めで優勝を決めた。

9回の攻撃に入り、1-0からの同点劇、かつての上岡や横川の同点ホームランを思い出し、信じてはいたものの連続三振で2アウトまで追い込まれる。うーん、今年は優勝の場面は見られないのかの思いがこみ上げる中、都築が粘って四球で出塁から松永、十九浦、大野がドラマを演出してくれた。「あきらめかけた夢の途中」をひっくり返す、こんな場面に出会える幸運、悪運の強さにびっくり。

こんな勝ち方で優勝を決めてしまうなんて、強さを通り越している、神がかり的な優勝決定。
だが、投手陣、乾、鹿沼の成長、内山の台頭、4番十九浦の勝負どころで飛び出したホームラン、坂井の高打率と打線もかみ合った力強い優勝だった。投手陣の性格、特徴をつかもうと努力した大野を称える優勝記事も目立った。
層の厚さを感じさせる優勝だった。大場という傑出した存在に引っ張られた昨年の優勝とは違った総合力の優勝、また感動もひとしおだ。

4年生の充実が大きい。2勝をあげた上野、主将大野、春4ホーマーを放った十九浦、故障に苦しみながらも亜大1回戦で同点打を放った松永、そして中倉の復活を期待し戦後初の4連覇がかかるこの秋が楽しみだ。

【大学野球選手権スコア】

準決勝

10 11 12 13 14 15
東洋大
近畿大

9回表 中倉の同点2ラン
11回表 松永ソロ、中倉タイムリー3塁打
11回裏 エラーが絡み失点
15回表 中倉決勝3塁打
※8回から登板した鹿沼の投球が光った。

決勝

東海大
東洋大

7回裏 同点に追いつかれるも途中出場の瀧本、柘植がタイムリーを放ち突き放す。
8回表に先発乾がホームランを浴び、上野に交代。そのまま逃げ切って優勝日本一を達成。

【22年ぶりの大学選手権優勝、日本一達成時の管理人書き込みを改訂】
ついに日本一を勝ち取る日を迎えました。今回の日本一は仕事の都合がつけられず、見に行くことができませんでした。深夜のNHK録画放送をビデオ録画しながら見ていました。うつろうつろしながら目が覚めるとちょうど7回表の失点、同点に追いつかれた場面でした。そして再び目が覚めた時は最終回、上野が三振を取りガッツポーズ、雄たけびをあげていました。そして再び夢の中へ。。。
学生時代以来、18年ほど東洋大野球部を見つめてきて初の日本一。史上初の東都リーグ完全優勝3連覇、昨秋の明治神宮大会優勝、18カード連続勝ち点。。。
まさに夢のようないや夢の真っただ中なのかもしれません。
我々はよくばりなので、まだまだ夢の続きでいたい。この秋、専大6連覇に続く4連覇がかかります。そして明治神宮大会連覇、4冠達成とまだまだ戦いは続きます。
リーグ戦では輝ききれなかった上野、中倉の選手権での活躍。鹿沼の準決勝延長戦での力投。さらにこの選手権で強いチームになったと思います。
この秋、東洋大は東都他校のみならず全国のチームが目標とするチームになります。
目標とされるチームであり続けるためにさらに鍛練を積む夏になります。
投手陣、打撃、守備とまだまだ取り組む課題は多く、成長できる能力があるチームだと思います。