ひきこもり、不登校児等への支援活動について

 当クラブは、ここ数年インターアクト委員会の活発な活動もあって、新世代に対する関心が高まっています。
 今月は「新世代月間」ということもあって、当クラブ会員の子弟が実際に参画している「明日飛(あすび)子ども自立の里」の清水国明理事長にその活動状況をお話いただきました。
 この学園はひきこもり、不登校児等の子供達の社会復帰、自立支援を支援している特定非営利活動法人で、すでに200名が卒園、夏冬の短期留学で1000名近い子供達を送り出しています。
 しかしながら、NPOとしてこの9月に再出発したこの学園の活動はまさにこれからであり、スタッフ、施設等の充実のためには必要資金の確保が最大のポイントになっています。
 今後、当クラブでも現地を視察するなど支援への活動を模索することも考えたいと思っています。
 以下は、清水理事長の卓話の概要です。

近頃の子供たち

 本来ならば、私どもがやっている学園で子供達が大自然に浸りながら、 大家族の中で地域の皆さんに支えられ,明るく切磋琢磨している様子を中心に お話したいところですが,その反面、追い詰められた子供やその親達からの 相談事が、最近とみに増えています。
 そこで、本日は私達が直面している子供達の難しい状況、そしてこれから私達が 取り組もうとしている事業についてお話したいと思います。

1.明日飛子ども自立の里について
 14年前、阿武隈山脈の南端にある福島県の鮫川村に、自然環境の中で、大家族を営むと共に土地の小中高校に通学するという形で開校しました。
 生活の場は、小学校の廃校舎を村から借用し、指導者の家族と寝起きを一つにします。即ち、指導者にとっては,親戚の子供を預るという気持です。
 これまでに約200名が卒園しています。
 此処では、新しい経験が得られます。
  〇豊かな自然を満喫し,のびのび生活できること
  〇親から長期間離れること
  〇自然も大きな先生であること
  〇地域に支えられた生活を営むこと
  〇大家族生活の中で切磋琢磨すること

2.最近の子供達の気になる傾向
@ 生きる力が乏しくなっていること(能幹の発育不全)
 言葉や理屈の教育により、身体で覚える経験が殆どないため、本能ともいうべき生命を維持するための基本機能が育ちにくくなっています。(極端な例:炎天下のマンホールの蓋から手を離すことが出来ず、火傷を負った子供、手のひらの氷を冷たいと感じない大学生など)

A 地域の教育力の欠如
 いわゆる目上の権威がなくなり,大人を大人と思わない子供が増えています。
 親や学校とは違った意味を持つ周囲(地域)の教育力が失われています。叱る人がいません。警察ですら,他人を叱ったり、注意することをしないよう指導しているようです。また、世代を超えて生活の知恵を伝えるという仕組みが低下しています。 幼児の6ヶ月検診で、子供を連れてこないで検診に訪れる若い母親(案内書類には母子手帳を持参とは書いてあったが、子供を連れてくることとは書いてなかったから)の例などはその最たるものでしょう。

B 両親との意識の断絶
 意外と子供達は親に認めてほしいと思っているものです。それが親には分かっていない。親の前では良い子でいる子供が増えています。そして、本音で向き合えない、いわば仮面をかぶった家族が増えています。
 最近、「新成田離婚」なる言葉があります。新婚旅行に出発する子供を成田で見送ったところで離婚するということです。こんな環境で育った子供はどうなるのでしょう。

3.今後やっていきたいこと
 井戸端会議の場所,自然体験の場,更には障害を持った人達の働く場など、いつまでも子供達の故郷でありたいとの思いから取り組んできましたが、接する子供達やその親達の様子を見るにつけ、それだけでは済まないという危機感に駆られている昨今です。「悩みを抱える子供達に積極的に関わり、子供達が問題を解決し,新たなステップに踏み出せる」ように微力を尽くしたい、との思いからNPOを立ち上げました。大きな課題ですが,小さな力の積み重ねで対処するしかないと思っています。力を貸してくださいではなく、一緒にやってくださいという気持で賛同者を募っているところです。 1人でも多く会員になっていただけるようお願いしたい。また、機会があれば、私共のありのままを見ていただければ幸いです。

 

2002年9月10日

 

 


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