2003年5・6月 来日公演
5月21日 東京文化会館(小ホール) <東京>
・バルトーク/ルーマニア民族舞曲 Sz.68
・ハイドン/ピアノソナタ ニ長調Hob.XVI-37
・メンデルスゾーン/無言歌集より
「五月のそよ風」 Op.62-1
「紡ぎ歌」 Op.67-4
「慰め」 Op.30-3
ロンド・カプリチオーソ ホ長調Op.14
・ショパン/アンダンテスピアナートと
華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調Op.22
・ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」
<アンコール曲>
1.ヒナステラ/3つのアルゼンチン舞曲No.2より
第2曲、「いきな若者の踊り」
2.ピアソラ/天使の死
3.スカルラッティ/ピアノソナタK.87
ツアー初日でしたが、ホームグラウンドでの演奏会ということもあり、会場は少々厳粛な雰囲気に包まれていました。
こちらの小ホールは、扇形の角のところに巨大な反響板を持つステージで、その「弧」の部分に650席ほどの客席が広がっています。ざっと見た感じでは、8割くらい入っていたように見えました。
ステージでの花束贈呈はお断りされていたのですが、日本アーティストの社長様より特別に許可を頂き、わがファンクラブから一桁会員のYさんによって素敵な花束をお贈りしました。
東京文化会館には海外からの方々も多くお見えになり、終演後は
ファンとの会話も弾んでおられました。 (5月21日: 東京文化会館)
5月24日 港南区民文化センター「ひまわりの郷」ホール <神奈川>
・ショパン/華麗なる大円舞曲 変ホ長調Op.18
華麗なる円舞曲 変イ短調Op.34-2
小犬のワルツ 変ニ長調Op.64-1
ピアノソナタ第3番 ロ短調Op.58
バラード第2番 ヘ長調Op.38
ノクターン 変ロ短調Op.9-1
ノクターン 変ホ長調Op.9-2
ノクターン ロ長調Op.9-3
スケルツォ第2番 変ロ短調Op.31
<アンコール曲>
1. ショパン/ノクターンOp.15-1
2. ショパン/エチュードより
右手Op.25-6左手Op10-12のティエンポ編
3. ヒナステラ/3つのアルゼンチン舞曲No.2より
第3曲「ガウチョの山賊の踊り」(乱暴なガウチョの踊り)
こちらは大入りで、普段使わないステージ後ろの席も当日券として出されたようです。
曲中のあちらこちらからさまざまな言葉(フレーズ)が聞こえてくるような、自由なインスピレーションが際立った素晴らしい演奏でした。
外には既に多くのファンが・・・。 (5月24日: 横浜「ひまわりの郷」)
5月25日 彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール <埼玉>
・ショパン/華麗なる大円舞曲 変ホ長調Op.18
華麗なる円舞曲 変イ短調Op.34-2
小犬のワルツ 変ニ長調Op.64-1
ピアノソナタ第3番 ロ短調Op.58
バラード第2番 ヘ長調Op.38
ノクターン 変ロ短調Op.9-1
ノクターン 変ホ長調Op.9-2
ノクターン ロ長調Op.9-3
スケルツォ第2番 変ロ短調Op.31
<アンコール曲>
1. ショパン/ノクターンOp.15-1
2. ショパン/エチュードより
右手Op.25-6左手Op10-12のティエンポ編
3. ヒナステラ/3つのアルゼンチン舞曲No.2より
第3曲「ガウチョの山賊の踊り」(乱暴なガウチョの踊り)
さいたま芸術劇場が企画する、1年間に10人ずつ、10年をかけて100人のピアニストの演奏を紹介するという、「ピアニスト100」シリーズでの演奏だったのですが、この日は、シリーズの音楽監督をされている中村紘子さんのトークもあり、より華やかなステージとなりました。
ところが、ここでちょっとしたハプニングが・・・!
開演とともに、にこやかに登場された中村紘子さん。ところが、突然2F左側の席からステージ上の中村さんに向かって男の人がなにやら怒鳴っている。 (険悪なムードが漂う)―音響効果のせいで何をいっているのかよくわからないが、あきらかに不平口調である。
紘子さん: 「何ですか?何かご不満でしょうか??!」。
再び2F席: 「〜〜〜〜〜!!」
(場内シーンとなり、更に険悪な感じ)
どうやら予定時間の15時を5分ほど過ぎて開演したことに不満を持たれたお客が、遅れた説明を求めていたようだ。
でも、さすがの大物紘子さん、こんな時にもまったく動揺せず、一言、「わたくしのせいではございません!」。
それから間もなく、事も無げにトークが始められました。
「ある日、車を運転していましたら、カーステレオから、何やら心がフワッと幸せな気分になるような音楽が聴こえてきました。わざわざ車を脇に止め、しばらく聴いていましたら、それはティエンポ氏、14歳の時のコンセルトヘボウでのショパン/アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズでした・・・彼の音楽は、まるで神が与えたものをそのまま濾過したように純粋で、これからますます楽しみにしています・・・・」。
と中村紘子さんからも絶賛されました。(中村紘子著「アルゼンチンまでもぐりたい」にも掲載されています)
会場はほぼ満席。横浜とは同プログラムでしたが、こちらでの演奏は昨日とはまた違った、安定した力強さが感じられるものでした。
日中の演奏会は和やかな雰囲気、ここでもファンの行列が待っていました。
(5月25日: 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール)
5月28日 豊中市立アクア文化ホール
・バルトーク/ルーマニア民族舞曲 Sz.68
・ハイドン/ピアノソナタ ニ長調Hob.XVI-37
・メンデルスゾーン/ロンド・カプリチオーソ ホ長調Op.14
・ショパン/ノクターン 変ロ短調Op.9-1
ノクターン 変ホ長調Op.9-2
ノクターン ロ長調Op.9-3
アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ
変ホ長調Op.22
・ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」
<アンコール曲>
1. ヒナステラ/3つのアルゼンチン舞曲No.2より
第2曲「いきな若者の踊り」
2. ヒナステラ/マランボ
* 会場での本日のアンコール曲案内では、ヒナステラ/アルゼンチン舞曲No.2.の第2曲を
「優雅な貴婦人の踊り」と示していたようです。別に、「粋な娘の踊り」等呼ばれていますが
すべて同じ曲です。
6月1日 三鷹市芸術文化センター <東京>
・ショパン/華麗なるワルツ 変イ長調Op.34-1
華麗なるワルツ 変イ短調Op.34-2
小犬のワルツ 変ニ長調Op.64-1
ピアノソナタ第3番 ロ短調Op.58
バラード第2番 ヘ長調Op.38
ノクターン 変ロ短調Op.9-1
ノクターン 変ホ長調Op.9-2
ノクターン ロ長調Op.9-3
スケルツォ第2番 変ロ短調Op.31
<アンコール曲>
1. ショパン/プレリュードOp.28-4
2. P.サンカン/ミュージックボックス(オルゴール)
3. ヒナステラ/3つのアルゼンチン舞曲No.2より
第3曲「ガウチョの山賊の踊り」(乱暴なガウチョの踊り)
4.ショパン/ノクターンOp.15-1
この日はティエンポ氏の演奏会の前に、三鷹市芸術文化振興財団が企画する、一般公募によるショパン・ピアノ作品リレー演奏会「ショパンを弾こう5」というのが行われたのですが、このリレー演奏会に何とティエンポ氏はわざわざエントリーされ、プログラム最後の「23番」としてショパンのアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズの素敵な演奏を披露してくださいました。
このリレー演奏会には、わがFC会員のH君(彼はT氏との親睦会後、演奏会の前日であるにも拘らず二次会まで延々と参加されていました(◎o◎))、また、K会員も出演され大活躍されました。(拍手)
花束ではなく、何と「お能の舞」という突然の
プレゼントが飛び出す中、最後までお疲れの
表情一つ見せることなくお付き合いくださり、
温かく応えてくださったティエンポ氏でした。
最終日の終演後はやはりたくさんのファンが押し寄せていました。
(6月1日:三鷹市芸術文化センター)
今回の来日では、オールショパンプログラムや展覧会の絵等、ティエンポ氏なら
では の斬新な演奏を存分に楽しませてくださいました。次回もなるべく早くのご
来日を、ファ ン一同期待してお待ち申し上げております。(^^)V
2002年10月 来日公演
10月1日 札幌コンサートホール(Kitara)<北海道>
アンコール曲:@メンデルスゾーン:無言歌op.62-1
Aショパン:序奏と華麗なポロネーズop.3
Bサン=サーンス:白鳥
10月4日 NHK・スタジオパークからこんにちは<東京>
青いスタンドカラーの衣装で登場したティエンポ氏、”若手実力派ピアニスト”とご紹介されました。
この後、すぐに福岡入り。ハードなスケジュール。 「大変だったでしょう?」と尋ねると、「ぜ〜んぜん平気!」と、いつも元気一杯のティエンポ氏でした。
10月4日 春日市ふれあい文化センター(スプリングホール)<福岡>
会場は大入り超満員で、折りたたみ椅子まで登場したようです。
福岡では演奏会後に交流会開催。 交流会のチケットが手に入らなかった為、会場入り口で花束を渡した友人にも、「Come in
!」。もちろん友人はすぐに帰りましたが、陽気なティエンポ氏のお人柄が窺えます。
この日はマイスキー氏の体調が悪く、少し早めに交流会を終了したようです。
アンコール曲:@メンデルスゾーン:無言歌op.62-1
Aサン=サーンス:白鳥
10月5日 ザ・シンフォニーホール<大阪>
こちらも大入り、熱狂ぶりで、アンコール曲が何と7曲!大熱演でした。・・・サイン会約80名との報告がありました。
アンコール曲:@ショパン:序奏と華麗なポロネーズ op.3
Aメンデルスゾーン:無言歌 op.62-1
Bブラームス:ひばりの歌 op.70-2
Cショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ op.40 -第2楽章
Dサン=サーンス:白鳥
Eメンデルスゾーン:無言歌 op.62-6
Fショパン:チェロ・ソナタ op.65より、第3楽章
10月6日 横浜みなとみらいホール<神奈川>
前半はしっとりと始まり、ショスタコでは徐々に加熱され、終楽章などそれはもう大熱演でした。
休憩をはさんで後半はというと、ステージにあらわれ椅子に座られたマイスキー氏が、ティエンポ氏に何やら囁かれました。T氏は自然な驚きのジェスチャーで聞き返され、会場は小さくウケていました。 (???)
後でM氏から聞いたお話では、もともとの打ち合わせで繰り返しをしないことになっていたのに、再度「繰り返しナシ」を囁かれたので、ということでした。
演奏の方は、シューベルトではどことなくマイスキーさんのお疲れの様子が窺えましたが、それをカバーするかのごとくT氏はそれは素晴らしい演奏を披露してくださいました。
T氏がショパンをいかに素晴らしく演奏されたかはここで申し上げる必要もありませんが、アンコールではマイスキー氏との息のあった夢のように美しい世界を見せて(聴かせて)くださいました。
サイン会は凄まじい状況で、200人は軽く超えていたようです。(180人までは数えたのですが・・)サイン会後もティエンポ氏は元気一杯!ファンクラブのことをとても喜んでくださっておられて嬉しかったです。
サイン会後、マイスキー氏の楽屋へ鼻歌を歌いながら現れたティエンポ氏。
マイスキー氏と一緒にファンからのメッセージを熱心に読まれておられました。
アンコール曲:@メンデルスゾーン:無言歌 op.62-1
Aラフマニノフ:ヴォカリーズ op.34-14
Bメンデルスゾ−ン:無言歌 op.62-6
Cサン=サーンス:白鳥
Dブラームス:ひばりの歌 op.70-2
10月9日 サントリーホール<東京>
満席状態のサントリーの大ホールは客席の1階前方あたりは、マイスキーファンクラブの方々で占められ、開演前からかなり盛り上がっていましたね〜。
マイスキーさんは黒いシャツの上に白いイッセイ・ミヤケのジャケットをはおられ、ティエンポ氏は白いサテンのドレッシーなシャツ姿で登場されました。
前半はベートーヴェンとシューベルト。 アルペジオーネは横浜での演奏とはまた少し違った、力強く情熱的な雰囲気を漂わせており、後半のシューマンともなると両氏とも崩れそうになるほどのノリでした。 また、メンデルスゾーンは氏の美しいピアノが更に冴えていました。
ところが、この曲ではハプニングが。
曲の最後のところで”バキッ”っという音がしたので、何かな?と思っていたら、弓に張ってある毛の部分が見る見る波打ってきて、先端の毛を束ねている部分が棹から完全にはがれて落ちてしまったのです。
驚いたのは、マイスキー氏はこういう状況でも顔色一つ変えず、終わりの数小節をなんと棹の部分で弾き、最後まで見事に弾き終えてしまったことです。(その後のお辞儀の時、T氏はステージ上で大笑いされていました)
ところで、いつもティエンポ氏は譜めくりの方に大きく頷いてサインを送っていますが、ショパンのちょうど序奏部からポロネーズに移るところで、めくらないで〜と、ブルンブルンと”おもいっきり”首を横に振っておられたのがとても印象的でした。
サイン会にならぶ人、人、人。 何人いらっしゃったか見当もつきません。
アンコール曲:@メンデルスゾーン:無言歌 op.62-1
Aショパン:序奏と華麗なポロネーズ op.3
Bサン=サーンス:白鳥
Cショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ op.40 -第2楽章
Dメンデルスゾ−ン:無言歌 op.62-6
Eブラームス:ひばりの歌 op.70-2
10月11日 所沢市民文化センター(ミューズ)<埼玉>
この日はしっとりとブラームスの夕べ。みなとみらい、サントリーの時の華やかさとは打って変わって秋を感じるプログラムでした。
サイン会では「あと何人いるんだー?」と叫ばれていたティエンポ氏。 サイン会後にファンとの話がはずみすぎ、走って楽屋に戻って行かれました。
アンコール曲:@メンデルスゾーン:無言歌 op.109
Aメンデルスゾーン:無言歌 op.62-1
Bメンデルスゾーン:無言歌 op.62-6
10月13日 ミッシャ・マイスキーファンクラブ親睦会にて<東京> (コンサートではないけれど・・・・)
主催者のK島さんは「ピアノがないので、お呼びしては失礼かなあ・・」と随分気を遣っておられましたが、ティエンポ氏は全く気にしていないご様子で「行くよ!」とさわやかなご返事でした。
ここでもティエンポ氏は大人気でしたが、この日の主役はやはりマイスキー氏。ティエンポ氏を気づかってMMfc会員の方々は(立食パーティでしたので)お皿にいろいろ取ってきてくださいました。 このフルーツポンチもぺろり。好き嫌いはあまりないようです。剣玉は真剣そのもの。
来年はティエンポ氏の親睦会、やりますよ〜!
10月14日 熊谷文化創造館さくらめいと(太陽のホール)<埼玉>
この日は次第に盛り上がり、大熱演に聴衆は大満足。
ステージと会場の一体感が感じられた素晴らしい演奏会となりました。
アンコール曲:@メンデルスゾーン:無言歌 op.62-1
Aショパン:序奏と華麗なポロネーズ op.3
Bメンデルスゾーン:無言歌 op.109
Cショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ op.40 -第2楽章
Dサン=サーンス:白鳥
10月15日 愛知県芸術劇場コンサートホール<愛知>
こちらの演奏会は聴いておりませんが、感動のメールが多数届いています。
サイン会はやはり長蛇の列だったもよう。
アンコール曲:@メンデルスゾーン:無言歌 op.109
Aショパン:序奏と華麗なポロネーズ op.3
Bラフマニノフ:乙女よ、私のために歌わないで op.4-4
Cメンデルスゾーン:無言歌 op.62-6
Dブラームス:ひばりの歌 op.70-2
10月17日 山野楽器銀座本店 7F「Jam Spot」での特別イベント<東京>
座席の数は100席。これに立ち見の方が約2,30名いらっしゃいました。スタジオ風の会場にはステージのバックライトなどの演出もありました。 この日は両氏、幾分リラックスされた表情だったように見受けられ、演奏の方も大ホールの時とはまるで違い、渋く抑えられた響きがとても印象的でした。
ここでのサイン会はなんとステージ上。 順番にステージに上がっていく光景は
まるで「卒業証書授与」みたいな雰囲気でした・・・。
演奏曲目:@メンデルスゾーン:無言歌op.109
Aメンデルスゾーン:無言歌Op.62-1
Bメンデルスゾーン:無言歌op.62-6
Cサン=サーンス:白鳥
10月18日 王子ホール<東京>
ジャパンツアーの最後を飾る演奏会に相応しい、しっとりと落ち着いた雰囲気のこちらのホールは、「チェロとピアノ」という編成にはとても素晴らしい音響効果を示していたように感じました。チェロとピアノの音が即座に融合し、天井に上っていく・・そんな感じでした。 会場の広さのせいでそう思ったのか、又はツアー最後の演奏会だったので誇張してそう感じられたのかはわかりませんが、「精神を音に投影していく作業」というものがストレートに伝わってくるようでした。
ゆったりと歌われたアンコールは他の会場での演奏とはまるで違い、最後の「ひばりの歌」の後、両氏の繋いだ手は高く揚げられ日本公演の幕は下ろされました。
王子ホールにて・・・。
アンコール曲:@メンデルスゾーン:無言歌 op.62-1
Aメンデルスゾーン:無言歌 op.62-6
Bブラームス:ひばりの歌 Op.70-2
約20日間に亘る超ハードスケジュールでの日本公演も無事に終了。
素晴らしい演奏をありがとうございまいた。<(_ _)>
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