1999年4月、120年もの間埋もれていた、ひとつのレジメが発見された。
19世紀、日本に滞在したオランダの生態学者の手によって書かれたそのレジメには、
生物界の常識をくつがえす生き物がスケッチされていた。
さらにそのレジメには、次のような衝撃的な一句が添えられていた。
『──この生物には、《残鰓哺乳類》という全く新しい分類名を与えざるをえないだろう。』
そして、この《エラのあるホニュウ類》という奇妙な分類を与えられた生き物は、

"Makhalyan"

──そう、名づけられていた。