第二十五回 現代下町屋台考

屋台3台

浅草界隈では、毎月お祭りや市が開かれています。先日も東京時代祭りが催され、通りは車両通行止めになり行列が始まり、大酉神社では酉の市が行われ、こちらも通りが車両通行止めとなり凄い人出なのです。また今度の12月17、18、19日にも、羽子板市が浅草寺境内で開かれますが、こうした市やお祭りになくてはならないのが、屋台なのです。

時代祭りとは、その時代に扮した姿で街を絵巻物のように練り歩くとうものなのですが、金竜の舞あり、白鷺の舞あり、徳川武者行列ありと街の人々も登場するわけですが、よーく見ていたら奥女中のなかに見覚えのある顔が…うーんまさに地域密着なのだ!
時代祭りの最初は金竜の舞 平安時代も 白鷺の舞いもあります
徳川武者行列 江戸の奥女中も登場… と思ったら何処かで見た顔!


たかが屋台とは言っても、その歴史は古く、かの「鬼平犯科丁」にも香具師の元締めが登場したりして、江戸時代にはその存在は江戸の華として、なくてはならないものであったろうし、がまの油売りなども、江戸時代の香具師「永井兵助」なるものが考え出したと言われています。また今ではあまり見かけなくなったバナナの叩き売りなども、元々は明治の末期に門司港から始まったと言われ、なんと「バナナの叩き売り発祥の地」なる石碑もあるとのこと。

このように、屋台には数々の歴史があり、味わいがあり、風情があるわけですが、やはり何と言っても屋台には「ワクワク感」がたっぷり。
屋台が並んでいるだけでも、「おっ!なんかお祭りかな?」と思って近づきたくなるし、たいした物を売っていなくてもついつい覗いてみたくなるのです。
まあ親がこうですから、子供にいたってはその興味しんしんで、あっちこっちに目が行き、何でも欲しくなる為、最近では屋台の誘惑街道にさしかかったら、抱っこやおんぶでしのいでいるのです。

酉の市には凄い屋台の数が並びました


確かに前述のガマの油売りや、バナナの叩き売りなどは、最近は大道芸人の部類に入ってきた感がありますが、時々昔ながらの「七味売り」「べっ甲飴」「針金細工」をなど職人わざ的な屋台を見かけることもあるのです。

まず屋台と言ったら、やはり「たこ焼き」「お好み焼き」に代表さるように、食べ物系なのです。他にもイカや魚を焼く屋台や、中には屋台の奥にテーブルと椅子をセットしたもう食い物屋といった感じの屋台も数多く見られるのです。

ここは鮎の塩焼きです 何故か池袋名物?「甘酒」 ご存知焼き鳥屋台です
こちらはフライドピザ 銀杏を炒っている姿は名人技? 切り山椒も売っています

次にバナナチョコや飴などのお菓子系と、お面やヨーヨー、ままごとセットなどを売るオモチャ&細工物系と、あきらかに子供や若者をターゲットにした屋台も多く見らるのです。でも考えてみたら昔はわた飴屋さんが必ずあったのですが,最近はずいぶんと減ってきたなぁ。

バナナにトロ〜リ、バナナチョコ あんず屋さんです
ぐるぐる回るヨーヨーをゲット! ガラス細工もかわいいです

年中行事ものや伝統的なものを扱う伝統系や、各地の特産品を扱うお物産物系もよく見かけますが、中には「なんでこんなん売ってんの?」と思いたくなるものもあるのですが、それが屋台の良い所なのです。

正月はやはりだるまです 正月飾りも綺麗です 酉の市名物?の芋かん
七味売りは口上も楽しい 万年竹とは何に使うものか? 水晶も売られていました

そして最近は東南アジア系や、エスニック料理系なども眼につくようになり、屋台の世界も国際化が進むのです。
また屋台の中でも、屋根を組み立てるタイプではなく、ビールパラソルを利用した簡易のものもあるのです

中国からは餡餅 韓国名物チヂミも多くなりなりました
洋品店のようですが… ビーズ細工売りもパラソルでした


そんな中で、お星さまの贈りものに「酉の市の時に出店し、いつも行列をなしている屋台が美味しい」との投稿があり、その美味しいと言われる“ベビーカステラ”の屋台に足を運んできました。行ってみると案の定何人かの人が嬉しそうな顔をして行列をなしており、屋台にも「浅草酉の市名物!」などと書いてあるのです。まあ、自ら名物!とか元祖!とか言ってるというお店は、はたしてどうか?と思っていたのですが、せっかくなのでまず並んでみることに。
屋台ではお兄さんたちが一生懸命作っているようですが、見てみると、鯛焼きや大判焼きのように、型のついた鉄板に、ネタを流し込んで焼くだけというもので、中には餡もなければ具もなし。なーんだと思って30個くらい入って\500也を買ってみたのですが、買った先からどうも我が子はパクパク!そんなに美味しいのかと思い、乗ったタクシーの運ちゃん「どうぞ!」と薦めたら、3個も食べてしまった!どれどれと口に含んだベビーカステラは、まだ暖かく、ほんのり甘くバターの香りがして、うーんベビーカステラ侮れないのだ!
本当はもうひとつ、「タイラーメン」なるものも食べてみたかったのですが、仕込みの最中と、あまりの混雑の為、断念し,次回に持ち越しなのです。

行列をなすベビーカステラ フル稼働のカステラ焼き タイラーメンも美味そうだった


しかし屋台は見ているだけでも本当に面白く、ウインドーショッピングならぬ、ヤタイウオッチングでも楽しいのです。もちろん小銭をたくさんもって、昼飯を抜いて来たならもっと楽しいことは間違いなしなのです。
そんなことを考えているうちに、自分も屋台をやってみたいな〜自分だったらどんな屋台かな〜と言うことで、あったら嬉しい屋台なのです。

まあ童謡のCDの横タコが気になるかもしれませんが、こんな屋台があったらな〜!

花紀行鼻紀行TOPへ

お星さまの贈りものTOPへ