鞠村奈緒の
“花かげ”のふるさとで思う歌と心

3月3日は桃の節句。そして翌4日は牧丘町での花かげコンサートがあり、私たちはそのゲストとしてお招きをうけ、行って参りました。
当日の開演時間がお昼の12時半で、その為のリハーサルが朝から始まる為に、みんな前日に山梨に泊まることとなりました。
私とリコちゃんは、以前お邪魔したことがあり、会場からも20分ほどの、勝沼のペンション「ひとつぶの葡萄」さんに泊まることにしたのですが、昨年の夏に来た時の周り一面葡萄棚で緑が鮮やかだったのに比べ、山肌が見え、禿山ぽくなった辺りにちょっとびっくり、でも今の時期の枝のせん定が一番大事だそうで、皆さん畑仕事に励んでいらっしゃいました。

当然町のぶどう屋さんはほとんど開いておらず、昨年いろいろなぶどうを堪能した「ぶどうばたけ」さんもお休みだったのですが、あれこれ探しているうちに1軒のぶどう農家兼ワイン醸造所でもある「原茂農園」さんに辿り着き、さっそくSHOPを覗くことにしてみました。

こちらがハラモワインさん 店内のバーカウンター

驚いたことに、このお宅は築100年以上のお家だそうで、なんでも昔は養蚕を営んでいらしたのを、現在1階がワインショップとして、そして2階をコーヒーショップとして改造していらっしゃるそうなのです。

私たちもさっそくとばかりに、作っていらっしゃるワインを試飲させていただきました。「ハラモワイン」という銘柄で、いろんな種類があり、きりっとした渋いワイン、どっしりとした重みの赤ワイン、そして駅で販売していらっしゃる、コップ酒ならぬコップワインと、リコちゃんと二人で次から次へと試飲させていただき、結局渋めの白ワインと、ほんのりぶどうの香りの素敵な赤ワインを買うことにしました。

さっそく試飲です


そんなことをしていると、隣のお客さんが「“花かげ”の歌詞のお嫁さんは、どこへ嫁いでいったか知らないかな〜」とお話をしているではありませんか!明日その「花かげ」を歌いに行くんですよ〜と思いつつ、不思議な気持ちでした。
さてこの「ハラモワイン」さんはお店の隣には、なんと築200年という蔵も建っており、現在もワインの貯蔵庫として活躍していらっしゃるとの事で、中を覗かせていただきましたが、蔵いっぱいにワインがびっしり、さらにその奥にはグランドピアノがあったのです。聞きましたところ、夏になると、ピアノを蔵の前に出し、時々ピアノコンサートなどもされるそうで、さぞかしこの蔵に眠っているワインたちは、きっと200年分のパワーとピアノの音色で更においしくなるんだろうな〜と感心してしまいました。

蔵の入り口 奥にあるのがグランドピアノ


素敵な蔵と美味しいワインを頂いたあとは、当然お腹が空いてきてしまうもので、急いでペンションに帰っての夕飯!前回同様に美味しい手料理がテーブルの上に並び、娘の優海もリコちゃんのお嬢さんのあや乃ちゃんも「待ちきれな〜い」と言った様子。

カボチャのグラタン早く食べたーい


オードブルから始まって、お芋と海老のみぞれ煮風、かぼちゃを容器にして丸ごと焼いたグラタンに、ビーフシチュー、そして山梨名物のほうとうと続き、これでもうお腹が…と思っていたら最後にお魚が出てきたのです。
最初は子供の分も用意していただいた方が良いかしら?と思っていたのですが、結局大人3人分のお料理で、大人3人子供2人が満足どころかちょっとあまってしまうくらいのお料理だったのです。またペンションの奥さんは栄養士でもあるそうで、一品一品手の込んだお料理は、どれも美味しく、思わず「ふむふむこうしてお家で作れば良いのか!」と勉強にもなります。

オードブルにカボチャ丸々1個のグラタン みぞれに風…そしてどんどん続きます


この料理にはリコちゃんもびっくり!おまけに料金を聴いて2度びっくり!お部屋については大きく広いお部屋とはいきませんが、2食ついて¥5700というお安さにこのお料理は絶対お勧めの1軒です。おまけに景色もよく、この日も丘の下の方に広がる夜景がきれいな夜でした。


翌朝はあいにくの雨、天気予報でも、全国的に大荒れの模様との事。せめて会場だけは楽しく晴れ渡るようにと思いつつ、車はぶどう棚の間をぬけ、途中武田信玄の菩提寺でもある恵林寺を右手に見ながら、ようやく綺麗なホールに到着!

このホールは正式には牧丘町民文化ホールといいますが、今回のコンサートのタイトルでもあります、童謡「花かげ」の作詞者、大村主計さんにちなんで、別名「花かげホール」という名称もついており、特に、ホールのピアノのベーゼンドルファーは素晴らしいピアノで、このホールでわざわざレコーディングをなさるミュージシャンの方々も多いそうなのです。またホールのお隣には「牧の湯」という温泉施設もあり、なかなかの名湯だそうです。

綺麗なホール正面 ホールには花かげの額がありました お隣が「牧の湯」温泉です

楽屋では久々にアッコちゃんのお嬢ちゃんの翔子ちゃんと、娘の優海にあや乃ちゃんの3人が揃い,早くも大騒ぎ状態になってしまいました。

そんなうるさいような楽屋に、今回の主催者の牧丘町の皆様がお越しくださり、お互い挨拶をさせていただいた後に、お手製のお漬物、自家製の巨峰のジャム、手作りの大凧を頂戴しました。お漬物はとても美味しく、牧丘の特産の巨峰のジャムも初めてのお味で、子供たちも大喜び、大凧はとても手作りとは思えないような立派なもので、本番前から素晴らしいお土産に一同大喜びでした。

楽屋でも舞台でも大騒ぎ

今日の「花かげコーラス大会」は、出場のグループが17組もあり、お昼に開場して終演が夕方という長丁場!時折雪が降ってくるというような天気の中、花かげコーラス大会が始まりました。

課題曲となる「花かげ」1曲と、自由曲を一曲、小学生のグループから、おじいちゃんおばあちゃんのグループまで、年齢層もさまざまなグループが発表していくのですが、皆さんこの日のためにたくさん練習なさったのでしょう。舞台では生き生きした表情で、楽しそうに堂々と歌われていました。ちょうど私たち楽屋の近くに、皆さんがスタンバイされるのですが、中には腰が90度近くも曲がっていたおばあちゃんたちもいらっしゃり、どうなることやらと見ていましたら、舞台に出るとシャンとなり、にこやかに歌われていらしたおばあちゃんや、「かわいいベイビー」を軽やかに踊っていらっしゃるおばあちゃんもお見受けしました。

おばあちゃんたちの“かわいいベイビー” 会場も満員で立ち見の方も…

こうして前半9組のコーラスグループが終わったところでいよいよ私たちの出番。
私たち
3人は、リコちゃんがピンク系、アッコちゃんが紫、私が薄いブルーと春を意識した色で、まずは会場の皆様が一番ご存知の「花かげ」を、お星さまの贈りものバージョンので唄い始めました。

本番前に主催者の方々と記念撮影 お星さまバージョンの「花かげ」

この「花かげ」は、桜の花の咲く頃、遠い村へお嫁に行くお姉さんを想う、弟の気持ちを歌っている歌で、今回はちょっぴり寂しげな気持ちを前面に出すようにと、白石さんのアレンジでが冴え渡り、イントロでは会場の皆さんも何が始まるのかしら?という感じでしたが、1番を唄うと、ワーッと暖かい拍手。2番が終わるとまた拍手!もちろん最後も暖かい拍手で包まれました。普段1曲ごとの拍手になれている私たちは、1番ごとの拍手にこちらが感激!!の始まりとなりました。ステージでは時折おしゃべりを混ぜながら春の歌から始まり、白石さんが奏でるピアノの音色と共に唄う「さくら」。そしてはる・なつ・あき・ふゆと駆け足で季節をめぐっていきました。


客席では、ニコニコしながら、そして懐かしそうな表情で、一緒に口を動かして唄って下さったり、これからの子供たちに伝えていきたい歌や昔話があるという私たちのおしゃべりの後に続いた昔話の「ねずみの嫁入り」の朗読では、ウンウンうなずいて聞いて下さり、外の天気とは対照的なな暖かいコンサートでした。

名器のピアノとともに“さくら” 昔話は「ねずみの嫁入り」 暖かく見守って頂きました

予定していた時間をオーバーして私たちのステージが終わったあとは、第
3部の始まりで、後半の8組が登場、中には、先ほど楽屋でお話をしていた主催者の方が、ステージで指揮棒を振っていらしたり、ひな壇で歌っていらしたり、まさに町ぐるみのコーラス大会!本当に皆さん歌が好きなんだなぁと驚いたと同時に、こういった環境のなかで子供たちも育って行けることが、うらやましくも思いました。

こうしてコーラス大会が終わりに近づいたころ、私たちもまた舞台に戻り、今度はステージ上のコーラスグループの方々と、客席の皆さんと全員で唄う、「春がきた」と「ゆりかごの歌」。

みんなで歌う“春がきた” みなさん楽しそうに歌っていらっしゃいました

そして最後は全員立っての「花かげ」でコンサートは終了しました。私たちもこんなにたくさんの方々と童謡を歌うということは初めてで、「花かげ」では皆さん堂々と歌詞も見ずに唄われて、本当に歌を、童謡を、「花かげ」を愛していらっしゃるんだなぁと、改めて、牧丘の皆様から教わったような気がして、最後の最後まで感動のステージでした。


最後の曲“花かげ” 客席の皆さんも全員で ほんとうに素晴らしいコンサートでした

 印象的だったのは終演後にあるおばあちゃんがいらっしゃり、「このごっつい手で巨峰を作ってるんだよ!さあこれからまた畑にいかなくちゃ!また今度巨峰を食べに来てね!」とにこやかに握手をした熱い手。


そして外を見るといつの間にやら雨もすっかり止み、綺麗な空気の中、広い青空が拡がっていました。



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