第二十四回 ぶどうの里でぶどう尽くし

山梨での“お星さまの贈りものコンサート”以来、どうも山梨づいてるのですが、山梨といえばぶどう。ぶどうの里といえば勝沼。勝沼といえばワイン!ということでちょっと行ってみよう!ということで、さっそくインターネットで宿探し。当初ワイン飲み放題とか、大きなお風呂のある宿泊施設“ぶどうの丘”さんに行こうと思い、空き状況をみて電話をしたのですが、どうも満室との事!何のためのNET空き室状況だ!などとぶつぶつ思いながら、「こうなったら他を調べてやるのだ」と思い、徹底的にインターネットでチェックしてみると、あるあるあるある。民宿が沢山でて来た!しかもみな安い!よーく見ると、ぶどう農家が経営しているところが多く、なんかピンとこないな〜と見ていたら、その中でも「ひとつぶのぶどう」というなんとも可愛らしいペンションを発見!値段も1泊食付きで\5700ということなのですぐさま電話を入れてみると、運良く空いているとの事でその場で予約。今時\5700なんて大丈夫だろうか?という不安は数あれど、ダメでも\5700だから…!と思い、奥多摩キャンプを終え、そのまま東京から山梨へ抜け大菩薩峠を通って向うのです。

まずはいつもの塩山の桃屋さんへ立ち寄り、今年最後の桃を堪能し、お土産に買って,次なるペンションへ向うのです。
本当なら最後の桃とばかりにデジカメでバシバシ撮ってるのですが、実は昨晩まで泊まっていたキャンプで、テントサイとの全景を撮ろうと石の上に立ってたら、突如としてやってきたアブが足に攻撃してきて、かわそうとしたはずみに石からズデンと落っこち、カメラは手から離さなかったものの、落ちた衝撃でレンズがコロコロと取れてしまったのです。うーん腕と足からは血が出て痛かったが、カメラが使えなくなった方がもっと痛かったのだ…と言うことで、今回は写るんですでお送りします。

哀れマイカメラ…

さて今年最後の桃でお腹を満たし、15分程走るとぶどう棚の丘の上に立つペンション「ひとつぶのぶどう」さんに到着。実は地図も忘れた!ペンションの名前も忘れた!電話番号も忘れた!あるのは少しの記憶だけだったのですが、こういうときはやはり鼻が利くのか、すんなり到着!しかしこのペンションのネーミング!男同士では絶対に来れないような名前!きっと若い女子大生だったら喜んで飛びつきそうな名前ですが、今回だけは値段に飛びついてきたのだ。

名前もそうですが外見も女子大生好み?


チェックインして部屋に入ると、ベッドが2つだけのお部屋ですが、小奇麗で清潔感があり「これで\5700はなかなか良いんでは…後は飯だな〜」などと思いつつ三日ぶりのお風呂へ子供とザブン!(キャンプでは他の人は皆シャワーを浴びていましたから、皆さんは綺麗でした。自分だけです…)
どうもこの日のお客さんは自分たちだけのようで、お風呂もゆっくりと入れ、ドアも開けっ放して心地よい風を受け気持ち良い風呂上りでした。
さて夕方になりいよいよ食事なのですが、まずは前菜の盛り合わせと、小鉢とお肉が並んでおり、「おっ?\5700にしては良いんでは!」と思っていたら、お魚が出て、更に地元のほうとう鍋がでて、最後に自家製のぶどうと、まさにコース料理。前菜も手の込んだ料理で、「これは今度家で作ろう!」とか「この味はなんだろう」などと楽しみながら満腹状態。おまけにワインは地元のぶどう農家が醸造した一番絞りの生ワイン!美味いのなんの、景色も良いし、満足感と疲れとで、早めに就寝となりました。

周りはぶどう棚でいっぱい 美味しかった夕食 自家製ぶどうがまた美味かった



翌朝はぶどう棚を散歩しいい気分で帰ってくると、朝食はベランダでとの事!なかなかこういった雰囲気は味わえないもので、すがすがしい朝に心地よい朝食となりました。
それにしても今回のこのペンションの料金の安さと、料理の充実さと美味しさには、驚きの一言。確かに高いお金を出せば、いい旅館や美味しい料理にはたどり着くものの、やはり探し当てた!といった感じで、後で聞いたら栄養士の奥さんの手作り料理だそうで、まさにお勧めの1軒です。
そうそう、ペンションでガンの予防や体に効くということで買った「つるにんじんの焼酎つけ」は、毎週顔をしかめながら頂いております。

朝はすがすがしい ベランダでの朝食は最高


さあ、ここまで来たら今度はぶどう狩りだ!ということで、「ひとつぶのぶどう」さんに聞いて向ったのがここから5分ほどの、「ぶどうばたけ」さんと言うぶどう屋さん。なにやら今回は“ぶどう”という文字だらけ…。普通この辺のぶどう屋さんは“○○園”というところがほとんどですが、こちらはちょっと変わった屋号なのです。なんでもオヤジさんに聞いたら、5,6年前から、ぶどう狩りのできるぶどう園を始めたらしく、その時に○○園じゃあたりきたり…と言うことで決まったそうで、オヤジさんは「“ぶどうばたけ”じゃ読んでそのまますぎてどうかな〜」などとおっしゃっていましたが、なになに!ほんと読んで分かりやすく覚えやすく良いのです。それよりもこちらにこの後2時間近くもお邪魔して、ますます良い!ということになったのです。

そうなんです。いいところだったのです。まずは着いて出てきたのが、デラウエア、巨峰、種無し巨峰、最近人気の大玉ピオーネ、マスカットと、「さあさあ食べて!」とドンドン出てくるのです。我が子にいたっては、目を輝かせながら、両手を駆使して食べまくり状態。なくなったらまた別のぶどうが出てきそうな勢いで、「うーん、今までのぶどう屋さんとはちょっと違う!何よりもぶどうが美味い!」
何でもこの菱山という地区は、勝沼でも高台に位置し、水はけの良さが美味しいぶどうになっているそうで、試食してばかりではなんなので、種無し巨峰を狩りに行くことにしました。

ここが“ぶどうばたけ”さん ぶどうを食べること食べること 街を走るのはなんとワインバス


ここから車で揺られ、まさにぶどうぶどうぶどうとぶどう棚の真ん中を走ること5分で目的のぶどう棚に到着!さっそく実が詰まってて、良い色合いの巨峰探しなのです。8月の終わりといえども、日差しはかなり強く、「これなら太陽をいっぱいに浴びて、美味しいはず!」と時折つまみながら、どんどんともいでいくのです。まあたくさんもいでしまえば全て買う羽目になってしまうので、その辺を考えながらなのですが、ぶどうの香りの中と言うのも、なかななもので、スーパーで売っている巨峰の倍くらいの大きな房をGETしたのです。

太陽を浴びた巨砲 子供の顔くらい大きい



先ほどのお店に戻り、話をしているうちに、ここで作っているワインの工場を見せて頂けるということになり、ワイン好きの自としてはすぐさま「見せてください!」となり、裏手の倉庫らしきところに向ったのです。

ガガーッとガレージを開けると、中から古めかしい樽やら、木製の機械が登場。ぶどうをつぶす機械、濾す機械、熟成させるやつなど一通りオヤジさんに説明を聞いていくのです。そうこうしているうちに、「じゃあちょっと一杯!」「いやいや車ですから、ほんの少しだけ!」などと言いながら試飲させて頂いたのですが、うーむ…これが美・味・い!甲州というぶどうで作った白を頂きましたが、きりっとした辛さと、爽やかな口当たり、勝沼のワインも捨てたもんじゃないなぁと思いつつ、「オヤジさん赤はあるんですか?」などと聞いていただいたワインがベリーエーで作った赤!うーんどっしりとした感じでこれも好き!試飲しながらいろいろ聞きましたが、ここ勝沼町には30以上ものワイン醸造所があるらしく、そのうち確か26軒が一般販売の為の醸造所で、更にその中の3軒くらいがいわゆるよく耳にする大手ワインメーカーだそうです。そしてここは一般に販売していないで、ぶどう農家のみなさんが、自分たちが飲む美味しいワインを、自分たちの作ったぶどうで作ろうと始めワイン醸造所なのだそうです。そう!昨晩ペンションで飲んだワインがまさにここのワインだったのです。

一番最初にぶどうを入れて濾す機械 こっちの機械もなんと木製! いろいろ説明を聞いています



一番絞りというからには、基本的にその年で飲む分しか作らないそうですが、「2,3年熟成したワインも美味しいんでしょうね?」などと質問をしていたら、オヤジさん一旦冷蔵庫の扉を開けてまた締めて、なんか考えている様子?そして何やら意を決して出してくれたのが、どうやら別のワイン。どれどれ!と思い口に含んだワインは、まさに華麗なるワイン!(表現が未熟〜)先ほどのワインとはまた違った美味しさで、聞いたら“甲斐路”というぶどうで作ったワインだそうなのです。この“甲斐路”というぶどうは、“甲州”よりも更に手間がかかるらしく、簡単に言うとぶどうの量が倍以上ないと、同量のワインは作れないそうなのです。

さて今度のお味は?


「車なんで〜」と言いながらも美味しく頂いたワイン。お店に戻って話をしたら、ここで分けていただけるとの事!さっそく先程試飲したワインをお願いしたら、「お父さん、よく甲斐路のワインを飲ませましたね〜、めったに人にはあげないんですけど…」との事!「こりゃぁラッキー!」と思いつつ一升瓶のワインを喜んで車に積んだのです。



その後もちょっとワインを醒まそうと、またまたぶどうを頂いたり、自家製ぶどうアイスを食べたり(結構美味かった)なんだかんだと随分お邪魔しましたが、とても気持ちの良いぶどう園でした。
11月まではぶどう狩りが楽しめるとの事でしたので、山梨に寄った際はお勧めです。“ぶどうばたけ”さんです。
ちなみにここのワインはかの“アントニオ猪木”さんもお好きだそうで、他にもワイン研究家たちが集まった会合(ただの飲み会では?)でも認められたワインだそうで、まさに知る人ぞ知るなのです。
それにしても最後にオヤジさんが
「機械での大量で生産のぶどうも、私たちが作ったぶどうが使われてますが、あれでは作ったぶどうたちがかわいそうだ…」
とおっしゃった言葉が印象的でした。


買ってきたワイン こちらはつるにんじん


まあなんだか自分たちだけが楽しんでいるようなので、子供にもと少しは楽しませようと思い行ったのが「金川の森」公園なのです。ここはとにかく広い公園で、その中の一つが子供の遊戯サイトになっており、自転車コース有り、大きなジャングルジム有り、何故か公園内には踏み切りや信号があり、実際に交通規則も学べるような公園で、ほんとこういった公園が近所に欲しいくらいなのです。

とにかく広い公園でした 手漕ぎ?電車なのです 知らない子供もみんなで乗車!


こうしてあっという間の1泊でしたが、ぶどうを堪能したぶどう尽くしの日は、高速道路を走っている最中もぶどうをつまみながら終ったのです。

観る                         ☆は満足度★は子連れ安心度
勝沼のぶどう棚 ☆☆☆☆
★★★★
とにかくぶどうだらけ(当たり前)
子供にもいいのだ
泊まる・休む
勝沼のペンション“ひとつぶのぶどう”さん ☆☆☆☆☆
★★★★★
とにかくお安く料理も満足!
3歳児の子供料金はいらないとの事!
山梨県東山梨郡勝沼町菱山836-3
0553-44-3727
食べる
“ぶどうばたけ”さんの試食 ☆☆☆☆☆
★★★★★
今までのぶどう屋さんの中で一番充実!
子供も文句無し!
山梨県東山梨郡勝沼町菱沼1425
0553-44-0356
“ぶどうアイス” ★★★★★ 果汁たっぷりの自家製アイス
喜んで食べていた!
ぶどうばたけさんにて
遊ぶ
金川の森公園(中央道一宮御坂インター横) ☆☆☆☆☆
★★★★★
晴れた日にお弁当を持っていけば1日遊べそう
公園は最高のようで…
山梨県東八代郡一宮町国分1162-1
0553-47-2805
買う
“つるにんじんに焼酎漬け”\1500 ☆☆☆☆ 良薬口に苦し “ひとつぶのぶどう”さんにて
“ぶどうばたけ”さんの種無し巨峰、他いろいろ ☆☆☆☆☆ とにかく美味しい 山梨県東山梨郡勝沼町菱沼1425
0553-44-0356


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