君はアロエの花を見たか!
今回は、過去100回以上も通っている伊豆。その伊豆の単なる通過点でもあり、また帰り道にようやく“ガソリンを入れられる”ポイント(伊豆は日本一ガソリンが高いのだ!)となる小田原に、ちょっとだけ寄って、更に一気に下田まで行って1泊して帰るという強行軍なのであります。
東京都内を出発し、東名高速と小田原厚木道路を走ると、雪を被った富士山が山々から垣間見えるという、なかなか気分の良いドライブ日和の中、渋谷から1時間後には小田原に到着!いつもですと、このまま海沿いか山を走って伊豆へ一直線ですが、今回はちょっと違い、まずは早川漁港方面へ!
この漁港の中に、美味しい「カレー屋」さんがあるとのことで、食べて見ようと行ってみたのですが、なんと目指すお店は【本日休業】!2日がかりで仕込むというカレーに無念の別れを告げ、このカレー屋さん以外にリサーチをしていない我々は、自慢の【鼻】を利かせるべくいざ小田原市内へ!
高速上に富士山がポッカリ!
さすが城下町だけあってか、狭い道や、石畳の道、さらに学校まで、昔のお屋敷のような創り。飲食店も海が近いせいか、小田原名産「鯵鮨し」や「かまぼこ」「ひもの」の暖簾がたくさん。通常ならすかさず「鮨ーっ」になるものの、今夜は宿でお魚が待(舞)っているという事で、「中華」か「蕎麦」か「カレー」に的を絞り、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりと右往左往なのであります。そうこうしていると、壁一面に絵をあしらった通りが出現!ただ風景を書いただけの狭い通りなのですが、ちょっと心がウキウキするような綺麗な通りで、その名も「おしゃれ横丁」!名前に思わず脱帽なのである。
歩き廻ってやっと決まったのが、駅に近い「蕎麦屋」さん。一見昔風のこの蕎麦屋は、一見どころか中に入ってみてびっくり、満員のお客さんも全て一見昔風の人なのだ!「うーむ平均年齢60歳!」と思わず口にしてしまったのだが、ただ単に、おじじとおばばの多い時間帯かも知れないのだ。で、4、50人いる中で、うちの娘と我々で、平均年齢1歳は若返ったのだとくだらない事を考え、注文したのが、「ニシン蕎麦¥900」「天ぷらうどん¥950」「鴨南蛮¥850」なのですが、これまたあまりにも一見普通のようなお蕎麦でしたが、「美味い」のです。偽者の横行している「鴨南蛮」の世界ですが、きちんとした「鴨」で、ニシンそばも、「これぞニシン蕎麦」と言わしめるようなニシンの甘味が蕎麦にぴったりで、一見昔ふうのこの蕎麦やは、お味も昔ながらなのでしょう!だから一見昔風の人でいっぱいなのだと納得!
(後でわかったこの店は、大正8年創業で“寿庵”という蕎麦屋さんでした)
ぽつんと一見昔風 お客さんも一見昔風 昔ながらのにしんそば?
お腹も満足になったところで、お次は食後のデザートという訳でもないのですが、散歩中にちょっと気になったパンやさんへ!このお店は“一見昔”というより、“古くなったお家”と表現した方があってる(失礼!)のかも知れませんが、とにかく買いに来る人が多いのです。買おうと思って待っていた10分間に、20人以上は新たにお店に来ていたでしょうか!ちょっと耳を澄ますと「夕方来るとなくなっているのよ!」とか「クリームパンがねぇ!」と聞こえてきてすかさず「クリームパンも買ってくれ!」と追加なのですが、ちなみにこのお店も一見昔の人が多かったような!
散歩がてらに食べたクリームパンは甘すぎずちょうど良い感じ、アンパンはあんこがたっぷりでこれはパンというよりお菓子に近く、コッペパンは噛み応えがあって、ピーナッツバターがぴったりでした。でも安かったなぁ〜。
気になって入ってみたら メニューが安い! あっという間に行列
小田原に着たからには北条様の小田原城という事で行ってみると、スクッと建っているお城の前には、なんと“象さん”がいるではないですか!そうなんです、ここは小さいながらも動物園もあるのです。他にはお猿さんや、熊さん、鳥さんたちがたくさんでしたが、いつもの上野動物園と違って、身近に感じられ、子供にはとてもよさそうなところでした。
難攻不落の小田原城 小田原城のぞうさん
以外と小田原も面白いもんで、今度は小田原を中心に攻めてみようかなどと思いつつも、早くしないと夕食に間に合わなさそうなので、一気に下田まで海沿いを走ることに!しかし、この海沿いの道というのはよく混雑するもので、「伊豆高原まで8時間かかった」とか「帰りも10時間」とか良く聞きますが、特に休日は海沿いは禁物なのです!伊豆高原に行くなら「伊豆スカイライン」。下田にいくなら「天城」。更に帰りは裏道街道まっしぐらなのです。だてに100回も通っていないのだ!
走るにつれ形が変化する初島、大島を左手に見ながら、辺りが暗くなった頃ようやく下田の須崎漁港前の民宿に到着!さっそく温泉に浸かっていそいそと着替えて夕食なのですが、なんとまあ、囲炉裏での夕食にはこれでもかというくらいの量で、突き出し、酢の物、煮物、煮魚、天ぷらから始まり、生牡蠣、ホタテとサザエのつぼ焼きと刺身の盛り合わせと続くのであります。この刺盛りも、なんとブダイの尾頭付きで、それにメダイとメバチマグロとサザエが付き、最後に椀とお鮨で締めて¥8500なのであります。更に今回は別注でイセエビの“刺身”と“焼き”をお願いしたのですが、まだ活きているその姿は「可哀想〜」なんぞの思いを通り越して、甘くてプリプリで、いやいや本当に美味しかったのだ!ブダイの刺身も初めてでしたが、白身で締まってちょっと磯の香りがしてなかなかのお味、更になんと活きたまま目の前の炭で焼かれたイセエビも香ばしく、部屋一面に漂うイセエビの香りは次の日まで残っていたのです。
囲炉裏なのだ 伊勢えびの刺身 ブダイのお頭付きなのだ 炭火焼きは、伊勢えび、サザエ
お腹も満ち足りたところで、ちょっと気になっていた民宿前の港に行き、取っておきの車戴の強力ハロゲンライトで、海面を照らすと、そこには青く光った無数のいわしが飛び跳ねているではないですか!湾いっぱいにいるということはその数何十万匹でしょうか!いやいやとても綺麗で見とれていましたが、地元の方に聞くと、「網ですくえば簡単に捕れるぞ!」「でも美味くねー」との事。ここ最近になって夜になるといわしが群れてきて、そのいわしを食べに、“むつ”がたくさん来ているそうで、見渡すと無数の“浮”が漂っており、何人もの釣り人が夜釣りをしているではありませんか!「うーむ竿を持ってこなくて残念!」
でも、夜空を見上げた時の星の多さには久々に圧倒されたのだ!
翌日は朝6時に起きて、民宿前の漁港に行って見ると、昨日のいわしはどこへ行ったのか海面は静まり返り、その代わり、堤防では今揚げてきたばかりの網からイセエビをはずそうとして、賑わっているではないですか!いやぁ〜これまた大変な作業で、絡まった足やひげを折れないよう丁寧に取っていくのはまさに骨が折れそうなのですが、大きいのが掛かっていたり、魚が掛かっていたり、サンゴが掛かっていたりと、網によっては大漁、不漁と見てる方は楽しいのです。
網はずしが始まった こちらは大漁 左手に大きな伊勢えびが!
宿の朝食は鯵の開きに、卵に、山芋などと、いたってシンプルなのですが、あまりの美味しさに3杯もお代わり!更に体がつるつるになる朝風呂に浸かって宿払いなのですが、“漁場から食卓へ”というだけあって、小さいながらもなかなか良い民宿で、その名も伊豆のハズレにあるからなのか「小はじ」さんでした。ちなみに、今回は知り合いに聞いて来たのですが、あまり宣伝していない割には、リピーターでいつも混んでいるそうなのです。「うん!納得!」
最近改装したらしい 須崎漁港の目の前 伊豆の端?
この須崎には、爪木崎方面に3kくらいに渡って遊歩道もあり、ここから眺める海もまた最高で、今日は遠くには大島、利島、新島はもちろん、式根島、神津島まで見渡せたのです。更に右手には、昔ダイビングに通った神子元島が綺麗に浮かんでいたのであります。
海沿いの遊歩道 潮風に負けじと黄色い花 伊豆七島が見渡せる
さて帰ろうかと思った時ふと見上げると、青い空に緑のアロエ!そしてそのアロエに赤い花が咲いているではないですか!「おおっ!アロエの花だ!」と見上げてしまいましたが、アロエヨーグルトや、傷薬として馴染みのあるアロエですが、はじめてみるアロエの花はまさに南国!ちょっとエロチックで怪しさが漂ってると思ったのは私だけでしょうか?
「お見事!」の一言、文句なし!
朝食で食べた鯵の干物が美味しく、売っているお店を聞いて行ってみると、出迎えてくれたのは、干物に劣らぬ立派なお顔のおばあちゃん!(失礼)「ちょっとみてみっか〜」との言葉につられて裏に行って見ると、真鯵とムロ鯵、金目鯛にイカが、ずらずら〜っと干されているではないですか!「この潮風がいいんだ〜」「うちの干物はニッポン一だ〜」「御用邸にもおろしてんだ〜」と見た目のお年に似合わず達者な様子。「写真撮ってけ〜」とのお声にカメラをパチリ!顔の皺に敬意を表して、1枚100円の鯵と350円の金目をたくさんお土産にしましたが、浜っ風と塩味とが良いのか、本当に美味しく安い干物でした!(この日以降5日連続で干物を食べてるのだ!)
こちらが「山七」さん ずらりと並んだ干物 オブジェのごとき金目
次なるは昼食をどうするかという問題で(重要なのだ!)、田子の天狗鮨、天城の峠の茶屋、修善寺のそばの3軒のうちどれにするかと迷った挙句、山を走り紅葉を見つつ「峠の茶屋」に決定し、いざ走414号線をらせると、蓮台寺近辺に「農産物直売 朝穫り!旬の里」なる看板を発見!こういった看板やお店に弱い一行は、すぐ入ってみる事に。店内は案の定地元のおばちゃんたちでいっぱいで、安いと思いつつ、“みかん”(\150〜)“さといも”(\250)“やまいも”(\250)に“手作りかきもち”(\150)、体に良い“うこん”(\500)とたくさん買ってまた車を走らせると、4,5年前からある先程と同じような「あずさ気まぐれ売店」が目に付き、またもや寄ってしまい、“しいたけ”(1パック\100)“キウイ”(5,6個入り\100)“海の塩”(初めて舐めましたが、ナント甘く味がある塩?なのだ!\350也)“生なめこ”(1パック\100)と購入なのであります。こういったお店は通常のスーパーと違い、初めから卸すように作っていないため、形こそ悪かったりするものの、農薬を使っていなかったり、安かったりで以外といけるのです。
この真ん前には“清水堂の岩清水”と言う水が出ており、やさしく美味しい水なのだ!
最近出来た直売所 いろんな野菜が安い こちらは前からの直売所 綺麗になった岩清水
七滝、ループ橋、天城トンネルと過ぎると、この先に「道の駅」という看板、「はて新しく出来たのかなァ」と思い寄ってみると、前からあった“国民の森”に名前を付け足しただけで、施設はあまり変わってはいない様子。うーむ、こういったうわべだけは変化はイケナイのだ!
ちなみにこのルートには、さすが清流だけあってワサビ田がたくさんあり、山肌の緑が綺麗なのだ!
そのまま走ると、右手に前から気になっているログハウスがあり、一度は通り越したもののやはり気になったのでUターンしてお茶でも飲んでみようと入って見ると、手作りの時計やアクセサリーや小物がずらりと並び、庭にはハーブやブランコもあって楽しそうなので、急遽ここで昼食を摂る事に!
ひき肉のカレーにピザとケーキを注文したのですが、ピザは薄めの生地でパリッとして好きなタイプ!カレーも辛すぎず、子供も年寄りも満足気、おもわずナンのお代わりでしたが、デザートのケーキも手作りで、lここ「かたつむり」さんは結構穴場なのだ!
ログハウスが立派な“かたつむり”さん 庭には手作りぶらんこやハーブ ひき肉のカレー ガーリック&ハーブとシーフードピザ
そして最後の仕上げは、浄連の滝の“ワサビアイス”なのであるが、今回食べたの上級(5倍の辛さ)は、ちと辛かったのだ!!
こうして、鼻を利かせながら、初めてづくしで食べてばかりのような一行は、紅葉と富士山に別れを告げ帰路につくのであった。
見る・散歩する ☆は満足度★は子連れ安心度 | ||||
小田原城址公園“天守閣入場”\400 | ☆☆☆☆ ★★★★★ |
広くて緑があってなかなか良い。 動物園もあり子供には最高! |
小田原市城内 | |
下田須崎から爪木崎までの遊歩道 | ☆☆☆☆☆ ★★★ |
爽快! アップダウン、海にも注意!! |
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食する | ||||
小田原駅前・寿庵“にしんそば”\900 | ☆☆☆☆ ★★★ |
一見昔風、客も一見昔風が多しテーブルですがなんとか大丈夫 | 小田原市栄町2-1-26 0465-22-2862 |
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清水堂の岩清水 ¥0タダ! | ☆☆☆☆☆ ★ |
良い水はいいのだ! 道路際なので注意!注意! |
あずさ気まぐれ売店の反対側 | |
かたつむりの“ひきにくカレー”と“ピザ”\900 414号線浄連の滝の近所 |
☆☆☆☆ ★★★ |
やみつきになりそうな味 子供も楽しそう!(店内は小物が多いので注意、暖炉も注意) |
天城湯ケ島町湯ケ島892-66 0558-85-2104 |
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かたつむりの“オリジナルケーキ”\450 414号線浄連の滝の近所 |
☆☆☆☆ ★★★★★ |
ケーキ好きではないものの美味しかった もちろん大好き |
天城湯ケ島町湯ケ島892-66 0558-85-2104 |
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浄連の滝のわさびアイス“今度は上級”\350 | ☆☆ ★ |
中級の方が良かった 駐車場ですので注意! |
天城観光協会 0558-85-1056 |
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買う |
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小田原駅前・守谷のパン“あんぱん”\110 | ☆☆☆☆ | 美味しく安い! | 駅をでて左側 0465-24-1147 |
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須崎・山七の“鯵のひもの”\100“・金目”\350 | ☆☆☆☆☆ | 潮風がいいんだな〜 | 下田市柿崎26-4 0558-22-6061 |
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下田・平井商店の“そうずらまんじゅう” | ☆☆ | 新聞の漫画から始まった饅頭らしい! | 下田駅前 | |
蓮台寺・旬の里“うこん700g位”\500〜 | ☆☆☆☆☆ | 良薬口に苦しなのだ!でもいろいろあって楽しい。 | 414号線沿い・蓮台寺 | |
蓮台寺・旬の里“みかん”10個くらいで\200〜 | ☆☆☆☆☆ | 伊豆のみかんは自然の甘さとすっぱさで美味しい | 414号線沿い・蓮台寺 | |
あずさ気まぐれ売店“海の塩”1パック\350 | ☆☆☆☆☆ | 塩にこんなに味があるなんて! | 414号線箕作より七滝方面左手 | |
泊まる | ||||
和風民宿“小はじ” | ☆☆☆☆☆ ★★★★ |
文句なし!また行きたい! 部屋の階段が急なので注意! |
下田市須崎518 0558-22-6174 |