これぞ元祖ファーストフード也

ここのところ、下町味処食処ネタが少ないのではとお嘆きの皆さん。お待たせいたしました。昨年から開拓しましたとっておきのお店を何店かご紹介しましょう。


まずは、最近の回転寿司ブームの波がここ浅草にも押し寄せて来たというので、行って参りました。ここ浅草には“すし屋通り”とか、昔からの老舗のおすし屋さんが多い街ではありますが、その激戦区に最近進出してきたからにはよっぽどの自信が…と、いったお店の名が『まぐろ人』さん。なんでもテレビにも紹介されたそうで、土日の昼時にもなると、30分以上は待たなくてはならないほどのなのです。この「まぐろ人」さんお名前のようにマグロには自信を持っておるお店のようで、赤身から中トロ大トロまであり、マグロもその日の入荷によって本マグロからメジマグロ、インドやキハダとさまざまなのです。もちろん他のネタもよく、個人的にすし屋のバロメーターと思っている“ひかりもの”もなかなかのネタで、当然回転すし屋さんということでお値段もお安い!おまけに少ないながらも家族にはもってこいのテーブル席もあり子連れにも安心なのです。場所は雷門から国際通り方面に約3分程の、オレンジ通りにあります。

土日は混んでます この看板が目印 その日のお勧めのネタがオススメ


雷門を今度は先ほどと反対方面のメトロ通りにあります「伊太利亜のじぇらあとや」さん。ここは以前にも紹介したことがあるアイスクリーム屋さんと同じお店のようですが、どうやらこちらのお店のほうが大きく、店内にもカウンターやテーブルがあり中でも食べることが出来るようです。「浅草はやっぱりみつ豆や、アイス最中よ!」という方も多いとは思いますが、なになに、ここも美味しいのです!

下町っぽくないアイスです ジャンボなアイスが目印


ここからすぐの横道を入った『アリゾナキッチン』さん。ここは昔から結構有名なお店ですが、店名のとおりにアリゾナ風の店内は西部劇の舞台のような雰囲気で、確かテレビに紹介されていた時はここの女将さんが“浅草の名物美人女将さん”などとメインに出ていたような…で女将さんではなく料理目当てで入ったのですが、この日は
永井荷風も愛したという、チキンとレバーの煮込みとロールキャベツを注文して見ましたが、このチキンとレバー、トマトベースに、このレバーがなんともくせになりそうな味で、パンにつけて最後の最後まで食べたくなるようなお味でした。

レンガの建物に木がたくさん チキンとレバーの煮込み ランチは\800から\1200


仲見世を横切ると、浅草の文化の殿堂ともいえる浅草公会堂が立っておりますが、この入り口近辺には、びっしりと手形が彫られてある“スターの広場”というところがあるのです。なんでも大衆芸能に携わった人たちの手形ということらしいのですが、そんな中で、我が子がさっそく手をあてていたのは“美空ひばり”さんでした。

手形がたくさん


そのままロックス方面に向かったところにあるちょっと地味めなお店がハンバーガーの『ジロー』さん。今更ハンバーガー?と思うなかれ!注文してから焼いてくれるハンバーガーはまさしく最近では見かけなくなった洋食のハンバーガーなのです。昔沖縄の米軍の街で食べたハンバーガーも美味かったが、ここも美味い!
ちょっとわかり難い場所で、さらに時々お休みなのですが、まあこれぞ下町!といったようなお店でしょうか。看板にはお好みホットドッグとかかれていますが、ショーウインドーはどう見てもハンバーガーなのです。

看板はホットドッグですが… ショーウインドウはハンバーガー
焼きたてパンとの相性が良い! スープも美味しかった


ハンバーガーといえばパンですが、ちょっと離れた入谷交差点近くに出来たパンの『石釜パン工房グーテ・ルブレ』さんはオープンしてまだ半年のお店ですが、石釜で焼くパンが人気のお店で、とにかく種類も豊富でお値段もお安く、もちろん味もしっかり!けっこうここのお店の影響は他店にも及んでいるというくらいの人気店のようです。看板の純水仕立てという文句もちょっとそそられるような…は

純水仕立て…とは?


この時期何かと食卓にのぼるのが鍋。我が家ではもっぱら、いわしや鶏やイカタコを使細かく練ったツミレ鍋が多いのですが、たまにはふぐチリなども食べたいな〜と思うものです。が、フグ屋さんに行ったら親子3人で2万〜3万は最低覚悟しなくてはいけなく、かといってスーパーの切り身は、見た目は立派そうでも、上げ底の、ガラばっかりでこれもちょっと…という時に見つけた「辻むら」さん。なんとこのお店、フグちりの持ち帰り専門店なのです。
モノは試しと、一番安い1人前\2000也を2人前買ってみましたが、いやいや、なになに、ふむふむ立派!ふぐはもちろん、野菜も豆腐もポン酢もすべて揃っており、後は鍋と水とコンロを用意するだけなのです。ふぐも身がしっかりつまり、\4,000でフグちりがたっぷり食べれて幸せなのでした。
場所は浅草寺を抜けてさらに言問通りの1筋裏手になります。

持ち帰りふぐのみです 最上とらふぐ\6,500を食べてみたい…


さてお次はラーメン屋さんを3軒続けてですが、まず1軒目は浅草からちょっと離れた言問い通りに面した、『入谷拉麺本舗』さん。
ここは夏のギラギラ暑い日に寄ったのですが、通りに面したカウンター席が1Fにあり、外からは丸見え!もちろん扉とかはありません!立っているだけでも暑い中、カウンターに座って熱いラーメンを注文なのです。聞いて見ると、「今年の夏は暑すぎてぜんぜんだめだね!」と一言。案の定お客さんは私以外にはおりませんでした。でもあっさり味のスープと麺が美味しく、結局この暑い日にもかかわらずスープまでも飲み干してしまったのです。場所は言問い通りと国際通りの交差点を、入谷方面に1分ほどの右手になります。一応2Fもあるようで、たぶんテーブルとかあると思いますのでお子様連れは2Fでしょうね。

そして次なるラーメン屋さんは、清洲橋通りの『たく味屋』さん。よく美味しいラーメン屋さんで“○○屋”という屋号を目にしますが、その流れなのでしょうか?やはりスープも脂がたっぷり目。でもしょうゆ味のらーめんは味が濃く意外とイケル味で麺も太目でしっかりとしています。うーんこんなところにこういったお店が!と意外なお店です。場所は稲荷町交差点を清洲橋通り沿いに入谷方面に向かって3、4分程の右手になります。

時々食べています ここも時々食べに行っています


3件目はちょっと足を伸ばして浅草橋方面へ!
ここ浅草橋といえば、まずはおもちゃ問屋の街、アクセサリー問屋の街、デコレーションの街、人形の街、また夏になると花火屋さんの街として有名ですが(ずいぶんあるなぁ)確かに安い!おもちゃの問屋というからには小売はしていない…じゃあ自分たちは買えない…などと思ったら大間違い。中には小売もしてくれるお店も多く、定価の2割3割4割引きは当たり前なのです。アクセサリーにしても、金具から材料まであらゆる物が売られており、店内はいつも混んでいます。
デコレーションに関しても、年末はクリスマス一色で、すぐさまお正月に様変わり。春が近づくと、花見の雰囲気や入学卒業と、その季節季節ごとにこの界隈は目まぐるしく変わるのです。
人形といいますと、大手人形メーカーから小売店まで軒を連ね、よく代わり雛とか今年の活躍にちなんだ羽子板が…とニュースの風物詩で出てくるのもこの辺りのお店ですね〜。
この他にも風船屋さんとか、夏になると花火の暖簾が並んだりと、とにかく卸から小売まで色々なものが売られている町なのです。

でその問屋街の中ほどで、浅草橋の駅から2,3分ほどの「水新菜館」さん。この時は広東麺とチャーハンを注文しましたが、さすがに混んだるだけあって美味しい!どうもここは麺類もさることながら小龍包もお勧めのそうです。ただ店内がちょっと狭く上に昼時はいつも混んでいて、子連れにはちょっと狭いかもしれませんが、美味しいものを食べるちょっとひと時我慢すれば良いのです。
交差点の角にあります 店内は混み合っています 広東麺は美味しかった

そして浅草橋駅のまさしくガード下というか線路の真下というのか、ぴったり収まった「美家古寿司」さんはなんと立ち食いすし屋さんなのです。立ち食いそばや、立ち食いラーメンは数あれど(そういえばあの大阪の新地には立ち食い焼き鳥屋があって昔よく行ったのだ)立ち食い寿司は珍しい…と思い、まあ騙されたと思って入って見たのですが(失礼!)なんのなんの、結構しっかりしたネタとシャリで、そしてもってもちろん立ち食いの分か、お値段もお安い!聞いて見れば、近くにちゃんと椅子もテーブルもある本店があり、そこの支店とのこと。どうりでネタが良いはずだと納得。またこういったお店のせいか、昼時は、近所のサラリーマンやOLで賑わっているそうですが、お客さんの平均滞在時間は10分から15分くらいとのことで、回転も速いそうなのです。
あっ!ただしネタは、中トロやうにといった高級モノはありません!
でも考えてみたら、江戸時代に始まったお寿司というのも、もともと気の短い(かどうかわかりませんが)江戸っ子が、仕事の合間にちょいちょいとつまんでまた仕事にというスタイルから始まったそうで、それが一気に人気となり、そして現代にまで続いているそうですが、ここ「美家古寿司」さんのように、ちょちょいとつまんで、「ハイおあいそ!」うーん!これが元祖ファーストフードなのだ。
まさにガード下 近寄ると… ちゃんと“立喰処”と書かれてます
扉とカウンターの間は60cm位 ぱっと出てくる寿司 これはまさにファーストフード

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