最終回って・・・・・






「うわああああっ・・・・・!!」
バルバンの刃が振り下ろされ黒騎士が倒れた。
途端、転生も解ける。
「兄さん!!」
リョウマの悲痛な叫びが響く。
その上に振り下ろされそうになった刃とヒュウガの間に5人は割って入った。
(畜生!!)
ヒュウガはぴくりとも動かない。
ハヤテは舌打ちをするとリョウマに向かって言い放った。
「リョウマ!! ヒュウガを安全なところへ!!」
「・・・・うん!!」
リョウマがヒュウガを引きずっていく。
それを後ろ眼に見ながらハヤテは、いや、ハヤテ、ヒカル、ゴウキは胸の中で叫ばずにはいられなかった。
(だから、時と場所をかんがえろちゅうねぇん!!!!!!)



「兄さん、大丈夫!?」
バルバンが刺した傷跡から、気が噴出している。
息も荒い。
「・・・ここに、いてくれ」
「・・・まてっ・・・・!!」
そのまま、身を翻そうとしたリョウマをヒュウガが引き止める。
「・・・・俺も、いく・・・・」
「兄さん!」
「・・・・大丈夫、だ」
そういうヒュウガの息はか細く、汗も額に浮かんでいる。
「駄目、だよ・・・・。こんなになって・・・・・・・」
リョウマがつらそうに眉をひそめた。
「・・俺は大丈夫だ」
「兄さん」
もう、止めても駄目なのだろう、ヒュウガの瞳には揺らぎない光が浮かんでいる。
「・・・ただ・・・」
「え?」
「エネルギー補給をしないと」
思ったよりも力強い声に、は? …と聞き返す間もなく。
リョウマの視界が反転した。


「んんんん!!!??」
きつく抱きしめられ唇がふさがれる。
抗議しようと口を開いたらあっという間に舌が侵入し絡め取られてしまった。
性急に求められる。
「・・・・んっ! ・・・・に・・・っさ・・・・!!」
なんとか唇を外そうとしては再びふさがれる。
全体重をかけられては動く事もできない。
第一、怪我をしていたはずのヒュウガの何処にこんな力があったのか。
「・・っふ…う」
髪を掴まれ引かれる。
更に開いた唇にヒュウガの唇がピッタリと重なる。
何回も角度を変えつつ施される口付けにリョウマの力が抜けていく。
ヒュウガの舌が縦横無尽にリョウマの口の中を動き回り蹂躪していく。
既にリョウマには口の中に溢れる唾液を懸命に飲み下すしかできなくなっていて。
どれ位たったろうか、頭の芯がボーっとし始めた頃、漸く唇が離された。
離れる瞬間までも、惜しげにリョウマの舌をヒュウガが吸っていく。
「・・・ふっ・・・・」
「リョウマ・・・・・」
いとおしげに軽いキスを何度も送る。
「いい、エネルギー補給になったよ」
「・・・!」
我に返ったリョウマが真っ赤になった。
「にいさっ・・・」
「さ、いくぞ!!」
一体怪我をしたのは何処なのやら、なにやら笑顔すら浮かべてリョウマが起ち上がった。
「・・・・もう!!」
「おわったら、続きな?」
「バカッ!!」
とんでもない言葉に真っ赤になる。
今、このときに、一体何をかんがえているんだろう?
「・・・駄目か?」
「・・・・・・」
上目遣いに覗き込んでくる兄の瞳に絶対断られないという光を読み取って悔しく思う。
思うが・・・・・結局兄が全てな自分を知ってしまっていて。
「・・・・バルバンを、倒したら、考えます」
としか言うしかなかった。
「よしっ!!」
ニヤリ、と笑う兄をさらに真っ赤になってリョウマが悔しそうに睨む。
「さ、バルバンを倒すぞ!!」
「・・・はいっ!!」

で、馬鹿ップル兄弟がいちゃついていたその頃。


(いいから、はやく戻ってこんかい〜〜!!!)
ハヤテ達の心の叫びが響き渡っていた。



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