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撮影が終わるたびに、次の作品からは変わるかも知れないぞ!と思ってるけどね。
今回のあきた十文字映画祭は、前作の「あ、春」に続いて二回目になりますね。

 そうだけど、去年は夏に西馬音内の盆踊りを見に来たよ。

−あきた十文字映画祭は、日本で一番早い時期に開催される映画祭ですから、やっぱり寒いイメージはありますか。

 ぼくはもともと寒いところには縁が深いからね。もっと寒いところにいたから、これくらいはどぉってことはないよ。ぼくのいたところなんて、外に出れば鼻毛まで凍るようなところだったからね。

−監督は盛岡出身ですものね。

 
盛岡は小学校に上がる前までだけどね。父親が北海道に行ったから、それ以後は北海道で過ごしたんだよ。たぶん、盛岡にずっといたらもっと違った人生になってたんじゃないかな。
−監督は大学を中退して日活へ助監督として契約なさったんですよね。何故映画だったんですか。

 他にすることもなかったしね。小さい頃、人の一生分ぐらい映画を観ていたけど、大学をやめた当時つきあっていた女の子が、あんまりぼくが働かないでダラダラ生きていたから、「仕事しろ!」と怒って就職先を見つけて来ちゃった。(笑)

−でも、それだと照明とか撮影とかの仕事でもよかったわけじゃないですか。助監督になったのは理由があるんですか。

 基本的に怠け者なんですよ。(笑)照明や撮影だと一生懸命働かなければいけない。技術に関わる部分は休んでる暇はないんです。その点、助監督は、仕事をしているときはちゃんとするけど、だらしない時間もあって成立する職業だからね。

−監督の初作品は「翔んだカップル」ですが、あの当時と今とでは変化はありますか。

実はあんまり変わってない。(笑)変わりたいけどね。だから、いつも撮影が終わるたびに、次の作品からは変わるかも知れないぞ!と思ってるけどね。(笑)

−一月二十七日から監督の十三本目の作品「風花」が公開されていますけれども、どうも今までの監督の作品とは違った印象を受けるんですが。

 いやいや、公開前から変な具合に宣伝されちゃって。どうも今度の相米の映画は真面目らしい、とね。全然誤解なんですよ。これは喜劇です。だから、宣伝を鵜呑みにされちゃうと、最後まで映画館が静まりかえったまんま、なんてこともあり得る。どうか構えないで、喜劇として観てください。(笑)


−ところで、全国の公開も決まったそうですが、日本の映画はどうしても財政が厳しいと聞いているんですが、監督も不景気の影響はあるんですか。

 もともとずっと不景気だよ。(笑)ぼくは一度も景気が良かったことはないなぁ。ま、映画が景気に左右されるなら、たぶんとっくに映画なんてなくなっているでしょう。監督業はそれくらいの打たれ強さがないとやっていけないのかも知れないな。景気が良くなったからいい映画が撮れるとは限らないし、お金をつぎ込んでもつまらないものはつまらないでしょ?逆に、景気が悪くても、観ている人たちの心に残ればそれはいい映画だし。映画は飯じゃないんだから、別につまらなくても死ぬことまではないしね。



 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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