久二男さんの木尽くし日記 その12



常に自分自身注意したこと
03/11/04

前回のメールで、ドキッとしたことをお話申し上げました。備えに多過ぎた、はありません。どんなことも想定して事に当たらなければならないのです。ロッジ在任中、何度か危険と思われる場面があったのです。自戒をこめてお話しします。

一度は、玉原高原(標高1230m)に鹿俣山という山があります。1667m「春の鹿俣山を歩く」という催しを企画しました。山中先生が講師です。グリーンセミナーでもお馴染みの先生は、ユーモアたっぷりの説明をされる方でしたので圧倒的人気が有り、幾度となく先生と行動を共にしている方々が参加者でした。

春の5月下旬、アズマシャクナゲの群生しているところがあり、ツツジの仲間のこの木は満開でした。それはみごとなピンク色です。多くの参加者(その日は55人)の中にはカメラで写真をとる姿があります。なるべく場所は他人には教えないでと申し上げます。しかし拘束力は無いのです。近年、NHKで秘境など紹介しますが、知らさねばならないことは当然と考えますが、一度報道するとワッと人は入ってしまいます。

登るコースと下るコースが違います。よく言われることと、経験で知っていることは、登りよりも下りに危険がある。下る途中に斜めに木の根がびっしりと剥き出しで這っている箇所があります。油断してしまいました。何回も通っているコースですので、自分は平気なのですが参加者に注意するのを怠ってしまったのです。講師の先生が先頭で、ちょうど中間くらいに私は位置していました。大きくヘアピンカーブを曲がり終え、少し下ったそのとき、上の方で大きな声と同時に藪をかき分けて落下してくる姿を目にしました。咄嗟に藪をくぐるように上方(山側)に体を倒しました。全く偶然にも倒れて腕を広げたその中に、年配の女性は落っこちてきてくれました。

ロッジに還り、夕食後懇親会を持ち、笑い話で「役得」です。仕事中に女性を抱っこできるなんて最高の幸せ者です。とは言ったもののその夜は考えさせられました。

身長163cmのこの俺が、ちょっとォ、本当にできるのかい?

前にも同じように、かなりの急斜面を落ちそうになり、枝につかまっている若い女性を、こちらも木の根に片手で必死につかまり、もう一方の手で相手のベルトをつかみ引き上げたことがあり、多くの参加者が見守っていましたが、その教訓がちっとも生かされなかったことに腹が立った次第です。




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