「思い出の贅沢」

 

幼少期の思い出と言う奴は、中々強烈なものがあるものだ。

私はハムに対し、妙な思い入れがある。

確かCMだったと記憶しているが、

親子でキャンプをし、焚き火の前で父親がハムを切り分ける。

固まりから、ナイフで厚く豪快に。

その様がたまらなく美味そうで、子供心に憧れたものだ。

当然、当時はそんな真似は出来なかったが、今は違う。

大人になったから出来る。

ハムは知る人ぞ知る、Sの品。

固まりでは無い、肉の線維が感じられるのがたまらない品だ。

わんぱくでも無いし、たくましくも無いけど、育ちはしちゃったよ。

そう思いながら、厚く切り取る。

 

〈終〉

 

 

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