「少し洒落た宴」

 

「物産展で買った」

そう言って、友人が祇園の店の鯖鮨を持って来た。

さっそく、こちらはぬる燗を用意して、相伴に預かる。

確かに美味い。

鯖の身はきちんと締められているのに柔らかで、身の旨みを爽やかに伝えてくれる。

それを、押されてもなお、ふっくらとしたシャリが支えている。

これなら、いくらでも食べられる。

そう思った矢先、友人は残り半分ほどで取り上げた。

どうしたと問うと、彼はにやりと笑って、

「残りは、軽く焼いて食べるんだ」

何とまあ、洒落た食べ方を知っている奴だ。

 

 

〈終〉

 

 

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