「夏の佳き友」

 

子供の頃は、大人は何でこんなものを飲むのだろうと思った。

若い頃は、何でこんな苦いものを好むのだろうと思った。

年を取った今は…、これ抜きの夏など有り得ない。

 

肴が何かなんて、後回しで良い。

水滴したたるジョッキを手に取り、白と黄金とを勢いよく喉へと流し込む。

声とも音ともつかぬものと共に飲み込めば、歓喜の声が上がる。

「ぷっはあぁぁぁぁっ、くぅぅ〜っ」

この時ばかりは暑さに感謝。

3分の1程の残りを飲み干し、空のジョッキを掲げてこう告げる。

「もう1杯!」

真夏の夜は、まだ続くのだ。

 

 

〈終〉

 

 

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