05.11.04(FRI) 鍋割山 赤城山


 久し振りに赤城山に一人で出かけた。とにかくしばらく歩かない間に季節は既に初冬になっている。私の家から一番近く、一番短時間で手軽に登れるゴルフ場裏の登山口から、鍋割山への直登コースを歩いた。短いが手掛かり足掛かりがしっかりした岩場の急登と、なだらかな登りのメリハリの効いた私の好きな道である。


コース:ゴルフ場裏の登山口9:55→鍋割高原上手の案内板10:40→急登終了点11:15→鍋割山山頂11:35-11:50→荒山の見えるピーク12:05-12:35→鍋割山山頂12:50→登山口13:50 (所要時間3時間55分)


 赤城青年の家手前を右折して林道に入り、道なりにゴルフ場を突っ切って少し登ると、T字路で箕輪駐車場に続く林道にぶつかる。T字路を左折してすぐ右側が登山口である。路側に4〜5台駐車できるスペースがある。トイレはない。道は全て舗装道路だがカーブで見通しは効かないからゆっくり走る。
鍋割高原から鍋割山


 天気予報は晴れて暖かいと言うのに、今朝は車のフロントガラスが霜で真っ白に光っていた。山の上は寒いかもしれないと用心して、長袖のアンダーシャツに冬のスボン、ザックの中身も冬用に替えた。鍋割山なら人出も少ないし、担ぐにも負担にならないから、山頂でコーヒーも悪くないと思って湯沸し道具も入れた。

 登山口には車が既に二台あった。短い杉林を抜けてカヤトの気分のいい急な斜面を登る。道自体は斜面を斜めに登るのでそれほど急ではない。上の方で賑やかな女性の話し声が聞こえた。
 急斜面の途中に大岩があり、その辺りからゴルフ場、前橋市街、榛名山などの展望がよい。登り始めで山に馴染まない体調を整えるために、ひと休みである。陽射しが強く暑いくらいで、湿度が高いのかお隣の榛名山も霞んで見えた。
 30分ほどでなだらかな台地、鍋割高原に出る。古い寄生火山の火口の跡なのだろう。中ほどの休憩所にほぼ同年輩の女性3人組みが休憩してお喋りしていた。
 私は更に上の案内板の所まで登り休憩した。暑いのでチョッキも上着も脱いで、長袖のアンダーシャツだけで登る。
ゴルフ場、市街地の向こうに榛名山が霞んでいた。


 鍋割高原より上は潅木の疎林を登る。傾斜は登るほどに増して大岩の重なりの上を登る。浮いた岩はあまりなく登りやすいが下りは気が抜けない。30分ほどで目印の大岩の左を巻くと真っ平らな上部台地に出る。この変化が面白い。逆に歩けば気楽な散歩道からいきなり垂直の崖を下るような感じになる。勿論垂直ではないし鎖やロープがなくても注意さえすれば危険もない。
 上部台地は潅木と笹の平らな不思議な空間である。ここも古い火口の跡なのだろう。道なりに辿ればかなり古びてきた案内板の前に出る。そこから笹に覆われたかっての火口壁を一登りすると鍋割山山頂である。
この大岩をまくと上部台地


 山頂には意外に沢山の人がいた。ほとんど同年輩の人達である。男性だけの4〜5人のグループ(ビールで酒盛りをしている)、単独の男性や女性、夫婦連れ等10数人ほど、さらに既に下る人、大声で挨拶しながら荒山高原側から到着したグループ等、結構出入りも賑やかである。一休みしたが昼食には少し時間が早いし、賑やか過ぎるので荒山の見えるピークまで移動することにした。
 鍋割山の稜線を歩いて驚いた。狭苦しかった稜線の道が、3〜4倍の幅の広さまで綺麗に下草を刈られて清掃され、まるで公園の散歩道のようになっている。まあこんな山の上まで良く手入れしたものである。


 荒山の見えるピークも結構ハイカーの往来があって、賑やかだったが、綺麗に刈り込まれた広いピークの草原に座り込んで荒山を見ながらゆっくり昼食にした。
 青い空を眺め面白く変化する雲を眺め、いい気分でさあコーヒーでも入れようかと思ってはっと気がついた。コンビニでおにぎりを買って、ドリップコーヒーのパックを買って、水を買って、そうその水はポカリスエットでコーヒー用の水を買うのをまったく忘れてた。ポカリスエットでコーヒー入れたらどんな味になるかの興味はあったが、毎度のことだが流石にあきれてそれはやめた。昔からには違いないがボケは間違いなく年々進んでいる。それにしても山を歩く様々な中高年(高老年?)の人達は増えた。
 ショックを受けて後は淡々と下ってきた。山頂の酒盛りはまだ続いていた。上部台地の案内板の前で、不動コースの案内板を見たので笹原の踏み跡に少し入ってみたが、先回残雪の時と同じく踏み跡はすぐ分からなくなった。強引に突っ切れば抜けられると思ったが藪こぎは趣味じゃないので引返した。
 
荒山の空


 下部台地(鍋割高原?)まで下ってやけにテントウムシが多いなと思ったが、その下の急斜面の大岩のところまで来て驚いた。岩がテントウムシで埋め尽くされている。空にはテントウムシが乱舞していて、顔と言わず身体と言わず、首の中にも耳の穴にもところかまわず飛び込んでくる。払いながら大急ぎで通り抜けたが、払いに残したテントウムシが次の日まで車の中で這い回っていた。あの大岩の何処かの割れ目があのテントウムシたちの越冬場所になっているのだろうか、それにしてもどうしてあの沢山のテントウムシたちが、同時にあそこに集う事が出来るのだろう。
ズボンについたテントウムシ




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