05.05.09(MON) 昇仙峡 山梨


 山歩きの仲間、何時ものNさん、Oさんと一泊で昇仙峡と大菩薩峠を歩いた。どちらも初めてである。昇仙峡は関東人にとってはかなりの有名観光地で、都心との交通の便も悪くないから、観光開発の進んだ、大掛かりな観光地のイメージを持っていたが、行ってみると意外と地味なのに驚かされる。ゴールデンウイーク明けの閑散期ということもあるし、より仙娥滝に近いグリーンラインの県営駐車場にお客を取られていることもあるのか、天神森の市営駐車場はガラ空きである。


コース:天神森市営駐車場(長潭橋)13:45→県営駐車場下14:45→仙娥滝15:20-16:15→長潭橋17:15 (所要時間3時間30分)

コースは舗装路で、県営駐車場までは、土日以外は一方交通だが車も通る道である。片道4Km、あまり勾配は感じないが約300mの標高差がある。スニーカー位が歩きよい。今は新緑に、フジ、ヤマツツジ、ミズキ、ホウノキの花などが咲いているが、ウイークデイの人出は少なく駐車場はガラ空きである。

駐車場:天神森の市営駐車場、ほぼ中間点のグリーンラインの県営駐車場から歩ける。
天神森の長潭橋の上から

 500mlのペットボトル一本を手に三人で沢沿いの道を歩く。沢の水はかなりの水量で、のぞき込むと魚影もあり釣りをしている人もいる。新緑の中にフジの花やヤマツツジが咲いている。沢の大岩には名前が付いていて、案内板が立っている。しげしげ眺めてはなるほどねの連発である。

ねこ岩


 やがて大仏岩、天狗岩、覚円峰などの岩峰も見えてくる。上流ほど岩は大きく仙娥滝付近ではファインダーに入りきれないほどの大岩がごろごろしている。
 約1時間でグリーラインの県営駐車場の下に着く。お土産屋さんが2〜3軒並んでいる。道の反対側の宝石博物館は休館日だったようだが、外観は宝石博物館と言う名前から来るイメージとはかけ離れている。
大仏岩


新緑に浮かぶ覚円峰 快調に歩くお二人

 宝石博物館付近からは歩行者専用道路となり、県営駐車場から滝を見に歩く人もかなりいる。巨岩に埋められた深い谷の、垂直に近い岩壁の下を歩くこと30分で仙娥滝に着く。仙娥滝は大きくはないが水量も水勢もあって、なかなか迫力も見応えもある滝である。周囲も観光化されている割にはいい雰囲気を残している。
 神社の境内のような石段を登ると簡単に滝の上に出る。そこには屋外にテーブルを置いてひと休みできるようにして、アイスや飲み物を置いた屋台のような店、お土産屋さん、宝石店、ワイン屋さんなどがあって、閑散期とはいえ賑わった感じがあり、昇仙峡の中では一番繁盛している場所のように見える。滝の落ち口のただの小川の岸に出ることもできる。


ヤマツツジ 仙娥滝

 さて滝の上をひとわたりしてお茶でも飲んで休憩したいところだが、アルコール大好きのNさんOさんは例の飲み物屋さんで生ビールにきめた。ところがジョッキで冷えた生ビールを想像していたのに、ただのカンピールだと言う。Oさんがっかりしてただの缶ビールなら奥で350円だったよ、などと値切りに入っている。敵もさる者でうちは400円でやらせてもらっていますなどと丁寧だがそっけない。
 じゃあ奥で飲むよと引返しかけたが、ワイン屋さんの奥にテーブルが並んでいる。グラスワインがあるかも、などと聞いてみたら、グラスワインはやってないが、店で買ったワインを飲んで行くならどうぞと言う。NさんOさん大喜びでそれに決めて店の中で休ませて貰う。


 早速赤ワインで乾杯。美人で話し好きの店員さんがおつまみ代わりに綺麗な干葡萄をサービスしてくれたり、ワインのレクチャーをしてくれる。
 ”貴方たち何処から来たの”と話を引き継いだのが、店の前を歩き回って客に声をかけていた変な外人さんで、店の店長だと言う。達者な日本語で話も商売もうまい。日本に来て13年とか18年とか言っていたが正確には忘れた。日本人の奥さんとどんな偶然で一緒になったかを話してくれた。祖国はペルシャだという。イランの端っこのアゼルバイジャンだそうだ。たくましいなあ。何処でも生きていけるんだ。ボトルを持つ大きな手からイ・イ戦争を生き抜いた強い生命力を感じた。
ここにも外人さんが!


 思わないところで国際交流が出来て、すっかり楽しくなったNさんは重いお土産を買い足してしまった。前の小洒落た宝石店もワイン屋さんと同じ経営者の店だと言う。観光と、ワインと、宝石と、国際化は、今の山梨の生き方そのものなのだろう。商人向きの土地柄に、このペルシャ人、ぴたりとはまっている。
 今度は秋に来たいと言うNさんに、秋はいいけど店の前の2〜3mほどの道が横断できないほど混むという。今日はいい時に来たよと彼は言っていた。彼の明るい声に送られて店を出た。

 
天神森帰着
重いお土産をものともせず、
ご苦労様でした。


 宿泊:石和温泉、和風旅館・ホテルみわ
     料金は山小屋値段である。特に清潔で広々した、深めの湯量たっぷりの温泉風呂がいい。
     野天風呂も楽しめる。駐車場も広く部屋も料理も寝具も満足できた。
     切盛りしている家族全員で歓迎してくれるような雰囲気もいい。





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  参考:高崎IC9:00⇒道の駅ちちぶ10:00⇒道の駅大滝温泉10:35⇒道の駅みとみ11:15⇒石和駅12:20