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大東流の三大技法を唱えたのは、我が派の鶴山先生だが、他の派に習いに行くと、全くと言って良いほど柔術、合気の術、合気柔術の区別がなかった。技名もまちまちだったし。

その意味では惣角は実にいい加減な教え方をしてたんだなあ、と実感させられる。

さらに日本伝でも、その技法の区別があいまいなまま、だと言っていい。


柔術とそれを崩した合気柔術の稽古はあるし、技法の区別がある。

そのため、私は大東流の各派の方に習いに行き、稽古に努めた。

深層筋の大事さに気づいたのは、○○伝からである。また、同伝を一緒に稽古した、××派を早くに脱退した人からも、啓発された。

しかし、それでも理解が不十分なため、堀川伝を深く研究してみた。

堀川伝は四天王と言われる人が、それぞれ微妙な違いを技法に持っていたため、非常に参考になった。

合気を技術化した形を鶴山先生から引き継いだ弟子はいないのではないか?と危惧せざるを得ない。

鶴山先生は惣角の技を再現し公開するために、様々な派を渡り歩くことになった。そのため毀誉褒貶もひどくなってしまった。

私も気をつけないと、二の舞になるなあ。他派は批判しないようにしないとね。

柔術は表層筋の徹底的なコントロール。合気の術は深層筋のコントロールと、表層筋の代用品としての利用が目的です。

それらを混合して使う合気柔術が実用技術とすれば、柔術と合気の術は稽古技法と言えます。

柔術は筋トレの高度なものと考えればよく、習えばわりと理解し易いし、一人稽古も可能です。

しかし合気の術は、表層筋の代用品にするための技術が難しく、先生から体感させてもらい、手解きを受けて初めて理解が始まります。

そのため柔術は映像でも理解できますが、合気の術は体験するしかありません。

特に、深層筋の運動エネルギーを表層筋の運動エネルギーに転用するための、体内操作が難しく、言葉での説明が困難です。

梃子の作用点を柔術で理解して使いこなせないと、深層筋の作用点を転換するという概念自体、理解不能かもしれないです。

深層筋の力を利用するのは、力に力を乗せる、と言う感覚です。

例えば腸腰筋群には引く作用しか発生させられませんが、手をちょっと押す力に、その引く作用を乗せられたら、強力に押すことができるのです。

腕を伸ばして押す場合に、手のひらに当たる部分を直に押すため、力点も作用点も一緒くたです。

本当は当たる部分を支点に、力点は肘とか肩に、作用点は相手の身体の何処か、です。

(質問)毎日一本歯の下駄で、すり足の稽古をしていますが、同じ観点から、一輪車も深層筋を動かす独り稽古になるのではと、ひらめきました。どうでしょうか、、

2輪よりも、深層筋を使う稽古になるような気がします。

(回答)はい、一輪は難しいので推奨はしませんが、やる気のある方はベストです。

腕の伸筋である表層筋の押す運動に、深層筋の腸腰筋群の引く力を乗せる。と言う動作が必要です。

お辞儀しながら押すと言うイメージです。

押す運動はほんのわずか。大半はお辞儀しないで、お辞儀する運動をして、その引く筋肉運動を利用します。

実際にお辞儀してしまうと、腸腰筋群の運動エネルギーが使われてしまいます。

何か重い物をお辞儀しないで押せるようになってください。ブレーキを外し、ギアをニュートラルにした車を動かすことができれば、オーケーです。

実際に軽自動車程度なら片手で動かせます。足を踏ん張り、力いっぱい押す必要などは有りません。

普通の人は重たいものを押すときに、先に足を踏ん張ります。結果として腸腰筋群は、その力みにより発生したエネルギーがバランスを崩すので、それを補正するのに費やされるので、押す力には使えないのです。

先に腰まわりの力で押し始め、次に足の力で押して行きます。

普通は足裏から足首、脹ら脛、太腿の順で力んで行くのですが、本当は上から下に力みが降りて行くのです。

いわゆる浮き腰、浮き身の類い。

浮き腰で踵を上げるのは、膝以下で力むのを防ぐためです。足裏の半分が浮いてる状態では、立つという究極のバランス行為に忙しくて、力む余裕など無くなるわけです。

スケートやスキーでも膝以下で力むと、ひっくり返る羽目になります。

浮き身を掛けているから、居着かない。踏ん張ってないから。腰を落としても、踏ん張らない。

普通の人は腰を落とすと、踏ん張ります。膝を曲げるだけだし、その分、不安定になるから。

普通には下から身体を支える力を作る。だから土台が居着きやすい。

上級者は腰から下は虚。大腰筋を使い、マリオネットのように、腰から下を引き上げてる。

不安定になるから、さらに1本軸にして不安定の中の安定を模索する。

どう引き上げるのかが技術論です。普通に使えばお辞儀してしまう。力として使うには、筋肉の端を使う技術を磨かないとならないのです。

筋肉は真ん中の部分しか収縮しない訳ではなく、それぞれの端の部分を収縮させる技術も有ります。

普通は無意識のうちに使っています。

浮腰の場合に大腰筋の真ん中を使わないように、表層筋でも端を使えるようにすると有効です。

例えば上腕二頭筋でも、肘に近い方、肩に近い方をそれぞれ使い分ければ、通常とは全然違う効果が出ます。

筋肉は真ん中しか収縮しないと思いがちだが、端の方だけ使うことは意外と簡単。というより、実生活でもそういう使い方をしてる。

気付かないで使ってるのでわからない。例えば上腕二頭筋。何も持たないで力こぶを作る時は真ん中を使ってるが、何か重い物を肘を曲げながら持ち上げる際は、肘に近い部分を先ず使ってる。

大腰筋は普通に収縮させるとお辞儀してしまう。

そうではなく、上三分の一や下三分の一を使いこなして、浮身や浮腰を掛けて行く。触れただけで相手を浮かせてみたり、くっ付けたり。

浮身は胸鎖関節を中心とした、胸から上の上半身の軸の操作。浮腰は腸腰筋群を中心とした腰の軸と重心の操作。

それぞれ別の技術なので、個別に使う。逆にわからないと中心と言うことが理解出来ない。

先ほど黒谷さんと外人相手の稽古について話題にした際に、お辞儀する筋肉を使うのだが実際にはお辞儀しないで、と言う概念が分かってもらえない、と言うことがありました。

深層筋だと分かりにくいので、二の腕の上腕二頭筋で説明します。

肘を完全に180度に屈曲させて力こぶを見せる形と、ボディビルダーが見せる形でやる90度の屈曲の違いです。

180度は引っ張る力ではない、曲げる運動。90度は引っ張る力の表現形です。

どちらも力こぶは出来ますが効果は全く違います。180度の方が強いように見えますが、実際には90度の方が引く力は強いのです。

たくさんお辞儀するより、全く同じ力で浅くお辞儀する方が、相手に渡すエネルギーが多く出ます。

自分の身体を多く動かすより、同じ力で小さく動かす方が、より効果を生むのです。

腸腰筋群の画像を見て自分の身体の中を知り、そこをイメージしながら稽古するのが、上達の早道です。

グーグルの画像検索で大腰筋を見てください。たくさんのイラストが有ります。

観るのを見とり稽古と言いますが、写真やイラストも大事なツールになるのです。

見ると良く分かりますが、尻の部分は、ほとんど筋肉だけなんです。でも誰も、その使い方を知らない。

合気道は動の中で稽古するので、基本の細かい部分がなおざりになっています。私の稽古はそこを徹底してやるので、目からウロコになるようですね。

昨日は押しと引きの同時発生の技術の高度な部分を稽古しました。

腕が押し、胸筋が引くなど、体験して初めて分かる技術です。

腰を切るというのは結局、鼠蹊部の運動なんだけど、腰の感覚なのかなあ?

厳密にやると腰は動かない。

普通の人がやると大臀筋などを使うので、腰が回る。