発想の逆転(講習会の予備知識)
 
1,技術論としての「梃子の原理」において、三要素である「支点・力点・作用点」があるが、どの部分をそれにあてるかと言うことが、分かっていない場合が多い。ここに「発想の逆転」が必要となる。講習会に参加される方のために、箇条書き的に概説しておこう。

@支点が違う。
 肘ではなく、接触点(部位)である。
A力点が違う。
 小手の筋力運動ではなく、二の腕と肩関節に関わる筋力運動である。
B作用点が違う。
 接触点ではなく、相手の肘(初級)、肩(中級)、首・背骨(上級)、腰・全身(奥)である。これは力点の作り方によって違いが生ずる(肘は肘、肩は肩、・・・・・・・・・)

2,次に小手の中の骨格構造に理解についても講習会で詳説したい。
 ここでは肘関節の尺骨側と撓骨側について、別々の機能と駆動であること、そしてそれが例えば「肘のばしの合気」にどうつながるのかなどを、学んで貰いたい。

 たとえば、小手(手首)を握る際には
内側(掌側)を握る場合
@親指をまず支点とするために、脈どころを押さえる。(撓骨の押さえ)
A力点は尺骨。
B作用点は初級では肘関節の尺骨側のひずみ。
C駆動力は肘関節の使い方。
外側(甲側)を握る場合
@尺骨側を小指・薬指でかける(尺骨の押さえ)。
A次に撓骨を親指の腹で押さえ、尺骨・撓骨を挟むようにする。
B両方が支点となる。
C複合梃子に出来る場合は、力点は二つ。
D作用点は初級では肘。