「触れ合気」に必要な出力は最大250グラム。(正しい力の計量化)

 合気に必要な力は「皮膚一枚の感覚」と言われているのだが、指先から出してよい力の料がどの程度かということは語られることが無い。

 目で見える基準としては「押している自分の指の爪が白くならない」ことが必要であり、その量はというと、精密な計りで計量してみると250グラムを越えてはならないということになる。

 「合気」の技術にはさまざまな制約が課せられることになるのだが、これなどはその典型でグラム単位の出力制御が可能な身体にならないといけないということなのである。

 人は力を10等分して(実際はこれすらほとんどの人は出来ないのだが)、上二割と下二割を使いこなせない。普通使っているのはフルパワーの3割から7割のゾーンであり、それも粗雑にしか使えていない。

 「匠」といわれる域の達人は、下2割の力を10にも20にも分けて使え、さらにそれを精密に使える人のことを言うのである。

 たとえば50キログラムのバーベルを持ち上げることが出来る人は、10分割すれば1単位は5キロであり、それをさらに細分化すると1単位はグラム単位の領域になるのである。

 そして「触れ合気」は250グラム以下の指先の力で、「掛けて」いかなければならないのである。