日本伝合気柔術(大東流三大技法)の紹介  

                         日本伝合気柔術  師範    岡本 真

 日本伝合気柔術は武田 惣角から免許皆伝を受けた久 琢磨師範が、会津藩平法(兵法)としての大東流を継承させるにあたって、他の大東流諸派と区別すべく命名し、鶴山 晃瑞師範に免許皆伝を与えたものです。

 それは伝えられるように惣角が個々の教授代理ごとに教授内容を変えたため、各派によって伝えられた内容がまちまちとなり、真の姿が失われかけていた大東流を、唯一皆伝を受けた久師範の下で鶴山師範が柔術・合気柔術・合気の術 の三大技法にまとめ上げ、皆伝の意味を明らかにしたことに由来します。

 道場は鶴山師範の跡を継いだ折笠師範の下で、この三大技法を中心に教外別伝の武器術などを併伝として稽古しています。 そこでは強いものがより強くという格闘技的なものを目指すのではなく、女子供でもその持つ力の範囲内で大の大人を制するという、護身術を誰もがわかりやすく短期間に学べるよう心がけています。

 そのための稽古の基本としては、合気を「かける」「かけられる」感覚を育て、その理合を詳細につかむため「繋がる」 稽古をすることにより、初級合気の三つの基本原則である「接触面の静止」・「力を反作用で使う」・「梃子の複合体 の構築」という理合を、肌で感じ取りながら我がものとすることができます。

 さらには118本の合気柔術を中心に、それから派生した幾千もの技を技法の根幹にある原理を解き明かすことにより稽古を積み重ねています。
 大東流は難しく学ぶことが困難であると言われますが、決してそうではありません。確かに会津藩がその英知を傾けて、 柔術諸流派の奥義・秘伝を集大成するなかで作り上げた流儀ではありますが、その根本にある理合と技術を理解すれば 誰でも身につけることできます。