朝顔の手
「朝顔の手」、「合気の手」、いろいろと呼び名はあるが、大東流に於いて「合気」を掛けるに際して最も重要とされる技術である。
しかし朝顔の手自体は、いわば初級から中級にかけての方法論であるに過ぎない。例えば我が日本伝ではその次の上級の技術と言っても良いものとして「猫の手」がある。
これは朝顔の手を突き詰めていくと、当然に行き着かざるを得ない領域であり、言葉が違っていたとしてもその技術論に行き着かないとすれば、大東流としては完全ではないと言っても過言ではない。
さて朝顔の手で重要なポイントには
@ 相手の手の内のどこを内側からつかまえているのか
A 手首の役割・肘の役割
B 手首の角度と捻転
C 肘の捻転の意味
D 肘の送り
E 指の開き・張りの意味、「花が開くように」の意味
F 手甲のつぼめの役割
G 相手の手首の詰め、肘の詰め、鎖骨の詰め、背骨のとらえ
などなど、ちょっと上げるだけで数多くのポイントがある。
これらの論点について文章で表現するには、個々の事項につき何ページも費やさねばならず、読む方も頭が痛くなるような身体力学・梃子論などにおつき合いいただくことになる。(多少は、これまでの文章を見ていただければ想像がつくことなのだが、各部位の技術だけでは不足で、それらを統合しシンクロあるいは時間差で連動させていく技術が必要となる)
映像で公開しているが、「百聞は一見に如かず、百見は一触に如かず」をご希望の方は、年内に各地で行う予定の講習会に参加していただければ幸いである。
ただ一つだけ大きなヒントをお渡ししておこう。「初歩の合気は指にかけることが分かれば9割方理解でき、初級の合気は各関節の制御と背骨のとらえが分かれば使えるようになり、中級の合気は自らの三つの丹田の重心としての側面を理解し相手の重心を制御できるようになれば終わりである」。