夏の思い出を話しながら絵で漢字を教える
知的障害養護学校 河村 要和
写真・大型のカラーポスターなどを使って,先生の夏のできごとを話した。その様子を黒板で描きながら漢字を教えた。情景が伝わりやすく,すぐに覚えらえた児童もいた。(児童6名) |
先生の周りにこの字を描いてまるく集まる。黒板付近。
「先生は夏休みに山登りをしました。」
1.「最初はどんどん登っていきました。」1枚の増えるアルバム用紙に張った写真(5枚)を見せながら話す。
2.「山の上にはたくさんの花が咲いていました。」同じく2枚目の増えるアルバムに張った写真の花を見せながら話す。
3.「山の向こうには湿原と言って水のたくさんある原っぱがあって,黄色い花がたくさん咲いていました。」3枚目の増えるアルバムを見せて話す。
アルバム3枚は黒板の所に立てかけて見えるようにしておく。
ーここから漢字に触れる。ー
「先生は山へ星も見に行きました。」
1.「山」を教える。(緑のチョーク使用)
(1)「高い山に登りました。」と言って山の絵を黒板に描く。
(2)「山ですね。」といいながら山の絵の中に「山」の漢字を書く。
2.星を教える。(黄色のチョーク使用)
(1)「山の上では,夜,すごい数の星が見えました。」と言って星の絵を先ほどの山の絵の上に描く。
(2)「星ですね。」といいながら星のわきに「星」を漢字で書く。
最後に「山」「星」の漢字を指差して聞くと6人中2人は山,星と答えられた。すぐ覚えたという印象である。もう1人日頃1語分を2つほど言えるか言えないかという児童が,「やま」に近いことを言ったよ,と別な先生が言っていた。
その後,星座が載っている大きなポスターをみせ黒板に貼った。
2枚目に星座の物語の人物や動物が描かれている大きなポスターを見せた。
その日が終わり,帰りのあいさつの後1人の児童に「山」「星」の漢字を黒板に書いて聞くと,
ちょっと間を置いて,「やま」「ほし」と答えることができた。
全体で10分。漢字の指導場面3分