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法則化茨城NEVER   河村 要和

漢字文化の授業「生」と「青」の成り立ち  

 神谷裕子先生の「生」と「青」の成り立ちの授業を追試をしたものです。五年生の児童1名に行いました。集中が途切れず,発見と驚きが楽しい授業になりました。

板書 象形文字

発問1 なんと読みますか。

すぐに「しょうけいもじ」と返ってきた。

発問2 象形文字ってなんだか分かりますか。

「実物のものを文字に表した文字。」と返ってきた。
○そうだね。物の形から作った文字です。

「月」「太陽」の象形文字を書いて,今の漢字を答えさせる。月から書く。

発問3 これはなんですか。

(答えはすぐに出てきた。)
         正解。「月」です。

発問4 これは何ですか。

         正解。「日」です。太陽を表しています。

発問5 漢字は今から三千年以上前に作られた文字です。どこの国で作られましたか。

○そう,中国です。

ノート準備
 ・今日は三千年前の人の気持ちになって,象形文字を書いてもらいます。
 ・ノートを開いてください。
 ・日付を書いたら,その横に「漢字の文化」と書いてください。
 ・その下一行あけて,1 と書いてください。

指示2 では1本の草を象形文字で書いてみてください。書けたら見せてください。

書いたものに丸をつける。

説明1 実は昔の人はこのように草を表していました。

指示2 次に,大地をこのように表しましょう。

指示3 大地から草が1本生えてくる様子を書きます。
     草が生えてくる時には,ちょっと土が盛り上がりますね。
     どのような象形文字になったでしょう。
     ノートに「2」と書き,その横に大きく書いてください。

しばらく考えた後,児童が「文字っぽくですか?」と質問した。
T「二つのものが合わさってきたので,少し文字に近づきますね。
 でも間違いはありません。思ったものを書いてください。」と指示。
 考えていたので,
T「後10秒です。」と少し笑いながら言った。

その後児童が書いたものに○をする。
T「いいね。そういう感じです。かなり近いです。」

説明2 昔の人は,このように表していました。

発問3 この文字からどんな漢字が生まれたと思いますか。今の漢字です。ヒントは1年生の時にならった漢字です。

児童はノートに3と書いて答えを記入。「生」と「土」が出てきた。

発問4 このうち,大地から草が生えてきている意味を考えると,どの漢字が一番ですか。

○「生」です。

指示4 「笙」のように「生」の時が入っている漢字をノートに1つ書きなさい。

児童はノートに4と書いて答えを記入しようとするが答えが浮かばない。
ヒント1男の人女の人は何というか。
ヒント2夜空に光っている。
ここで「星」が出た。

○「星」「性」「精」「姓」「産」

説明3 「生という漢字には,生まれたばかりのものは汚れがなくて澄み切っているので,すがすがしいというイメージもあります。
発問5 生の仲間で,他にも「すがすがしい」というイメージの漢字があります。さて何でしょう。

ヒント1「生」から変形して,「」がつきます。
ヒント2 色を表します。

※このとき色だけでいってみると,「赤」「黄」と出て「青」は出なかった。。「ほかには?」と聞くと,「青は違うと思うんだけどな。」と答えた。波など激しい,荒々しいイメージを持っていたようである。

○「青」です。

説明4 「青」の上の部分は「生」の変形で,「生きる」と同じように土の中から出る草の目をあらわしています。青の下の部分は,丼→丹と変わってきました。井戸の中にたまった澄み切った水を表します。 つまり,草の芽も井戸水も汚れがなくてすがすがしく,澄み切っているイメージがあります。※板書に基いて説明。

ノートに5と記入。

板書

指示5 「青」のつく漢字をノートに3つ書きましょう。

ノートに6と書いて記入。

○ 清 汚れがない,清らか。
○ 晴 晴れる。
○ 精 米をついて白くする。混じりけがない。
○ 情 素直な心の働き。
○ 静 じっと落ち着く,静かな。

発問6 では,反対に「生」という生命を表す言葉にある文字を付け加えて,「生命を無くすもの」という意味の漢字があります。

ヒント1 「生」が変形した「」がその漢字の上にきます。
ヒント2 4年生の時に習った漢字です。

ノートに7と書いて記入。

○「毒」です。

説明5 「毒」の下の文字は「無い」という意味を表します。

つまり
」→「命」
」→「無い」

生命を無くすもの→「毒」  ということになります。

他に,「」のつく字に「海」があります。これは,水があまりにも深くて色が無く,暗い水という意味で作られています。

「このように漢字には,一つ一つにいろいろな意味があるのです。」

以上1人の児童を対象に行ったので,30分の時間でした。