日経文庫


日経文庫

日経文庫
<A 経済・金融>
金融政策の話
黒田晁生

マネーサプライや金融政策の観点から中央銀行たる日銀の役割を比較的分かりやすく解説しています。指標としてのマネーサプライの有用性について議論のある昨今ですが、実際の金融政策が何たるものかを知りたい方の入門書として最適です。
生命保険の知識(新版)
ニッセイ基礎研究所

生命保険大国の日本。でも、意外と知ってるようで知らないのが現実ではないでしょうか。本書は生保の種類やその仕組について、初心者にも分かりやすく解説しています。新規契約・更改の前に一度読んでおきましょう。
リースの知識(新版)
宮内義彦

著者はおなじみのオリックス会長。リースの成立や歴史的経緯や発展過程での変遷や時代背景、そしてリースにまつわる様々な問題点をわかりやすく解説しています。
格付けの知識
日本格付投資情報センター

格付けは企業の財務状態の良し悪しや企業価値をを測定する指標と思われがちですが、そもそもは社債などの債務弁済能力の評価なので、大きなリスクテイキングしている成長産業よりも安定企業・健全経営の企業の評価の方が高くなります。本書を読めば、そのような誤解が払拭され、格付けの基礎知識が身につくと思います。
短期金融市場の知識
後藤新一

コール、CP、譲渡性預金、手形売買、債券現先、TB、FBなどインターバンク市場を中心とした短期金融市場について、その発生と発展の歴史から、各市場(債券現先、CD、CP、TB、FB)の特色についての解説しています。市場が自由化・多様化した今日でも、短期金融市場の解説書としては最適です。

企業ファイナンス入門
渡辺祐吉

企業ファイナンスについて一般的な資金調達、資金運用、リスク管理の概要について解説しています。入門書として及第点はクリアしていますが、エクイティー・ファイナンスやファイナンスのグローバル化など最近の動向のフォローが必要ですね。
(新版では著者も替わり、内容も一新されたようです)
<B 経営>
設備投資計画の立て方
久保田政純

設備投資にあたって、投資計画策定段階での留意点や投資効果の測定方法や資金計画・損益計画の作成上の基礎知識を解説しています。海外投資についても触れていて、近年増加しているアジア、特に中国への投資などにも役立つよう配慮されています。なお、同じ著者によるこちらも詳しい説明がされています。
在庫管理の実際
平野裕之

在庫管理の手法について非常に丁寧かつ分かりやすく説明しています。そもそも在庫は「悪」であって、単なるストックとして捉えるのではなく、フローの結果であるという認識のもとで、なぜ在庫が増えていくのかを解析する必要性があるという観点から、在庫削減の為のアイディアを提示してくれています。中でも入出庫管理の分類から段階的在庫管理への説明は在庫管理の考え方の整理に非常に有効だと思います。
リース取引の実際(新版)
森住祐治

リースの優位性の説明を中心に法律・税務・会計の観点から実務上のポイントを詳しく説明しています。リース取引の実務に必要な基礎知識は十分網羅されており、かなり細かい点にまで言及しているのに、非常にコンパクトにまとまっているので、リース取引の入門書かつ辞書として使用する実務書としてお薦めします。
販売予測の知識
小林健吾

「勘と経験」による方法とその発展形から時系列資料に基づく統計的な手法まで、様々な販売予測の方法を紹介しています。ただし、「この説明については他書に譲る」というもったいぶった記述がやたら目に付き、統計的方法についての説明がちょっと駆け足なので、じっくりと考えながら読むか、あくまでも入門書として割り切るかの必要はありますね。
キャッシュフロー経営入門
中沢恵/池田和明

サプライチェーン経営入門
藤野直明

会社合併の手引
竹中正明

会社分割の進め方
中村直人

M&A入門
北地達明、北爪 雅彦

<C 会計・税務>
初級簿記の知識
山浦久司

日商簿記検定3級程度までの内容を解説。個人的な意見では、簿記は「習うより慣れろ」だと思うので、こういった新書で簿記をマスターするというのはコンセプトに無理と思う。ただ、実務上で直接に必要というわけでもなく、別に簿記をマスターしたいわけでもないが、財務諸表を読んだり分析したりする為の基礎知識として知っておきたい、といったニーズにはフィットするかもしれませんね。
財務管理の知識
國弘員人

大学教授による財務管理の教科書をコンパクトにしたというところか。教科書なら新書サイズじゃ不充分だし、記述も不親切だし、内容がちょっと古いが、伝統的な財務分析の手法についてはしっかり説明されています。
資金繰りの手ほどき
細野康弘

会計士による一昔前の資金繰りの解説書といった感じ。用語の解説書としてはよいが、内容が古いのと記述が形式的なのが難点ですね。
☆黒字倒産をしないための予算管理、資金繰り表の作り方などの基礎から、株式、社債、外債、銀行借入、リース、抵当証券、関連派生商品など多様化する調達方法まで、実践的に解説した入門書の決定版。
予算管理の知識
小林健吾

伝統的な予算管理の手法について説明していますが、各項目の説明が手薄なので、大学の講義の入門書としては有効でしょうが、実務への応用のリファレンスとしては若干不親切かもしれません。ただ、幅広い範囲をカバーしていますので、大局的な観点による予算の考え方については、知識の整理になると思います。それから、コミュニケーションの重要性をしきりに繰り返しますが、実務者としては「そんな知っとるわい」という感も.....
原価計算の知識
加登豊/山本浩二

初めて原価計算を学ぶ方を対象に、原価に関する基礎概念、諸種の実績原価計算についての解説、標準原価制度と原価管理への活用、直接原価計算と原価管理への活用など、従来のオーソドックスな原価計算や実際の実務に必要な知識を比較的易しく解説するとともに、投資計画策定や価格決定、業績評価への応用、ABC/ABMなどについても触れています。ちょっとくい足りなさはあるものの、初学者やお手軽に知識をインプットしたい方には入門書としてはお薦め。
減価償却の実際
横山和夫

固定資産会計の内、取得価額と減価償却に特化して詳述しています。商法、税法、US会計、IASなどへの目配りもあり、内容は充実。ただし、参考書としては、項目立てや索引などに関してもうちょっと工夫があれば。
売掛金管理の手引
島田勝弘

売掛金管理というと、債権保全や与信管理について法律的観点から書かれた本が殆どですが、本書は「なぜ管理が重要なのか?」、「どうして滞留するのか?」、「適切に管理するためにはどのような手法で管理したらよいか?」について会計的な観点を交えた記述が中心になっています。本書で紹介されている手法はやや時代遅れの感も否めないが、実務で使われる用語などはきちんと説明されており、営業会計や経理関係のビギナーの方のみならず営業担当者にも是非読んでもらいたい一冊です。
入門・英文会計(上)
小島義輝

US会計の簿記と財務会計論との分野を上巻ではバランスシートの資産項目を中心に解説しています。新書サイズながらも、比較的細かい点などに触れられており、用語が豊富に掲載されています。ただ、これらの用例が実務上必ずしも一般的とは限らない点は要注意です。また、7の投資資産、8のタイム・ヴァリューでの「著者の米国会計への思い入れの強さ」と「あまりにも唐突な比喩」への暴走に賛否が分かれるところかな?
入門・英文会計(下)
小島義輝

下巻ではバランスシートの負債・資本の項目を中心に解説しています。上巻にも増して著者の思い入れが強く出ています。極端な米国会計支持者かと思えば、比較的折衷的な方法論も支持したりしていますので、米国会計の理論的な支持者というより、むしろ米国会計の運営論まで含めた熱狂的な信者という感じがしますね。限られた紙面を最大限に活用して、具体的な設例によりイメージしやすくしている努力は買いますが、ちょっと見づらいですし、説明も舌足らずな印象です。
キャッシュフロー計算書の見方・作り方
岩崎彰

☆今年度より開示が義務付けられた「キャッシュフロー計算書」。その作成実務上のポイントから主な分析の手法までをやさしく解説。注目集める「キャッシュフローを高める経営」についても基本的な考え方を提示する。
管理会計入門
加登豊

管理会計入門というタイトルだが、内容は管理会計の手法についてというよりも管理会計が前提とする会社組織構造と経営管理プロセスと会計の関係や考え方を解説したものとなっています。
原価企画、ABC/ABM、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)、BSC(バランス・スコア・カード)など最近の管理会計の内容についての記述が中心ですが、従来の伝統的な管理会計についてももっと触れて欲しかったですね。
国際会計基準の知識
西川郁生

☆国際会計基準は、各国企業間で財務情報が比較できることを目指した統一基準。連結決算やキャッシュフロー情報の開示など、日本企業にも多くの影響が生じている。本書は、考え方から具体的な項目まで網羅的に解説。
固定資産会計の知識
堀内三郎

固定資産会計の解説書としては体系的かつコンパクトにまとまっています。入門書としてもちょっとした参考書としてもお勧め。
<D 法律・法務>
会社法務入門
堀龍兒

企業における法務の役割とその機能面について解説。ただ、入門書としては最適だが参考書としての使い道は???
独占禁止法入門
厚谷襄児

経営法学入門
三戸岡道夫

企業と法律に関する解説書。内容的に古いが、基礎知識のインプットには有効。
株式会社の知識
宮島司
(日経文庫)

「株式会社の知識」というタイトルですが、内容は「株式会社法の基礎知識」です。この類の商法の概説書は、往々にして条文の法解釈や事実の羅列に終始して終わりがちなのですが、本書では株式会社の実態と法律論が非常にバランスよく記述されており、法改正の変遷の裏にある立法事実、現状の法制度の問題点、なぜ法律論の争点になっているのか、等々まで初心者にも理解できるように解説されています。教科書・基本書と実務書を架橋する一冊として、教科書を読む前に一読をオススメします。
担保・保証の実務
岩城謙二
(日経文庫)

基本的に担保物権について解説した実務書なのですが、法律条文や判例の引用も最小限にとどめています。実務上の観点からの記述は要点よく整理されていますし、法律書では分断されがちな登記の説明や仮登記担保、譲渡担保などの解説もきちんとツボを押さえていますので、実務の手引きとしてもちろん、担保物権あるいは保証についての法学入門書としても大いにオススメしたい一冊です。
株主総会の進め方
中島 茂
(日経文庫)



<E 流通・マーケティング>
物流の知識
宮下正房/中田信哉

☆総合物流施策大綱の施行により国際化、規制緩和が急速に進む物流業界の最先端の動向を簡潔に解説。サプライチェーン、インターネット物流、ISOへの対応などスピード経営の柱となる戦略的物流のポイントが分かる。
物流戦略の実際(新版)
中田信哉/長峰太郎

輸送の知識
日通総合研究所

<F 経済学・経営学>
経済学入門(上)
篠原三代平

経済学入門(下)
篠原三代平

企業財務
仁科一彦

いわゆる企業財務の理論面に関する教科書。ちょっと内容は古く、新書としての性格上説明の記述が不親切かな。内容に難解な個所もあり、どちらかというと中・上級者向け。