企業財務


企業財務・資金会計

企業財務
企業分析入門 第2版
クリシュナ・G. パレプ/ビクター・L. バーナード/ポール・M.ヒーリー(著), 斎藤静樹/筒井知彦/川本淳/八重倉孝/亀坂安紀子(訳)

企業分析の定性的・定量的アプローチについて、高度かつ非常に丁寧に説明をしており、経営分析の参考になりますし、その背後のある考えも理解しやすいです。ただ、不自然な日本語や実務上で使用しているのか″?″な単語が目に付きます。それでも、このジャンルの中では一押しの一冊です。
日経証券記事の読み方
日本経済新聞社

証券市場・資本市場の基礎知識をやさしく解説しています。改訂も頻繁に行っているようで、アップ・トゥ・デイトな情報も改訂版で補完できます。企業の財務担当者だけでなく、一般投資家の方にもお勧めです。
入門 企業金融論
岩村 充

企業金融の入門書に最適です。数式などを使わずに、最適ポートフォリオ、MM理論、資産証券化とエージェンシー問題などをやさしく解説しています。著者は日銀の方ですが、本書は日本公社債研究所の若手アナリストの勉強会の資料をまとめたものとのこと。
入門「戦略財務」経営
大庭清司/山本功

"売り上げ至上主義からの脱却"というサブタイトルが示すように、今では定着しつつある株価・株主重視経営、キャッシュフロー・マネジメントを読み物風に解説しています。著者はNRIの方です。現在は『入門「戦略財務」経営』というタイトルで出版されています。
経営財務入門
井手 正介/高橋 文郎

全体的に分量もカバーしている内容もよくバランスしており、コーポレート・ファイナンスの入門書としてお勧めしたい一冊です。ちなみに、現在は、『経営財務入門』と改題されています。
株主価値創造革命 日本企業再生のキーポイント
井手 正介/高橋 文郎

ベストセラー『企業財務入門』のNRIコンビによる。これまでの日本企業の経営財務の問題の分析と今後のあり方については、今では目新しさはないものの鋭い眼差しで解説しています。
証券投資入門
井手 正介/高橋 文郎

企業評価入門
大倉雄次郎

資金4表の完全理解と実践応用 資金運用表、資金繰表、資金移動表、キャッシュフロー計算書
平井謙一

入門の金融 投資信託のしくみ 見る・読む・わかる
大島和隆

投資信託の仕組を平易な言葉で説明しています。著者は「さくら日本株オープン」のファンド・マネージャーとして有名ですが、この手の書籍にありがちな"こうすれば儲かる"的な記述ももなく、投信の基礎知識だけでなくリスク全般や個人資産のポートフォリオの考え方についても触れているので参考になります。
ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
バートン マルキール(著)/井手正介(訳)

効率的市場仮説に基づいて、インデックス・ファンドの有効性を説いています。証券市場の慣行や税制面で日米の違いがあるので、そのまま通用するかは別として、これから証券投資される方には是非お勧めしたい一冊。
ピーター・リンチの株で勝つ アマの知恵でプロを出し抜け
ピーター リンチ/ジョン ロスチャイルド(著),三原淳雄/土屋安衛(訳)

伝説的ファンドマネージャーの投資哲学が満載の一冊。ただ、何一つ目新しく奇抜なことは書かれておらず、一貫して<長期投資>あるいは<ファンダメンタル重視>の姿勢が重要なことを痛感させてくれる。
外国為替金融の基礎
山口雅仁

著者は旧東銀(?)の外為畑出身。もう十年も前の出版なので、オプションなどのデリバティブに関する記述はなかった気がしますが、一般企業の財務で必要な知識は網羅してるのでは。入社当時は本書と住友の外国課の研修テキストをよく参照した覚えがあります。
為替リスク対策のすべて
山口雅仁

実践 資金繰りの実務
平井謙一

CF計算書云々と世間では騒いでいますが、本書で資金繰り表、資金運用表、資金移動表の考え方や作成法をマスターしていれば、怖いものなし(かな?)。かなり丁寧に解説してて親切設計なのですが、やや図表が見づらいのと初版では誤植が目立ったのが玉に傷かも。
コーポレート・ファイナンス 第6版 <上>
リチャード・ブリーリー/スチュワート・マイヤーズ(著)藤井眞理子/国枝繁樹(訳)

コーポレート・ファイナンス 第6版 <下>
リチャード・ブリーリー/スチュワート・マイヤーズ(著)藤井眞理子/国枝繁樹(訳)

金融政策の話
黒田晁生

マネーサプライや金融政策の観点から中央銀行たる日銀の役割を平易に解説しています。指標としてのマネーサプライの有用性について議論のある昨今ですが、金融政策の入門書として最適です。
格付けの知識
日本格付投資情報センター(編)

意外と混同されがちなのですが、格付けは企業の実力や企業価値を測定するものではなく、社債などの債務弁済能力の評価なので、大きなリスクテイキングしている成長産業よりも安定企業・健全経営の企業の評価の方が高くなります。そんな格付けの基礎知識が本書でよく分かります。
短期金融市場の知識
後藤新一

コール、CP、NCD、手形売買、債券現先、TB、FBなどインターバンク市場を中心とした短期金融市場について解説。短期金融市場の解説書としては最適です。
企業ファイナンス入門
渡辺祐吉

企業ファイナンスについて一般的な資金調達、資金運用、リスク管理の概要について解説しています。入門書として及第点はクリアしていますが、エクイティー・ファイナンスやファイナンスのグローバル化など最近の動向のフォローが必要ですね。
財務管理の知識
国弘員人

大学教授による財務管理の教科書といったところか。教科書なら新書サイズじゃ不充分だし記述も不親切だし、内容がちょっと古いっすね。
資金繰りの手ほどき
細野康弘

会計士による一昔前の資金繰りの解説書といった感じ。用語の解説書としてはよいが、内容が古いのと記述が形式的なのが難点ですね。
売掛金管理の手引
島田勝弘(著)

売掛金管理というと、債権保全や与信管理について法律的観点から書かれた本が殆どですが、本書は「なぜ管理が重要なのか?」、「どうして滞留するのか?」、「適切に管理するためにはどのような手法で管理したらよいか?」について会計的な観点を交えた記述が中心になっています。本書で紹介されている手法はやや時代遅れの感も否めないが、実務で使われる用語などはきちんと説明されており、営業会計や経理関係のビギナーの方のみならず営業担当者にも是非読んでもらいたい一冊です。
キャッシュフロー計算書の見方・作り方
岩崎彰

☆今年度より開示が義務付けられた「キャッシュフロー計算書」。その作成実務上のポイントから主な分析の手法までをやさしく解説。注目集める「キャッシュフローを高める経営」についても基本的な考え方を提示する。
企業財務
仁科一彦

いわゆる企業財務の理論面に関する教科書。ちょっと内容は古く、新書としての性格上説明の記述が不親切かな。内容に難解な個所もあり、どちらかというと中・上級者向け。
日本の金融政策
鈴木淑夫

金融入門
岩田規久男

企業分析シナリオ
西山茂

定性分析により分析のシナリオを方向付け、それに基づいた定量的な財務分析を理解するのに最適な一冊です。東大出版会の「企業分析入門」を読む前の基礎知識として、あるいは読破に挫折した方への理解の一助としてお薦めです。
財務管理の知識
國弘員人

大学教授による財務管理の教科書をコンパクトにしたというところか。教科書なら新書サイズじゃ不充分だし、記述も不親切だし、内容がちょっと古いが、伝統的な財務分析の手法についてはしっかり説明されています。
最強CFO列伝
井手正介

第一部は、CFOが重要視されていく背景について触れ、続く第二部で10章にわたって米国の有名企業のCFOの活躍を紹介しています。各社の有名CFOがどのような成果を残したかを知るにはお手軽&コンパクトな一冊です。ただ、取り上げたCFOの数や頁数の関係上、表面的な伝記だけにとどまってしまったのは仕方ないとして、第三部で他書でも見かける自説をここでも展開しています。この部分ははっきり言って冗長ですし、本書の流れからも不自然なので、もっと第二部を詳述するか、頁数を減らして値段を安くするかして欲しかったと思います。
会計トリックはこう見抜け
ハワード・シリット(著),菊田良治(訳) (日経BP社)

原書がMorningstar社のPat Dorsey氏のコラムで推薦された直後の昨年に第二版が出て、その後にタイミングよく翻訳されたので、購入して読んでみました。
著者は米国の独立系財務調査機関であるCFRA(Center for Financial Research & Analysis)の所長。同機関は財務分析などから粉飾決算の懸念ある事象を警告・指摘し機関投資家に情報提供しているおり、本書ではそんな実務経験から会計上、粉飾が行われやすいケースを類型化して、それが活用された過去の事例を紹介しています。あくまでも内容が米国での企業会計についての記述なので、日本と異なっている点などもありますが、"粉飾するにはどういう手口が使われるか"という点では共通する部分が多く、"企業会計はどうあるべきか"を考えるのに大変に参考になります。会計を一通り学んだ方で、株式や債券を通じて企業に投資されている方には是非お奨めしたいです。
ただ、問題はむしろ翻訳。不自然な用語、表現、言いまわしが目立ち、原書の方を読んでいないので断言できませんが、誤訳らしき箇所も見受けられました。訳者も恐らくこの分野に詳しくない方でしょうし、大勢の解釈には影響ないのでしょうが、書いてある内容が素晴らしいだけに改善を切望します。
リアル・オプション―経営戦略の新しいアプローチ
マーサ・アムラム、ナリン・クラティラカ(著)