会計・経理 〜 米国会計・国際会計 |
米国会計、国際会計 |
米国会計、国際会計 | |||
アメリカの会計原則(2005年版) 中央青山監査法人(編) 青山系から99年版を最後に出版されていた本書が2003年版から久々に復活しました。ボリュームも従来と比較して増量となっているだけでなく、今までは説明が手薄だった部分も含めて、内容的にも充実しています。ソフトカバーなので、持ち歩いてもよし、机上に置いて参考書とするもよし、US会計に関係する方には必携の一書です。 |
英文財務諸表の実務 朝日監査法人、アーサーアンダーセン(編) 以前は『アメリカの会計原則』がコンパクトだったので、そちらを活用していたのですが、99年度版以降改定していないので、本書を使用しています。米国会計ベースの決算処理や財務諸表作成実務に役立ってますね。 |
入門・英文会計(上) 小島義輝 (著) US会計の簿記と財務会計論との分野を上巻ではバランスシートの資産項目を中心に解説しています。新書サイズながらも、比較的細かい点などに触れられており、用語が豊富に掲載されています。ただ、これらの用例が実務上必ずしも一般的とは限らない点は要注意です。また、7の投資資産、8のタイム・ヴァリューでの「著者の米国会計への思い入れの強さ」と「あまりにも唐突な比喩」への暴走に賛否が分かれるところかな? |
入門・英文会計(下) 小島義輝 (著) 下巻ではバランスシートの負債・資本の項目を中心に解説しています。上巻にも増して著者の思い入れが強く出ています。極端な米国会計支持者かと思えば、比較的折衷的な方法論も支持したりしていますので、米国会計の理論的な支持者というより、むしろ米国会計の運営論まで含めた熱狂的な信者という感じがしますね。限られた紙面を最大限に活用して、具体的な設例によりイメージしやすくしている努力は買いますが、ちょっと見づらいですし、説明も舌足らずな印象です。 |
国際会計基準の知識 西川郁生(著) ☆国際会計基準は、各国企業間で財務情報が比較できることを目指した統一基準。連結決算やキャッシュフロー情報の開示など、日本企業にも多くの影響が生じている。本書は、考え方から具体的な項目まで網羅的に解説。 |
会計トリックはこう見抜け ハワード・シリット(著),菊田良治(訳) (日経BP社) 原書がMorningstar社のPat Dorsey氏のコラムで推薦された直後の昨年に第二版が出て、その後にタイミングよく翻訳されたので、購入して読んでみました。 著者は米国の独立系財務調査機関であるCFRA(Center for Financial Research & Analysis)の所長。同機関は財務分析などから粉飾決算の懸念ある事象を警告・指摘し機関投資家に情報提供しているおり、本書ではそんな実務経験から会計上、粉飾が行われやすいケースを類型化して、それが活用された過去の事例を紹介しています。あくまでも内容が米国での企業会計についての記述なので、日本と異なっている点などもありますが、"粉飾するにはどういう手口が使われるか"という点では共通する部分が多く、"企業会計はどうあるべきか"を考えるのに大変に参考になります。会計を一通り学んだ方で、株式や債券を通じて企業に投資されている方には是非お奨めしたいです。 ただ、問題はむしろ翻訳。不自然な用語、表現、言いまわしが目立ち、原書の方を読んでいないので断言できませんが、誤訳らしき箇所も見受けられました。訳者も恐らくこの分野に詳しくない方でしょうし、大勢の解釈には影響ないのでしょうが、書いてある内容が素晴らしいだけに改善を切望します。 |