その2

 そんな川下りの途中で、山の上にちらっと重機が見えました。そこは残土が持ち込まれている所です。
 この残土の搬入場所は、どのような許可に基づいているのかが明確ではありません。
 随分昔に許可された事になっているようですが、どの程度の量の残土を、いつまでの期限で搬入が許されているかがあいまいなまま、次々と残土が運ばれて、今では川まで残土の山が張り出してきていました。
 その残土置き場の真下の川の場所に着くと、大きなコンクリートのかたまりが沢山転がっていました。いままで川を下っていてもこのような物は見かけませんでしたから、明らかに上流から流されてきた物ではありません。ここの残土置き場から投げ込まれた物でしょう。あまりの光景に参加者は愕然としました。

『これは大羽根橋の残土処分場よりも悪質だ。』
コンクリートの廃材は産業廃棄物です。明らかな不法投棄がなされていました。残土も大量に川に落とされているようです。

 後日、その残土置き場を確認に行きました。左の写真の車が停まっている広場も、かつては山の斜面でした。それがいつのまにか平らに埋め立てられています。

 手前の残土置き場の所からコンクリートを投棄した場所を見つけました。

 さらに川を下って行きます。時には川が細長い廊下のようになっている場所もありました。
 やがて高さが10メートルはあるかと思われる大きな滝に着きました。これは、とても今までのように下る事は出来そうにないので、いったん山を登って、滝をまいて歩く事にしました。最初は竹の繁った歩きにくい場所をかき分けて行きましたが、すぐに歩きやすい山道に遭遇しました。この山道を下ると無事に滝の下の川に辿り着きました。
 ここで軽い休憩をとります。ここからは川の状態も急な流れや滝もなく、穏やかな広くて浅い流れになりました。
 ここでシマドジョウを見つけました。人が近寄ると、スルスルと川底の砂の中に隠れてしまいます。今まで歩いてきて魚を見つけたのはこれが最初です。ここから下流は、大きさも様々な魚が沢山見つけられるようになりました。
 遂に県立の施設『芸術の家』の下に着きました。ここまで来るのに約2時間かかりました。ここを更に通過して、秋山川への合流地点を目指します。しかし、そこまでは距離はそれほど無いのですが、砂防ダムに行く手を阻まれてしまい、合流地点までは到達できませんでした。
 この砂防ダムには大量のゴミが溜っていました。川上川の魚たちは秋山川や相模湖から、このような砂防ダムを通過して入って来れるのでしょうか。

 再び芸術の家の下の場所に戻り、芸術の家まで山を登ります。午後1時、ここで今日の調査を終えました。