これから持続可能な地域社会を作っていこうと考えたら、どうしても、地域が、地域の力を使って仕事を作って行く能力も育てていかなければならなくなる。
逆に言えば、地域の「外の力」に頼って仕事をしていると、「外の力」が無くなったとたんに、地域は持続不可能になってしまう。巨大な企業を誘致した町や、公共事業や補助金に依存している町などは、今後の世の中の変化に、もろに影響を受ける。
「持続可能社会」なんて言葉を聞くと、省エネ省資源の自然と調和した穏やかな暮らしを思い浮かべるけれど、案外、なかなかの「実力主義社会」なのかもね。自ら事業を生み出す力・・・それも「成功する事業」を生み出す力が問われるのだから。
「成功する事業」と言ったって、お客を満足させる実力も必要なら、お客が何を求めているかの正確な情報収集と分析も必要なら、そんな事業を継続できるような人材の育成も必要だろう。
何より、(夢のない話に聞こえるかもしれないけれど)先立つものは金ですねぇ。どんなに、「私は事業を成功させる実力がある」と自負する人だって、事業を始める最初の一歩には、どうしてもまとまった金額が必要になりますよ。
トランジション藤野にもその傾向はありますが、持続可能社会を目指す人々は、「お金」に対して距離を置き、できればお金がなくても安心して暮らせる世の中を理想とする所がある。もちろん、理想は理想として、それは素晴らしいと思うし、最終的にはそんな世の中になるといいと私も思いますが。
ただ、「成功する事業」を正しく見極めて、そこにポンと投資する、人道的で博愛的で未来に理想があって利己的でない金融機関が、これから必要になるかもな。