2014

2月

2月2日(日)

雲間の光

 このところ春が来たかのように暖かい。それはそれで過ごしやすくて有難いのだけれど、こういう気持も身体も弛んだ時に風邪をひきやすいので用心しています。噂では、早くも杉花粉が飛び始めたとか。
 シーゲル堂は冬期休業を終えて、2月から営業を再開しました。今月の企画展は、藤野在住の陶芸家の青木勝さんと、青木さんが行っている陶芸教室の生徒さんによる作品展です。
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 プロの陶芸家の作品はもちろん良いものですが、そんなプロに習っている生徒さんの作品も、それぞれ個性があって楽しいですよ。それに値段は安いし。

 話はまったく変わるんですけどね、先日、久しぶりにコンビニで菓子パンを買ったら、ちょっと衝撃を受けた。まるで発泡スチロールで出来ているんじゃないか、と思うくらいパンが軽かったのです。
「これで100円以上するのかよ、ぼりやがって」
 よく、工場で作られる量産品は安価にお客に提供できる、と言われてますが、そんな思い込みが自分の中でガラガラと崩れました。 

 駅前の自然食品店「しみづ」で買ったパン。左のクロワッサンだって、スカスカではなくて、ちゃんと食べごたえがあります。

 また逆に、個人が丁寧に手づくりしたパンは高価になる、という思い込みも修正が必要だと思いましたね。左の写真のパンは、変な添加剤なんか使ってない良質なパンで、2つで370円ですけど、こっちの方がずっとお買得だと思いましたよ。
 たぶんなァ、コンビニとかで売られているパンには、株主に配当をする為の費用も、かなりの割合でそこに入っているに違いない。

 ちょっと、認識を改めるべきだと思いましたね。必ずしも、大企業が、大規模な設備を使って、大量に製品を作る方が安価に商品を提供できるとは、限らないらしい。
 逆に、個人が地道に作る方が、組織や設備の規模が身軽なぶん、余計な出費が無くて楽にできるかもしれない。

 まあ、業種にもよると思いますけどね。

 このところ、こんなふうに認識を改めるような「分水嶺」を越える事がよくある。最近になって、そんな分水嶺を越えたなと思ったものの一つに、「地元の力をもり立てて地域起こし・町起こしをするようになったな」というのがあります。

 「そんなの、昔からでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、少し前までは、そんな考え方よりも、「都会から大企業を誘致しよう」とか「高速道路や新幹線を誘致しよう」とか、「外から」何かをもってくるという考え方の方が、圧倒的に主流だったんですよ。

 それがどうやら、地域起こし・町起こしの手法として、「地元が本来持っていた潜在能力をどうやって発揮させて、それを育てていくか」の方が主流になったように見える。新聞や雑誌、ネットの情報でよく目にする話では、この手の話題の方が賑やかになった。

オオイヌフグリ

 もう一つ。これはまだ分水嶺を越えていないけれど、あと数年先には越えるかな、という話。東京都の知事選挙に出馬したある候補を、批評し、応援している文章がなかなか面白かった。

正直過ぎる家入さんは他候補者の凄さを無効化する
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 私はこの候補に特に思い入れもないし、応援しているわけでもないし、第一、私は東京都民でもないけれど、ここで述べられている事・・・「これからの行政は、リーダーの命令に都民が従う形ではなく、リーダーと都民が上下関係ではなく、一緒になって形作っていく」・・・は、今後の考え方の基準の一つになると思っています。

 この文章に補足を加えるとしたら、こんな新しいタイプのリーダー像に必用とされる資質とは何か、という事でしょうか。私が一つ加えるなら、それは「いばらない人」でしょうね。

 こういうリーダー像を前面に押し出す考え方が出てきたのは興味深い。

峠にて

 それにしてもなぁ、このところ時代を前に進めるような人々が、次々と世の中の表に出てきている。もちろん、それとは逆の、時代を後退させるタイプの人も次々と出てくるのだけど、こっちは自滅的に恥をかいて立場を失う場合がほとんどだ。

 やはり、今の世の中は、いよいよ21世紀的な方向に脱皮しつつあるな。そんな事を考えます。

2月9日(日)

牧馬の雪(2月9日)

 2月8日は朝から雪が降り続け、事前に気象庁が警戒を呼びかけていた通りに大雪になった。牧馬でも積雪は60センチを越えたし、この「60センチ」も、道路のような平坦な場所での深さなので、風向きなどで雪が溜りやすい所は、もっと積っているだろう。こんな雪はフジノでは滅多にあるわけではない。

 15〜6年ほど前だったか、大雪が降った事がある。このサイトで牧馬の事を簡単に紹介したページの4ページに、その時の写真が小さく写っている。自動販売機が雪に埋もれている写真がそれだ。
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 この時の積雪は50センチ程度だったけど、今回の雪はそれよりも深く積りましたね。ここまで積っちゃうと、車だってタイヤにチェーンを付けても走れない。走行中に自走が不可能になって立ち往生した車も多い事だろう。
 車だけではない。鉄道も運休が相次いだ。こんなありさまじゃあね。

【ネットで話題】全国的に大雪 中央本線・藤野駅のホームが(ー_ー)!!
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 この土地には珍しい大量の積雪の為か、今回は除雪作業が遅れているようだ。そりゃあ、いつもの雪の何倍もの時間がかかるだろう。たいがい、牧馬でも雪がやんだ翌朝、もしくは夜の内にも除雪の作業車が来てくれるけど、今回は朝どころか夜になっても除雪車は来ない。あちこちで手こずっているのだろう。
 月曜日の小学校は、早々に休校が決まったそうな。

これより以下3枚は2月5日の雪景色

 この大雪の前、2月4日の夜にも雪が降った。これはまあ、簡単に解ける淡雪でした。除雪車も2月4日の夜の内に牧馬に来たっけ。
 ホントはねー、大雪の写真をもっと撮りたかったんだけど、車は動けないし、道路に60センチの雪が積っていると、長靴を履いても長靴の中に雪がどんどん入ってきて長靴の用をなさないし、結局、丸一日家の中に引きこもる事になる。家の中に食料が無かったら、買い物に出る事も出来ず、ひもじい思いをしなければならなかったかな。

 こんな雪を見るといつも思うんだけど、この雪を夏まで保存して、暑い盛りに道路とかに撒いたら、さぞ涼しかろう・・・と。
 雪国では既にけっこうやっているみたいですね。冬の間に雪を集めて保管して、夏の冷房に使ったり冷蔵庫に使ったり。

ランニングコスト“0ゼロ”の冷蔵施設、雪室を見学した
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 雪による冷房は、エアコンの冷房と違って湿度があるので乾燥し過ぎず、野菜の保存には適しているとのこと。ただ、湿度が逆に、カビの発生を招く場合もあると記事に書いてある。単に雪を使えば良いという簡単な話では無く、いろいろノウハウもあるのだろう。

 あー、話は逆になるけど、夏のクソ暑い空気を保存して、冬の暖房に使えませんかねぇ。

牧馬谷

 「家庭での省エネ」と言うと、多くの人々が真っ先に冷房の事を考える。確かに、節電の呼び掛けがある時と言うのは、決まって夏場の冷房を特に使う午後を対象にしているから、そんなイメージが定着しやすいのだろう。
 ただ、電気だけでなく、石油やガスも含めたエネルギーの総量を考えると、実態はかなりそんなイメージとは離れている。以下のPDFは埼玉県が作ったものだけど。

エコリフォームのすすめ
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 このPDFの3ページ目の「省エネルギー化のポイント」のグラフが興味深い。埼玉県における戸建て住宅世帯あたりのエネルギー消費量の割合(2005年度)を見ると、住宅で使われるエネルギーの内、冷房に使われる割合は2.4パーセント。それに比べると暖房は26.1パーセントで冷房の10倍以上で遥かに多い。

 いや、暖房だけではない。給湯には33パーセント使われているし、厨房でも9.6パーセント使われている。厨房で使われるエネルギーは大半が煮炊きだろうから、家庭で使われるエネルギーの約3分の2(暖房と給湯と厨房を合計した数字)は、熱を「作る」目的で使用されている。

 たぶん、これからの家庭での省エネルギー技術の本丸は、どうやってエネルギーを使わずに熱を「作る」かに、かかってくるんだろうな。

相模湖

 冬でも日照に恵まれた関東地方なら、暖房や給湯に太陽熱をもっと有効に活用して、エネルギーの使用量を減らす事は可能だろう。既にそういう設備はあるし販売もされているけど、より進化させて、晴れた日なら夜間でも暖房や給湯にエネルギーを使わなくてもいいくらいになって欲しいなァ。

 調理の省エネでは最近、おもしろい記事を見かけた。

“おばあちゃんの料理法”が、キッチンを、生き方を、世界を変える!?
南アフリカ発「Wonderbag」革命
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 保温調理用の布製のバッグだけど、私が記事を読んで一番感じたのは、日本だろうがアフリカだろうが、省エネの為の知恵って、省エネだけでは終わらないんですね。
 こういう知恵が開花すると、省エネはもちろん、環境保護や貧困問題にも効果はあるし、無駄な労力が省ける分、健康の回復と余暇の増大にもつながる。

 記事では、このバッグを思いついたきっかけが4ヶ月に渡る停電だったそうだけど、エネルギーが有り余っている時には、こういう知恵は思いつかないのかもね。困った時ほど、人間はアタマを使いざるを得なくなるのだろう。

2月16日(日)

牧馬の雪(2月15日早朝)

 前回の日記で2月8日の雪が牧馬でも60センチも積った事を書いたけど、それを遥かに超える雪が2月14日に降った。気象庁も観測史上最高と言う降り方で、牧馬でも1メートルに達した。こんな雪は、地元の古老でも体験していないとか。

 始めの雪(2月8日)だって、この土地では大変な雪で、除雪作業もいつもの何倍も時間がかかるのか、雪がやんだ翌日(2月9日)には、とうとう牧馬には除雪車が来なかった。来たのは更に翌日のお昼になってからである。なので9日は車で移動する事も出来ず、丸一日、家で閉じこもっている事になったが。
 今にして思えば、この時の雪は、まだマシだったのだ。

 2月14日の雪は朝から降り始め、始めは天気予報も「この雪は後になって雨に変わるので、それほど積らない」と言ってたので、私としてもナメてかかっていた。しかし予想に反して雨にはならずに雪は降り続け、夕方になると、あちこちの道路で走行不能になった車が立往生するようになった。私自身、帰宅がもう少し遅かったら家に帰れなかった。チェーンを巻いていても、積雪に車が乗り上げてしまうような雪になっていたのである。

 車だけではない。鉄道の中央本線も架線が雪で数カ所で寸断され、列車に閉じ込められたお客さんは一晩を暖房も切れた電車で過ごし、ようやく朝になって藤野や相模湖の旧役場に避難したとか。
(そのあたりの顛末はこのまとめサイトで雰囲気が伝わります)

 この雪、結局は雨にならず、牧馬では15日の9時半頃に止んだ。

軽のワンボックス車がこんなかんじ

 当初は珍しさもあって楽しい感じの雪景色だったが、各地での事情が判るにつれて笑い事ではなくなってきた。家の屋根や、車庫の屋根が雪の重みで壊れた所も多く、もはや災害と言ってもいいレベル。農家のビニールハウスの被害だって相当なものだろう。雪国と違って、ここ藤野は1メートルの積雪に対応した建物の作り方はしていない。雪が解けて一段落したら、もっと明瞭に被害状況が判ってくるだろう。
 これはお隣の山梨県の状況だけど、まあフジノも山梨県みたいなものだけどな。

 お年寄りの一人暮らしの家なども心配だ。こんな雪のつもり方をすると、隣の家に行くのも大変な労力がかかる・・・というか、山里の一軒家に住んでいるようなお年寄りの場合、この雪をかき分けて家まで行くのは、スキー板やかんじきでも持っているならともかく、不可能に近い。
 こんな状態で救急車を必用とするような急病人が出たらと思うと、ちょっと怖い。病気で人工透析を必用としている人だって、何日間も外出できなくなると話は深刻になってくる。

 案外のんきなのが、市がやっている「ひばり放送」という防災放送で、「雪で交通が混乱しているので不要不急の外出は控えて下さい」と言ってやがる。クソたれめ、不要不急の外出なんて、したくても出来ないんだよ。
 なんでも、相模原市全体に呼び掛ける放送だから、こんなトンチンカンな放送になるのだそうな。こういう時は、藤野地区限定の放送とか、そういう実際に住民が必用としている情報を流して欲しい。例えば、今現在、除雪車がどの位置で作業をしていて、除雪が終わった道はどこか、とか。

まるで雪国の景色だな

 この雪では停電もあった。牧馬の停電は15日の夜の2時間程度だったけど、牧馬の隣の篠原では、ずいぶん長く停電が続いている。雪で交通が滞り物流も機能しないため、お店から商品、特に食料品が消える所もあるようだ。
 この雰囲気、やはり2011年3月11日以降の、計画停電が行われた頃を思い出させる。そういえばあの震災から、そろそろまる3年経つんですね。

 16日は晴天になり、雨樋からは解けた雪がコロコロと流れる音が響いていた。確かに被害も大きい雪だったが、あの震災の被災者の味わった苦労に比べれば、いずれは解けて消えていく程度の出来事なのだろう。牧馬は今日も(16日)とうとう除雪車は来なかったが、そりゃあ100年に一度あるかどうかの大雪なんだから、ハラを据えて悠然と構えるしかない。幸い、牧馬は電気は通じているし、ガスも水道も使える。食料の備蓄があれば、それほど慌てる必用はない。

 こういう豪雪になると、鹿の餓死が多発すると言う。鹿という生き物は案外、雪に弱く、豪雪にあうと身動きがとれなくなって死んでしまうとか。その地域の鹿の数を決める要因の一つに、雪の深さが大きく関わっているとか。
 これが、最近の温暖化傾向で雪が少なくなると、その土地で鹿が増加し、さらには増え過ぎて困る事態にもなるそうな。丹沢で鹿が増えて、山林を食い荒らして荒廃させる原因の一つとして、積雪の減少があると聞いた事がある。

晴天の日(16日)

 先日、知り合いから「当たったね」と言われた。何の事かと思ったら、以前この日記で書いた内容を、先週の都知事選と連想したのだとか。その時(12月の始め頃)、私はこんな事を書いた。
「来年の春、いやそれよりも早く、いろいろ動きが出てくると思うのですが、ちゃんと大義が担えるような組織が出来上がるまでには、時間が少な過ぎる。」
 あ−、こんな事を書いていたか、自分でもすっかり忘れてた。もちろん、その時は勝手にでまかせ半分の事を書いていたのですが。

「で、この選挙の結果の、君の印象は?」と聞かれて、「まあ、混戦ですね」と答えておきました。結果は与党候補の圧勝に見えて、実際は脱原発候補者の2名が一本化して、大雪に降られずに投票率がもっと上がっていたら、結果は判らなかった。
 それに、どうも与党候補が「ひたすら防戦」に見えて、それを攻める候補者達と、その支援者達には、「いろいろと、今までにない事を始めたなあ」と、面白い人々が多かった。やはり老木と若芽の対比の構図がありましたね。

 ただなァ、前にも書きましたが、私が考える最大の東京の課題は、どうやって東京を「小さくする」かにあると思っています。次の文明の形は、東京のような「大都市」を必用としないテクノロジーから開花すると思っているので、もしここで東京を小さくする技術を成功できたら、それは世界に通用する技術になると考えているのですが。

 たぶん、それは無理でしょう。大都市を必用としないテクノロジーは、やはり東京のような大都市からではなく、辺境の田舎から開花するのでしょうね。

2月23日(日)

牧馬の除雪(2月18日)

 大雪が降り始めたのは14日の午前から。雪が止んだのは15日の9時半頃。それからただちに除雪作業は始まったと思うけど、牧馬の私の家の所に除雪車が到達したのは18日の11時半頃。丸まる三日間、家から出られない日々を過ごした事になる。
 もっとも、これは牧馬の集落でも県道沿いの家に限った話で、県道から市道へと枝分かれして入った所にある家は更に除雪が遅れ、最後の家に除雪車が到達したのは20日の夕方のこと。この家の住人は約一週間、家から出られなかった事になる。
 それにこれは、牧馬の家々に道が通じただけで、牧馬峠の除雪が終了して県道が通れるようになったのは21日の夕方。

 強調しておくけど、これは決して除雪作業に不手際があったわけではない。それほど、この土地にとっては信じられないほどの、けた外れの大雪だったので、それだけ時間もかかってしまった。国道20号線の大垂水峠などは(東京都と神奈川県の県境の峠)、これほど重要な道路にも関わらず、すれ違いもできないような一車線だけ除雪した状態が何日も続き、二車線とも雪が消えたのは19日になってから。国道20号線では他にも、除雪が終わった道路に、改めて雪崩が落ちてきて通行止めになった箇所もある。

「確かに凄い雪なのだから、車が普通に走るようにするには時間がかかるのは判る。ならば、とりあえず仕上げが悪くてもかまわないから、人が歩けるだけの道だけでも、もしくは救急車が入って来れるだけの道だけでも急いで作ってくれないものか。」
 私はそんなふうに思っていたけど、どうやら実際にそういう事もしていたらしい。道によっては、一車線しか除雪していない所もある。(所々に、車がすれ違えるような膨らみを作ってある)
 こういう道も、これから追々、もっときちんとした除雪を行っていくのだろう。

一車線だけ除雪した道
(この道は2月21日に再び作業が入り、2車線とも除雪された)

 二車線ぶんの除雪を完了した道も、実は道路の両脇に雪を寄せているので「ぎりぎり二車線」だったりする。そうなると、大型車どうしのすれ違いが出来なくて、そこから渋滞が発生する。
 また、道路脇の歩道が、道路の除雪で捨てられた雪の置き場になってしまい、道を歩く人は車道の脇を、車に怯えながら危なっかしく歩くしかなく危険だ。
 道路の環境が元に戻るのには、まだだいぶ時間がかかりそうだ。藤野の綱子へ通じるトンネルの入口が雪崩で塞がれた箇所は、復旧に時間がかかりそうだという話を聞いた。道路の事情がこんなだとバスの運行が出来ず、従って小中学校も始める事が出来ず、だらだらと休校が続いた。藤野の北部の地域では道路の除雪が追いつかず、孤立した世帯に向けて山岳救助隊が支援に回ったとか。

 これはもう、ただの大雪ではない。フジノでもちょっとした災害レベルだろうし、山梨県では明らかに災害だ。集中豪雨ならぬ「集中豪雪」といった言葉でも使った方がいいんじゃないか。実は牧馬でも雪で破損した家や倉庫がある。さすがに写真にとって、ここで掲載するわけにもいかないけど。

 こんな大雪で、いろいろ思った事がある。一つは、災害の備えと言っても限度があるにせよ、「せめて食料の備蓄くらいはしておくべきだ」という事。個人的には、あの震災以降、一週間分くらいの備蓄は心掛けてきたけど、正直、そんな心掛けがこんな形で役に立つとは思ってなかった。
 あとなァ、贅沢な話かもしれないけど、食料の備蓄に「嗜好品」も加えておくべきだと思いましたね。雪で閉じ込められた時、紅茶が無くなったのは、ちょっと辛かった。まあ今なお苦しんでいる最中の山梨県の人が聞いたら、やっぱり「何を贅沢な」と怒られるかな。

 

牧馬峠
急坂で1車線だけの除雪なので、すれ違いも出来ず、けっこう怖い

 それから、エネルギー源の分散は有効だとも思った。今回も停電があったけど、自分が使っているストーブは電気を使わない昔ながらの対流式だったので問題なく使えたし、台所の火はプロパンガスなので、これも電気とは関係ない。土鍋があれば、電気炊飯器が停電で使えなくても、御飯はガスで炊けるだろう。
 日頃から、暖房や調理や風呂の給湯などに薪を使っている家は、更に心強かったかもしれない。もっとも今回の雪では「雪が深すぎて薪小屋まで薪を取りに行けない」という人もいたみたいだけど。

 あ、別に電気を嫌っているわけではない。「エネルギー源の分散が有効」という意味で、電気も重要なエネルギー源の一つであり続ける。あの震災の時は、ガソリンスタンドからガソリンが無くなり、「こんな時は電気自動車や、電動バイクの方が災害に強いかな」と思ったものだ。

 もう一つ、災害時の情報の確保の問題。前回の日記で市の防災放送のトンチンカンぶりについて少し書いたけど、それとは別に、非常に役にたって心強かったのはインターネット経由の情報だった。
 フジノ近辺で行われている地域通貨の仲間達が、日頃は「○○が欲しいんだけど、誰か持ってる?」とか「誰か車で●●まで送ってくれない?」といった情報のやりとりをしているメーリングリストが、「○○の道は除雪はしたけど渋滞中」とか「●●のお店は、もうほとんど食料品はないよ」とか「一度除雪した道に雪崩が発生して、再び通行止め」といった情報が頻繁にやりとりされた。
 また、フェイスブックのようなソーシャル・ネットワーキング・サービスやツイッターでの情報の共有も威力を発揮していた。

道志川(2月18日)

 長野県の佐久市では、市長がツイッターを使って住民から情報を集め、また集約した情報を住民に拡散したりして、かなりの効果をあげたそうな。
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 同様な事が藤野でも出来なかったか。今は市民の多くが写真の撮影もできる携帯電話を持ち、撮った写真を日常的にネット上にアップしている。この現場に密接した情報網を、災害時に使わない手はない。
 問題は、こういったインターネット経由の情報に馴染みが少ない高齢者たちに、どうやって、このような情報を共有できるかだけど、これは自治会の組織の出番になるかな。

 あとなぁ、こういう災害時には、藤野の旧役場とかに、臨時で対策本部でも設置すべきだったように思う。藤野の地理、地形、道路網、どこにどういう人が住んでいるかについて熟知している人が、現場に近い所で指揮をとらないと、まともな対策が進まないまま時間だけが過ぎてしまう。特に、こんな記事を見ちゃうとねえ。

大雪被害、県内農畜産被害は5億円超に拡大
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 あまりキツイ事は言いたくないが、この記事に出てくる市の職員は、危機的な状況に対して、何ら有効な手段は持ち合わせていなかった。まあ、そういう制度の中でしか動けないのだから仕方がないのかもしれないが、今後の課題だろう。

 ついでに書くけど、記事に出てくる相模原市の「自主防災組織」だけど、相模原市の他の地域の事は判らないが、藤野の山間地では、名前はあっても実は無い。今回の大雪で自主防災組織が、文字通り自主的に機能した例は、恐らく藤野では無いと思う。
 藤野の「自主防災組織」を支えている人々は、みな真面目で誠実だが、この組織が実際的な効力を発揮するには、大幅な改良が必要だろう。