合併問題にまつわる日記

2月22日(水)

 このところ、天気はぐつつき気味。気象衛星の画像を見ても、まとまった雲の塊が、次々と日本列島を通り抜けていく。そういえば、典型的な冬型の気圧配置を最近は見かけなくなった。

 この頃の雨はみぞれが混じっていたり、たまに雪になったりで、雪と雨の間をふらふらしている。雨が上がると、山の上の所だけ雪が積って白くなっていた。
 ちょうど、あの辺りに、雪と雨の境界線があったのだろう。

 雨のお陰か、土がフカフカと柔らかくなってきました。フキノトウも、もうじき出てくるでしょう。

 相模原市の議会で、介護保険料が3割アップする事が決まったとか。介護保険料は、ただでさえ藤野町よりも相模原市の方が高い。
 藤野町も、これから2割ほど値上げするらしいが、格差は拡大するのだ。本当に相模原市と合併した方が手厚い福祉に恵まれるのだろうか。

 藤野町の合併推進派は、昨年夏の町長選挙の時には、さんざん合併バラ色未来論と、単独自立悲観論を展開した。
 合併すれば未来は安泰。合併しないとゴミの収集が来なくなる、消防や救急が来なくなる、財政は破綻する、といった具合に。
 でもゴミ収集や消防等の広域行政組合の問題は、昨年9月に市町村合併とは無関係に何の不安も無く解決している。

 驚いたのは、合併特例債の問題だ。合併する自治体に対する「アメ」として払われるこの特例債は、借金しても返済は3割で構わない、というシロモノだが・・・。
 どういうわけか、今の状況では92パーセントが「返済必要」になっていると、ある町議の配布したチラシを見て知った。

 当初の話では、223億の借金の内、67億返済して残りの156億は返済無用という話だったのが、205億返済する話になっている(返済無用は18億)。合併すれば、この借金も藤野町の町民は背負う事になる。

 何かここに来て、単独自立悲観論の根拠が杞憂だったり、合併バラ色未来論の方に、想定外の不安要素が顔を出している。
 大丈夫なのだろうか。

 もちろん、かと言って単独自立の方がバラ色になったわけでは無い。自立にせよ、合併にせよ、不安はつきまとう。しかし、これだけ当初の想定とは異なる合併像が浮かび上がっていながら、淡々粛々と合併へと進んでいったら、将来に禍根を残す事になるだろう。住民に対する裏切りと言ってもいい。

 将来、合併しても思うように行かず、やっぱり住民自らが立ち上がらなければならないな、と気付いた時に、町は一つになれるだろうか。
『お前は町を売った陣営じゃないか。』
 そんないがみ合いの種を作っているような気がしてならない。

2月26日(日)

 フキノトウが顔を出し始めた。少しずつ、新しい緑が野原に湧き始めている。
 以前、杉の木が倒れて、道の土台が崩れた所が補修されました(写真右)。補修まで、けっこうのんびりと時間が経ったなァ。崩れたのはいつの事だったか・・・。

 一見、土のうを積んだだけの補修工事に見えるけど・・・。これで大丈夫なのかな。
 まあ、交通量の少ない道ですが。

 今日は城山町で、相模原市との合併の賛否を問う住民投票が行われる。事前の予想では、合併賛成票の勝ちになるという。
 何しろ、先週の日曜日には、合併には慎重な姿勢の城山町の町長が、リコールされて解職になったのだ。

 町長解職に賛成 6760票
      反対 4893票

 この数字は、今日の住民投票にもそのまま反映されるだろう。そうなると城山町の相模原市への合併は決定する。

 3月2日には藤野町の議会で、相模原市との合併の議案が出される。藤野町の議会は、今でも、この相模原市との合併には賛成できない議員が多いそうだが、かといってこの議案に反対する雰囲気ではないそうだ。

 その原因は、昨年夏の町長選の結果、合併推進派が勝った事。それ以降、どんどん合併に向けて流れが決められてきた事。今ここで、議会で「合併反対」と意を唱えても町民の支持を期待できないと思っている事・・・などがあるそうな。

 相変わらず、藤野町の合併推進派の団体は、議会の度に大勢の人間を動員して傍聴に行ったり、議員に対して圧力をかけているらしい。議員のほうも、彼等を町の民意を代表していると思い込んでいるという。
(でも、平日の真っ昼間に議会の傍聴に欠かさず出席できる人たちと言うのは、一体どういう仕事や生活をしているのだろう。)
 何しろ、逆に『合併しないでくれ』と陳情したり、励ましたりする住民や団体がいないからだとか。こんな事なら、今からでも私が励ましに行こうかな。

『とにかく、真心から、この合併は将来的に藤野の住民の為にならないと言う信念が、おありなら、その気持ちを通して下さい。
 目の前に何百人の、「合併しろ」と威圧的に詰め寄る人間がいても、
「私は何時間、何十時間でも説明してやる。この合併はおかしい」
と言い切る勇気を持って下さい。』

 そう私は言いたい。でも、議員さんの自宅も判らない。自分としても、バカかもしれないが後悔したくない、何かしようと思う。

 今現在の、藤野町が合併に流れて行く大義名分が、だいぶ希薄になっている事に関しては、2月22日の日記を参照して下さい。
 3月下旬には、先に相模湖町と津久井町が相模原市と合併します。
 果たしてこの二つの町が、合併によって本当に幸福になれるのか。合併推進派が主張したような、
「役場の職員の数は維持される、福祉は向上する、町が無くなっても地域自治区が出来て、町民の意見がきちんと相模原市に反映される、等々」といった約束が果たされるのか、それとも、そう上手く行かないのか。
 実際に見てから藤野町は決断を下したほうが、失敗はなく合理的だと私は思うのですけどね。

2月28日(火)

 日曜日は大雨。谷川の水も一気に増水して、谷の底からは轟くような水音が響いてくる。
 大地も確実に目を覚ましたようで、野原のあちこちから若い葉っぱが出てきていた。

 左の写真はフキノトウ。2月26日のところで掲載した写真は芽が開いたものだけど、土の中から出たばかりの時には、こんなつぼみみたいな形をしています。

 2月も今日で終わり。今日は新月でもある。そういやあ、最近は月明かりを見ていないなァ。スイセンも肉厚な葉っぱと一緒につぼみを出してきました。

 先日の城山町での合併の是非を問う住民投票は、やはり合併推進派の勝利となった。とはいっても、投票率はなんと約52パーセント。50パーセントを切っていたら無効になり、住民投票の結果も公表されない事態になっていた。

 2月26日の日記で、「議員さんに会って、今からでも励ましに行こう」と書いたけど、その行動をする人たちに、私もついて行く事にしました。

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