下條村では、さまざまな行政のスリム化政策と平行して、ポイントを絞った行政施策を行い、おおきな実績をあげています。
職員の意識改革に取り組む
役場の業務が忙しい12月に、職員全員を交代でホームセンターでの研修にだし、民間企業の方が更に忙しいことを実感させる、など具体的です。新規雇用カット、係長制廃止、3保育所の統合など行政のスリム化を進め、人口当たりの職員割合が全国平均に比べて4割も少なくなっています。最大職員数59人を、現在38人に減員。
(うち保育士10名、保健士2名、県広域派遣2名。なお嘱託職員は22名)
合併処理浄化槽
汚水処理において、大部分の自治体が公共下水か農業集落排水を選んでいた時代に、下條村はコストの面を考えて平成2年より合併処理浄化槽事業を選択。その結果、公共下水で想定した事業費の約1/6に削減。汚水処理の人口普及率は全国で76%のところ、下條村は96%まで整備。
例えば、7人槽の場合、総費用691,000円のうち国庫補助、県補助を除いて村負担金を10万円嵩上げ、設置者負担金を180,000円に縮小し、普及の拡大に成功しています。合併処理浄化槽の問題点とされていた水質についても、これまで苦情は1度も上がっていないといいます。
全国的な汚水処理の種類別人口普及率は、公共下水が66%、合併処理浄化槽が8%、農業集落排水が2%。
建設資材支給事業
村道や農道の改良事業を、村は整備に必要な材料を支給するだけで、実際の施工は集落の住民が行います。
この事業は国庫補助を受けず、国からの関与は一切受けていません。国の関与を受けて行った場合とは、事業規模や周辺整備の違いがあり一概に比較はできないものの、結果として原材料費は1/8に抑えられ、集落の住民がすべての施工を行うため、人件費や舗装代は無料。総事業費では1/32になります。
若年層対策は手厚く
若者向けの安い村営住宅を平成2年から15年まで168戸建設。家賃は3万6千円。中学生までの医療費無料化を実施。これらの施策により、村の人口は平成2年に比べて300人以上増加、生涯出生率は1.97で県内第1位(全国平均出生率は1.36)、若年人口率が17.3%で県内第3位。人口減に悩んでいた平成4年の町長就任時からは見違えるような成果をあげています。
財政の健全化
最も厳しい前提条件に基づいて財政見通しを平成34年度まで試算。その状況下で行政運営できるよう徹底した財政の緊縮を行い、財政構造の長期安定性を示す「起債制限比率」が1.7%で県内1位(全国平均は8.7%)。また平成15年度の基金残高が22.9億円。当初予定より3.7億円多く、1人当りの基金残高は約55万円(全国平均は30万円)。
※起債制限比率:財政の中に占める、地方交付税措置されていない公債(純粋な借金)の割合。15%以上で警告、20%以上で一般単独事業債と厚生福祉施設事業債の発行停止、30%以上で一般事業債の発行が停止。
活性化への取り組み
村立図書館「あしたむらんど下條」の建設にともない、徹底した利便性の追究で県下第2位の利用率(17.0册/1人)を達成。ふるさと交流センター「うまいもの館」や、農産物加工施設の建設で地域の力を引き出しています。文化芸能交流センター「コスモホール」も、利用者の立場にたった運営によって年間利用者は約15,000人。そのほか、さまざまな活性化の取り組みがおこなわれ、地域に眠っている人材と力を豊かに引き出しています。
<下條村>
【人口】 4218人
【世帯数】 1264世帯
【面積】 37.66キロ平米
【H16年度当初予算】20億6700万円
【URL】http://www.vill-shimojo.jp/
|