PVEXPO2010・第3回国際太陽電池展 東京ビッグサイトで開催された、PVEXPO2010・第3回国際太陽電池展です。今年は凄いです。迫力がありました。太陽光発電に関連したメーカーが中心に昨年より約120社増え約570団体の出展がありました。
第1回国際二次電池展・FCEXPO2010 太陽光発電だけでなく、水素・燃料電池やバッテリーなども数多く出展されていました。屋根に太陽光発電パネルの設置が普及してきたこともあり、施工方法などを展示するコーナーが増えていました。
会場の様子1 昨年より約120社も出展数が増えたこともあり、会場がとても狭く感じました。全体の出展数が多かったので、1社あたりの出展コーナーが小さく、数多くの企業を見ることができてとても有意義でした。
会場の様子2 今年はアジアの海外メーカーの参加増が目立ちました。独自の形状や新しい発電方法の開発など応用のきいたものも出始め、日本メーカーに肉薄する勢いを感じます。ここまで見ると日本メーカーはもっと応用を利かせないといずれ価格競争で置いてきぼりになりそうな気配です。
球状太陽電池(京セミさん) シリコンの発電する部分が一般的な平面状ではなく、球面状の粒が並んで形成されている太陽電池です。太陽光を受ける部分が球面状である為、光の入射角を心配することなくあらゆる方向の光をキャッチできるのが特徴の斬新な製品です。
バルコニーのテスリ部分のガラスに太陽電池を内臓した製品が以前出展されていましたが、太陽光の入射角をどうにか克服できないかと思っていたところ、早速解決できそうなものが現れました。垂直部分への設置の可能性が膨らんできました。また粒状の太陽電池が間隔を空けて並んでいるので光をよく透し圧迫感も軽減されています。
円筒形太陽光発電装置(Osolarさん) 円筒形の太陽電池が並んでいる発電装置です。こちらもシリコン部分が円形なので光の入射角の制限を受けにくい製品です。さらにシルバーの膜を敷き詰めたところへ設置することにより照り返しの光もキャッチでき、発電効率を高めているのが特徴です。
置くだけでよいので平らな陸屋根への設置が容易ですが、固定方法も検討が必要と思われます。
ゲルマニウム式太陽光発電システム(Yunnan Lincang・・・さん) 発電する部分の材料がシリコンではなく、ゲルマニウムを使用している発電装置です。中国で埋蔵量が豊富なゲルマニウムを使用することによりコストダウンにも挑戦しているようです。
通常使用されているシリコンより発電効率が低い為、レンズを利用した集光パネルを取り付けて工夫しています。
シート状発電装置の壁面設置案(習志野化工さん) シート状の太陽電池を建物の外壁に設置したものです。ようやく外壁利用が動いてきました。シート状の太陽電池は軽量で建物の構造的負担が軽微なので期待大です。多くのメーカーの参入を待ち望んでいます。
写真は既存の壁製品を改良して太陽電池を貼り付けた製品です。両側の溝にシートを差し込めるようにできているので、取替え後もきれいに施工できます。
シート状発電装置の防水組込み例(田島ルーフィングさん) シート防水と一体に施工した太陽電池です。屋上等の防水によく使用されるシート防水の施工時にシート状の太陽電池を貼り付け一体化しているのが特徴です。
防水の取替えや新設時に太陽電池を組み込んで施工してしまえば、邪魔な出っ張りもなくすっきりします。従来のガラス型太陽電池の設置にくらべ簡単に施工できるので、発電効率は約半分ですがローコストで設置できます。
シート状発電装置の屋根設置工法(田辺工業さん) シート状の太陽電池を既存の斜め屋根に設置する工法です。従来から斜め屋根にガラス型の太陽電池パネルが乗っていますが、ようやく軽量なシート状太陽電池を設置する工法が出てきました。
なにより軽量なことがいいところです。今後はより多くの屋根タイプに設置できる工法ができることを期待します。
太陽光発電パネルのデザイン化(エス・イー・テクノさん) 太陽電池の発電面にデザイン画や文字を印刷したものです。発電パネルに様々な形や文字等を印刷するすることで使い方の巾が増えてくるので面白いです。
製造過程でデザインを施すので画の部分も発電するのが特徴です。遊び心をくすぐりますね。
全方位型風力発電システム(ゼナシステムさん) こちらは新しい風力発電システムの模型です。塔状の壁面に風が入る扉が沢山ぶら下がっていて風が吹くと扉が塔の中に押され、戻る時に下へ風を送り込むことによりタービンを回して発電する仕組みです。
同じ高さのプロペラ式の風力発電機にくらべ、風を受ける面積が多いので発電効率が高いようです。八角形の塔なので全方位からの微風をとらえられるのが特徴です。風力発電に付きまとう風切り音害に対する検証が待たれます。