テキサスはダラスからやってきた男女混合24人編成の白装束（たまに赤装束）軍団、THE POLYPHONIC SPREE。
ぶっちゃけ見た目は怪しいですが、怖がることはありません。スカラー波がどうしたとかいう謎のカルト集団とは無関係です。
ドラム、ベース、ギター、キーボードの基本的ロックバンドの編成に加えて、ホーン、ストリングス、パーカッション、聖歌隊など、人力で盛り上げる、シンフォニック・ポップ・バンド、それがTHE POLYPHONIC SPREEです。
愛と希望と太陽をメインにした歌詞はどこまでもポジティヴ。
CDを聴いて危うく癒されそうになりますが、これがライヴだと、もう、大変な事になってます。
あの曲であの白装束で、のっけからグイグイ飛ばして全編ノリノリ！全員汗だく！

フロントマン、ティム・デローターを含む数人のメンバーは、以前TRIPPING DAISYというオルタナ系のバンドで活動していました。
そのオルタナ・ロック・バンドがサイケデリック・ポップな後期を迎え3rdアルバムから4thアルバムにかけて評価が上昇していた時期に悲劇はおこりました。
1999年、ギタリスト、ウェスリー・バーグレンのオヴァー・ドーズによる死。それによって、バンドは解散を決意。4thアルバムがリリースされる前の事でした。
そして、その半年後、失意にくれる夫を見かねて（？）妻のジュリー・ドイル（コーラス隊にいます）が、ライヴのスケジュールをブッキング。
ティムは慌てて、そのライヴまで2週間しかないところ、子供の時から温めていた構想を実現しようと思い立ったのです。
ティムは元々ディズニー等の明るいポップスが大好きで、いつかそういう楽しいミュージカルみたいなバンドをやりたいと思っていたそうです。
せっかくだから、それをやろう、と、友人知人をかき集め、シンフォニック・ポップ・バンド、THE POLYPHONIC SPREEの前身を作りました。
さらに、そのライヴを見聞きした何人かが「俺にも演らせろ」と、いつしか今のような形に。
そして、2000年10月、なんと3日間でレコーディングされたTHE POLYPHONIC SPREEのデビューアルバム「The Beginning Stage of.....」がインディーレーベルよりリリース。
白装束に関しては、ステージ上で大人数が思い思いの服装だったら、お客さんがそれを見てるうちにライヴが終わっちゃうから同じ服を着よう、ということになったそうです。
ちなみに、その衣装をデザインしているのはティムの義理のお母さん（ジュリーのお母さん）だそうです。

そして、その存在を知ったデヴィッド・ボウイが自分がオーガナイズするイベントに彼らを出演させると、本国アメリカよりも先にイギリスであれよあれよという間に人気者に。英NME誌も大絶賛で、事あるごとに彼らをフィーチャー。
その噂が飛び火して、日本でもようやく2003年6月にワーナーからアルバムがリリースされました。（遅いよ！オイ！）
そして、同年、サマーソニック03のため初来日。おまけにリキッド・ルームでもライヴパフォーマンスを披露したTHE POLYPHONIC SPREEは、日本のリスナーの心もわし掴み。
そのポップでエネルギッシュなパフォーマンスは、ここ日本でも、これからもっと注目されていく事でしょう。というか、ぜひとも注目してください！