皆さんこんにちは。このコーナーではラテンのリズムについていそぶ〜が知っている限りの極々基本的な話をしようと思います。ほんのちょっとラテンリズムについて知っているだけで音楽の楽しみ方がググッと広がりますよ。それでは始まり始まり。
ラテンといっても広うございます。ヨーロッパではフランス以南がラテンと呼ばれていますし、南北アメリカ大陸を見ますとメキシコから南がラテンということになっているようです。これらの国の音楽を総じてラテン音楽と呼ばれますが、それぞれ特有のスタイルがあり、これを一くくりに"ラテン音楽"と呼ぶのは大雑把過ぎます。このページでお話してゆくのは中南米のラテン音楽についてです。中南米も大きく分けると2つのリズムがあります。スペイン語圏の音楽とポルトガル語圏の音楽です(すごく大雑把)。
リズム構成の観点からみると、サルサ、ソンなど、"クラーベ"というリズムパターンをベースにしたスペイン語圏音楽とサンバでなどの2ビート、その中に細かく6連のリズムが入っているブラジル音楽です.スペイン語圏の中でもモザイク状にさまざまなスタイルがあり簡単に説明できるものではありませんが、(もっともいそぶ_はラテンの専門家ではないのでようわからん、)ここではキューバを出所とするリズムの基本、クラーベについてお話します.
クラーベというのはスペイン語。日本語にすると"鍵"だそうです。まさにリズムの鍵。ラテンリズムの扉を開ける鍵です。それでは鍵を回してラテンの世界に入っていきましょう!
とりあえず音を聞いてください。これがクラーベのリズムです。
いわゆる 2-3(ツースリー)と呼ばれているクラーベです。これを聴いただけで体が自然とリズムを取って踊りだすアナタは立派なラティーナ、ラティーノ。この2小節をひっくり返したのが、3-2(スリーツー)です。この感じ方の違いは後ほど説明します。
このリズムを拍子木のような2本の木の棒を叩いて作ります。
(注)ラテン音楽の記譜は通常2/2で書きます。つまりクラーベ1セットで2小節です.16ビートを主体する音楽スタイルでクラーベを記譜するとクラーベ1セットで 1小節となりますが、これですとネイティブなラテンのノリが伝わりません。ど・ラテンを記譜するときは2/2、これが基本です。
サルサなどのラテン音楽はこのクラーベを基に作られています.では標準的なサルサスタイルのバンドを例にとってリズム隊の楽器構成について説明しましょう。
これがクラーベ(キューバンスタイル)
おなじみのコンガです。
ボンゴです。
4. ティンバレス: 金属製の胴にドラムスと同じようなヘッドを張った楽器。大小2個のセットで使われます。ドラムスとは違い、皮は叩く面だけに張られます。これをスティックで叩きます。これにシンバル、バスドラム、カウベル、ウッドブロックなどをつけて演奏します。この楽器自体で強烈なクラーベを生み出します。普通にリズムを刻む場合、右手で高いほうの筒の金属部分を横から叩き(パイラ奏法と呼ばれます)、左手で、大きいほうの筒の皮を叩き、3拍目の頭にアクセントを入れます。ちょうどサンバで使われる大太鼓、スルドのリズムに似ています。曲の要所要所で絶妙なフィルインをいれて曲をドラマチックに盛り上げます。またソロがとても映える楽器で、1あるいは2コードぐらいのコード進行で延々とソロをとって盛り上げます。
ティンバレス
5. ベース:演奏するスタイルによって一般的なエレクトリックベースか、babybassがつかわれます。babyBassは非常にアタックの強いパーカッシブなサウンドでしかも音が太く、ラテン音楽には欠かせません。アンプで有名なAMPEGというメーカの物で1950_60年代に作られたもので、数年前までは中古市場しかなく、入手が非常に困難でした。最近はAMPEGから復刻版が発売されたり、AZOLAというメーカがレプリカを発売したりと、入手しやすくなりました。リズムを刻むときには"頭抜き"、"トゥンバオ"と呼ばれるパターンで演奏します。
これがBabyBassです。かっこいー!
上に挙げたリズム楽器はすべてクラーベの基本リズムとシンクロしています。それぞれの楽器がどのようにクラーベとかかわっているのかみてゆくことにしましょう。
ご注意:以下に示しますパターンは無数にあるパターンの本の一例にすぎません。これが全てというわけではありません。
ここでは解りやすい基本的なパターンを紹介しているにすぎません。
1.コンガ
コンガの基本パターンとクラーベを譜面にしてみました。

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ここでのポイントはクラーベの1コ目(★)、2コ目、3コ目(★)です。★でコンガのスラップアクセント、
★でコンガの低いオープンアクセントとクラーベのタイミングか合っています。
クラーベの"3"の3コ目とアクセントが一致しています。
3.ティンバレス
譜面上X印がパイラという胴の金属部分を叩く所、下段の四分及び二分音符が低い方の皮を叩く所です。
クラーベの"2"の1コ目及び2コ目、"3"の1コ目及び2コ目がティンバレスのアクセントと一致し、強力にクラーベの
リズムを叩き出します。
限られたGM音源の音色を使っているのでかなり不自然ですがニュアンスを読みとって下さい。
4.ベース
"3"の2つ目、3つ目でクラーベとベースのアクセントが一致しています。いわゆる”頭抜き”と呼ばれているパターンです。一拍目(頭)に音が無く前小節から食って入っているのでこう呼ばれています。
それではここで2−3クラーベによるラテンパーカッションのアンサンブルをお聴き下さい。
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これは私の主観的な感じ方なので違うという方もいらっしゃるかもしれませんが、、、、
"2"="静" 終止感、 文章で言うと"。(マル)"のような感じ。
"3"="動" 次に進もうとするエネルギーを持っている。
です。つまり
"2−3"は次へ進もうとするスピード感を感じるリズム。
"3−2"は落ち着きのあるひとまとまりのリズム。
ということが出来ると思います。
別の言い方をするとクラーベはリズムのトミナント・モーションと言えると考えています。
つまりキーをC(ハ長調)で考えますと、"3"はドミナントセブンスG7、"2"がトニックCmaj7の役割をしていると思うのです。ドミナントセブンスが"次へ進みたい、終わりたい"というエネルギーを持っているサウンド、トニックは終止感を表現するからです。
実際のラテンの曲ではこの二つのクラーベを曲想にあわせて使い分けています。また曲中にクラーベが逆転してリズムのカラーを変えることがあります。この場合、例えば3−2から2−3への移行の場合、一小節半端な小節を入れてリズムをひっくりがえします。つまり・・・
|3|2|3|2|3|2 |3|2| 3|・・・・
この三小節目の"3"をはめ込むことで4小節目以降は2−3のリズムになります。ポイントは曲中ではずっと3−2−3−2・・・・とクラーベのパターンは変わらないと言うことです。
2が連続して2小節続いたり、3が連続して2小節続くことは有りません。
ここに紹介したクラーベはソン・クラーベと言われ、このほかにルンバ・クラーベというクラーベも存在します。ラテン音楽は幅広く、様々な国に様々なリズムが存在しますのでこれ以上は専門家に譲るとしまして、ここでは非常に簡単では有りますがラテンの基本リズム、ソン・クラーベについてお話させて頂きました。これを機に音楽の楽しみ方、楽器を演奏なさる方は音楽性の広がりの一助となれば幸いです。
まずはラテンの音楽に合わせて動かして踊ってみましょう。するとリズムの奥深さが体感できます。
それでは皆様、ごきげんよう。