永遠が終える時… 『ねぇ、僚』 「なんだ?」 『もう、さっさと起きろーっ』 『もう、美味しいくらい言えないの』 『僚、依頼よ、依頼が合ったの〜』 『なんかー、雨は寂しいね』 『今日、美樹さんとバーゲン行っちゃった』 『ふふふっ、海坊主さんから新トラップ教えてもらったんだから』 『僚っ!!冴子さんに誕生日プレゼントもらっちゃった』 『今日はアニキに逢いに行きたい気分なの』 『ちょっ、な、どうしたの?大丈夫?は早く手当…』 『ね、僚……好き…』 『きっとコレが最初で最後かも』 『え、ホントに?嬉しい。ありがとう』 『ね、僚。ゴメンね』 『ね、ゴメンね…』 『ごめ…』 『りょ…』
暗い眼から、一筋の滴が伝った。
細い月明かりが部屋に差し込んでいる。 彼の目の前には彼女が着るはずだった真っ白なドレスが掛かっている。 それを静かに見つめながら、彼は枕の下の黒蛇をとりだした。 彼の最後を看取るのは、今では彼の一番の相棒だった。
重い銃声が新宿の街に響いた。
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