Sumio Ichinohe
一戸 澄雄   

電気通信大学 電子工学科 上野研究室 卒業研究生

私の職業観と将来の展望 2002年4月19日
まず、なぜ私が就職しようと考えたかを述べたいと思います。第一に、定職につかなければ生活することができないからです。勤労は国民の三大義務の一つなどという話を持ち出すまでもなく、働かざる者食うべからずというのは当たり前であると思います。自分の生活の糧を自分で得て、自活してこそ一人前の大人であるといえるでしょう。

第二に、それを通じて社会に貢献し、国に報いることです。日本は科学技術立国です。天然資源をほとんど持たず、あるのは人のみです。しかし現在の人口では食料が自給することが難しい日本の国土では、外貨を得て食料を輸入しなければ国が成り立ちません。技術という形で人を売ることで外貨を得なければなりません。そういう意味で、私は技術者は最も国家に貢献できる職業の一つだと考えています。

しかし、私が技術者を志したのは以上のような理屈によるものではありません。ただ純粋にそうした仕事が好きだからであり、向いていると思われるからです。もの作りこそ、私がやりたい仕事なのです。

次にエンジニアとしてどのような役割を担いたいかです。これはやはり研究開発に携わりたいと思います。分野によって貴賎があるわけではないと思いますが、個人的に一番面白いであろうと思われるのは開発です。しかし客観的に見て私にその適正があるかどうかは、また別の問題です。自分に適正がある分野であればどこに行っても自分の仕事をするだけですので、他の仕事が嫌であるということはありません。

しかし、もの作り一般や集団で作業することに対して、課外活動やアルバイト等を通じて一般の学生に比べれば多少の経験を積んでいると私は自負しています。もの作りに関してはエコラン研究会の活動で具体的なものを作っていたということですが、個人的にそれ以上に重要だと考えているのは集団で作業するということについてです。今や一人でものを作ることはできない時代であり、どのような分野であれ一人で仕事をすることはできません。私は生協学生委員会という団体の一員として様々なイベントの企画・運営に携わってきました。この中で私が学んだものは、情報の共有や意思決定の明確化とその円滑な伝達などの重要さなど、多岐に渡ります。このようなことは漫然と学生生活をしていたのでは決して身につかないものであり、それを身に付けることができたのは非常に大きな学生時代の財産であると考えています。また、アルバイトに関しては様々な作業の段取りの仕方などが身についたことだけでなく、働くということを深く考えることができました。これもいい経験になったと思います。

このような経験を鑑みた自分への分析から、研究開発の方面にも適正はあると私は思いますので、やはりこの分野で働きたいと考えています。