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新宿に佇む古い酒場、「羅刹女」。そこへひとりの青年・野本良治(坂本昌行)が訪れた。 良治は言う、自分の弟・野本繁樹(井ノ原快彦)のことをくわしく教えて欲しいと。 実の弟だというのに、自分は弟のことは何一つ知らない。弟がこの新宿で何をしていたのかも、 誰と親しかったのかも。そして、繁樹がどうしてこんなことになってしまったのかも…。 繁樹は、17歳のときに、福岡は小倉の家を飛び出して、職を変えながら全国を転々とし、 西から東へ流れてきて最後はこの新宿に流れ着いた。 そこで知り合った、ヤクザの下っ端・松本マコト(長野博)の元で繁樹は犯罪に関わるようなことを手伝っていたのだ。 そして、ある日裏ビデオの摘発を受けた繁樹は、3階のビルから飛び降りて、ケガを負いながらも必死に逃走し、 公園で呻いていたところをサンゾウ(涼風真世)に助けられた。 サンゾウは、サンゾウの古くからの友人・絵津子(涼風真世・2役)の店のこの羅刹女へと繁樹を匿わせる。 羅刹女の従業員・テツ(木下浩之)らの協力により、どうにか警察の手を逃れた繁樹は、3階から飛び降りた身の軽さから、 そこで初めてサンゾウに「ゴクウ」と呼ばれたのであった。 その一件でマコトの親分・銀角(清家利一)の元を離れたゴクウ。 しばらくして礼を言いに、博多の銘菓・ひよこを持って再び羅刹女を訪れた。 しかし、そこへやってきたのは、サンゾウではなく、サンゾウの弟子の梨花(横山めぐみ)だった。 サンゾウは、新宿あたりのパブなどのショーに出る人達の為にダンス教室を開いているのだ。 梨花は、先生からの言付けだと、ゴクウに「弟子になりなさい」とそう言った。 すでに「五行山悟空」という名前も決まっていると言うが、ゴクウは嫌がる。 帰ろうとするゴクウの前に、突然現れたサンゾウが立ちはだかった。 サンゾウは、教室からゴクウのあとを付けている警官が見えたから教えにきてあげたんだと言う。 だがしかし、乗り込んできた警官に抵抗したゴクウはとうとう警察へ連行されてしまった。 そして、ゴクウはそのまま、親代わりの師匠として自分の身柄を引き取りに来てくれたサンゾウの弟子になった。 サンゾウは、もう二度とゴクウが暴れたりしないようにと、ゴクウの首にキンコジュに見立てた首飾りをはめたのだった。 若者がたくさん集まるクラブにやってきたマコト。自称・慶應大学出身の大会社の御曹司のマコトは、 その教養を見込まれて、梨花に美術の絵の翻訳を頼まれていたのだ。 その梨花の表向きの顔は、ゴクウの優しい姉弟子。だが実は、裏の顔は、銀角の女だった。 梨花に挑発され、マコトはキレて梨花を大勢の前で抱きしめ、キスをする。 しかし、それが何者かの告げ口により銀角の耳へと入ってしまう。すぐさま銀角が駆けつけ、 マコトを殴り倒した。梨花と引き離されたあとも、マコトは殺されかけたところを梨花に救ってもらった。 また梨花も銀角から酷い暴力を受けていた。 そこへサンゾウが現れ、「すぐにあの男から離れなさい」と梨花に言うが、 梨花は「父を亡くし、路頭に迷った自分と母を助けてもらった恩があります」と言う。 サンゾウは昔男から暴行を受けたことがあったと、梨花とゴクウとマコトに告白する。 そして、理由はどうであれ、女性を殴る男は人間のクズだと、そう言い残し、サンゾウは去っていった。 今の新宿。絵津子に誘われて外へご飯を食べに出かけた良治。 再び羅刹女に戻ってきたときには、良治は酷く酔っ払っていた。 小倉の小さな銀行で働く良治は、病気がちの母親の面倒を見ながら必死に働いてきたが、 その銀行が潰れかかり、浅ましい上司や同僚の姿を見て、人間が心底嫌になったと呟く。 そして、その母親は1年前に亡くなり、弟までもを亡くし、自分は本当に何もかも無くしてしまったんだと涙をこぼす。 以前、良治は、病気でボケた母親の面倒を見ずにフラフラとしている弟を、小倉に帰り母親の面倒を見ろと説得しに、 一度繁樹が働くこの羅刹女へ来たことがあった。 踊りがやりたいから小倉へは帰れないという繁樹とぶつかり合い、良治は繁樹を殴ろうとしたが、 これまで一度も人を殴ったことがない良治は、繁樹を殴ることができなかった。 サボテンの下で花が落ちてくるのをじっと待っている陸イグアナのように、 自分は今まで小さな物しか守ってこなかった。自分の人生何だったんだろう、と絵津子に打ち明ける。 そこへ一度は帰ったテツや、羅刹女の常連客・ぎゅう(こぐれ修)やマコトの彼女・レナ(井上和香/理絵)も良治を心配してやってきた。 人間の温かさに、良治は再び涙を流す。そして、絵津子がもう一度乾杯しようと提案する。 それぞれがグラスを持ち、絵津子は店の中を見つめながら「ゴクウも来てるよ、きっと、どこかに…」そう言った。 ゴクウは、今度ショーをやらせてもらうことになったと、孫悟空の衣装でダンスの練習をしていた。 そこへレナがたった今マコトと別れたと、泣きながらやってきた。 一足違いでマコトもゴクウの元を訪れる。レナはマコトの幸せを願い、去っていく。 マコトは、「俺は梨花が好きだ、梨花を連れて銀角の元から飛び出す」とそうゴクウに言った。 「マコちゃんが真剣なら、俺も手伝う」とゴクウも頷く。 そんな中、マコトが経歴詐称をしていたと、銀角の手下・銅角(村木仁)がマコトとゴクウの前へ現れた。 実は、マコトは慶應大学出身の大会社の御曹司でもなんでもなく、高校も出ていない、父親の顔も見たことがない、 貧乏人の倅だったのだ。それに怒った銀角は、マコトを痛めつける。 それに、梨花の心も銀角にではなく、マコトにあった。銀角はさらに怒り狂った。 ゴクウが心配する中、マコトは腹を刺されてしまう。 どうにかその場を逃げてきたマコトをゴクウは一生懸命助けようとする。 追ってきた銅角たちからマコトを逃がした。 そして今度は捕らえられている梨花を助けようと、サンゾウとゴクウは銀角の元へ向かったのであった。 サンゾウとゴクウの前に現れた梨花の背中には、背中いっぱいの大きい刺青が彫られていた。 「餞だ」という銀角に、「人間のクズだ」と銀角を罵るサンゾウ。だがしかし、銀角がガイコツと呼ぶ若者が現れたことで、 事態が一変する。そのガイコツとは、17年前サンゾウがレイプに遭い、そのときにできてしまった子供だったのだ。 生まれてすぐサンゾウは子供を捨てた。その子供が今、銀角の手下として自分の目の前にいる。 サンゾウは動揺した。何も知らなかった梨花とゴクウも動揺した。 サンゾウは、ガイコツに「堪忍して…」と歩み寄るが、 ガイコツは自分を一度も抱かずに捨てた母親を憎みながら育った想いから自分の母親に暴力を振るってしまう。 サンゾウは、それ以来部屋に籠もってしまい、サンゾウの秘密を知っていた絵津子以外、ゴクウにも梨花にも会おうとはしなかった。 今度は梨花を逃がそうと、ゴクウはレナと作戦を立て、梨花に付いている見張りをうまく呼び寄せ、 梨花を逃すことに成功。そして、ゴクウは、その見張りたちにこう言った。 「ガイコツを呼んでこい。ケンカがしたいんじゃない、話がしたいだけだ」と。 そして、ひとりやってきたガイコツにゴクウは、「君のお母さんの悲しみを感じてくれ」と説得する。 「『ゴクウ』は、君の母さんが君に付けようとしていた名前なんだ。君こそがゴクウなんだよ」と、 ゴクウは肌身離さず持っていたキンコジュをガイコツに渡そうとするが、無惨にも引きちぎられてしまう。 「この数珠ひとつでいいから…」と手を差し伸べながら、ゴクウはガイコツに近付いていく。 だがその瞬間、ゴクウの手から数珠がひとつこぼれ落ちた。ゴクウの想いは分かってもらえず、 ガイコツに刺されてしまったのだ…。 弟の死の一部始終を聞いた良治は、ゴクウの遺品の中にあった孫悟空のひょうたんを握り締め、泣いている。 ゴクウの勇気に良治は、「兄として、弟を誇りに思います」そう言った。 ゴクウを刺したガイコツは別の事件で警察に捕まり、銀角も縄張り争いで死んだ。 いつの間にか羅刹女に現れたマコトは梨花の看病で助かり、 梨花と共に『天竺』という店を持つことが夢だと良治に語った。 それがゴクウの精神を継いでいくことになるんだろう、と。 外はいつの間にか朝を迎え、羅刹女の中には朝陽が射し込んでいた。 良治は、「ゴクウの話を聞いて思い出しました。俺も自由なんだって」と何か新しい道へ飛び込むように、すっきりしたような表情をしている。 すると、マコトが良治の持っていたひょうたんに気が付く。 「ゴクウがすごく大事にしていた」というひょうたんの中身を出してみると、それは木炭を砕いた炭だった。 サンゾウに弟子入りする前に言われた「木炭と金剛石」の話をゴクウは大切に想っていたのか…。 そのとき、良治が炭の中でキラリと光る何かを見つけた。 ダイヤモンドだった。木炭が金剛石に変わったのだ、「奇跡が起きたんですね」と良治は喜んだ。 そして、清々しい面もちで全員で朝のコーヒーを飲む。 もちろん、店の奥のカウンターには、ゴクウの姿もあった…。 |
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まず今回のお話「SAY YOU KIDS」は、トニセン3部作の中であたしは一番泣いたと言っていいかもしれない。 感情移入してしまう度合いが年々増してきているっていうのもあるんだけど、 SAY YOU KIDSのひとつのテーマとして、「死」があって、あたしダメなんだよねー、「死」って。 ダメというのは、拒否という意味ではなく泣いてしまうということ。 上の文章を書き出しているときも思い出して泣きじゃくっていたくらいだからね(笑)。 しかもそれがいのが死んでしまうんだから余計なのよ。 1幕の終わりで、絵津子さんの「ゴクウも来てるよ、きっとどこかに…」というセリフのときに、 ステージ中央に照明が照らされていて、その照明がゴクウがダンスを練習しているときの照明と同じだったと思うの。 だから、そこでゴクウがひとり踊っていることを思い出させる演出なのかな、と気が付いたら、 あたしの中で踊っているゴクウが見えてきて、どべーーーと泣いちゃったし。 それに2幕の最後でも、死んだハズのゴクウがみんなと一緒にコーヒーを飲んでいるというシーンでも泣いた。 むしろあそこがピークなのではないかと。 あそこを映像化すると、きっといのは半透明だよね(笑)。 ゴクウがガイコツに刺されるシーンもたまんないけど(笑)。 ゴクウが持っていた数珠が手からこぼれ落ちるところなんて涙ちょちょぎれるもん、ほんとに。 気持ちが入っていて、舞台に集中できていたときなんて、初っ端のまーくんの「弟があんなことになって…」と言うセリフにうるっときちゃったもんね。 ほんとダメだな、あたし。 あ、それと、今回の話は、ゴクウが生きている頃の話を、ずっと外から良治が見ているという演出だったから、 現在の話と過去の話がすぐ交互に出てきて、1回観ただけじゃちょっとわかりにくいという部分があったんだけど、 2幕の後半で良治とゴクウが「なぁ、繁樹、どうしてお前はそんなに勇気があるんだよ」 「俺も同じことを思ってたよ。なんで兄貴は何もかも投げ出してしまわないんだろうって」という突然入るやりとりが、 実はここだけ虚像のシーンなんだと気が付いたときには、何故か泣いたね。 ここで長年お互いに対するわだかまりを無くせたようだし、良治は死んでしまったゴクウに頑張れよ!って励まされてる。 あぁ、これ書いている今も泣けてきた(笑)。意地になってゴクウを刺してしまったガイコツだけど、ゴクウの話を背を向けて聞いている間、 ガイコツってば涙ぐんでいるだよね!それを見たときも、ガイコツの涙につられて泣きそうになってた(笑)。 つくづくあたしって涙に弱いねー。 今回まーくんといのが実の兄弟役ってことだったんだけど(トンロクでは心の!?兄弟役だったけど)、 絵津子さんのセリフの中で「やっぱり(ゴクウと良治は)目が似てるわー」というのがあった。 外見的に見れば、まーくんはつり目、いのはタレ目だから、全然違うじゃないかっ!と思われるかもしれないけど、 実際そこで笑っている人がいたしね。でも、横内さん的にはそういうことではなくて、 やっぱりまーくんといのは「待てよ系」なんだと。 まーくんとヒロスィが兄弟というよりも(むしろ夫婦だろ)、ヒロスィといのが兄弟というよりも、 まーくんといのが兄弟というほうが一番しっくりいくよね。 人間のタイプ的に似ているってことなんじゃないかと、あいさんと話し合った結果そうなったわけです(笑)。 だから、今回まーくんとヒロスィの絡みはほとんどない感じで、 最初と最後に少し会話した程度。まーくんとヒロスィのコンビが好きだという方には少し物足りなかったのではないかなーと思います。 てゆか、ぎゅうさんに良治が「ゴクウよりいい男だよ」と言われていたところがあったけど、 ここって笑うシーン?きっと笑うシーンだよね?(笑) 外見的なことを言っているんだから、ここは坂本昌行と井ノ原快彦として見ていいと思うんだけど(笑)、 「いのよりもかっこいいって言われているってことは、ここは笑っていいのか…?」と思いつつ、 毎回笑わずに見てました(笑)。 いのが少し前のイノなきで、「長野くんとのシーンで、どうしても笑ってしまう」と言っていたときがあったよね。 横内さんの日記でも、それが取り上げられていたことがあったんだけど。 それは、第2幕が開けて、いのの棒術のシーンが終わったときに、ゴクウのところへマコトがやってきて、 あれこれ話すというシーンでのことだよね。 ゴクウが本番のときと同じメイクと衣装で練習していたすぐあとのシーンだから、 いのは孫悟空のメイクで派手な衣装なわけ。それでお互い至近距離で芝居をしていれば、 あれはヒロスィも笑っちゃうよ(笑)。しかも、あたしが4/12に見たときよりも、 4/20に見たときのほうがいののメイクが濃くなっていたんだよね(笑)。 ヒロスィが本番でもう笑うことはなかったけど、それを見て今度はあたしが思わず笑ってしまったぜ。 「ヒロスィこんな至近距離でよく我慢していられるなぁ」って(笑)。確かに笑うようなシーンじゃないよね、あそこは(笑)。
あたしたちの悪い(!?)クセは、毎回必ず脇役の人に注目してしまうということなんです(笑)。
特にあいさんがすごかったけど、今回ではテツ役の木下浩之さん。
東亜悲恋やフォーティンブラスで共演していたから知っていたし、
テレビで前に見たときは、二枚目の役で不倫とかしていたから、
今回のオカマ役というのがなかなかウケたね!(笑)
1幕の最初のところで、羅刹女にぎゅうさんがやってきたとき、
テツは上手のソファーに座って、密かにメイクを直していたんだよ!
しかも、救急箱で!なんで救急箱の中に、ファンデーションや口紅が入っているのかがすごく不思議なんだけど(笑)。
しかも、マキロンのにおいを嗅いで、いいニオイという顔をするし、
そのマキロンを香水のように体中に振りまいたり。行動が全く意味不明だよ(笑)。
このとき、確か良治とぎゅうさんがガラパゴスの話を下手のテーブルのそばで話していたんだけど、
あたしは常に上手を向いていました。テツにぞっこん(笑)。
そして、このテツは、良治がかなりお気に入りの様子で、救急箱にあった口紅を唇に塗ったとき、
良治に向かって口をポワッと投げキッス(?)をしたからね(笑)。
それは大阪で観たときにしか見られなかったんだけど。
まーくんのビクッとしたような素振りが笑えました(笑)。
まーくんの股間を触ってしまったあとも、テツの手はワナワナしていたし(笑)。あーおもしれぇ。 トニセン劇団千秋楽恒例特別編で、登場人物のそれぞれの今後の話が展開されたわけなんだけど、 あたしが前々からこうなったらおもしろいなと思っていたのは、 最後「俺は自由になったんだ」と言うまーくんが、鳴海弘二で出てくるという(笑)。 ヤツはかなり自由な男じゃないか!もちろんピンクのスーツでね(笑)。 なんといってもトニセン劇団最後だしね、そんなコラボレーションがあってもよかったんじゃないかなって(笑)。 それと、サンゾウをレイプしたのは、実はテツだった!というオチ(笑)。 それはもちろんオカマになる前の話で、思わず犯してしまった自分の罪の重さに絶えられなくなって、 男を捨て、オカマになった、と。そのほうが斬新で締めくくりとしてはおもしろかったのではないかと、 あたしの中で勝手に思っている次第でございます(笑)。
そんなわけで、SAY YOU KIDSのストーリーの感想も存分に語ったところで、
あたしの個人的趣味な語りに入っていきたいと思います(笑)。
ゴクウが浴衣姿で入ってきて、絵津子さんの店で雇ってもらうことが決まったあとに、
ゴクウがひとりダンスを練習するシーン。
今回いのはダンサー役ということで、孫悟空の格好で棒術をやるシーンもあったし、 上の衣装でダンスをするシーンもありました。 特にダンスを練習するところは、ダンスがかなりしなやかで、やっぱり普段踊っている人なんだなぁとしみじみ目がハートになっちゃいました。 うまかったよ、やっぱり。V6のときとは違う感じもしたし、 ソロとしての見せ場だしね、いのも気合い入れて踊っていたと思われます。 踊っているとき裸足だしね(だから何だ)。とにかく壊されまくったあたしのSAY YOU KIDSなのでした。
最後にお詫び。 |