Together...
Go Morita


“今日の降水確率は、80%、今夜は、ホワイトクリスマスになるでしょう……”

そう告げた、12月24日の朝の天気予報。
この大都会では、ホワイトクリスマスなんて珍しいから、
私は、朝から浮かれていた。
だって、今日は久しぶりに剛に逢えるから……。


どんより曇り空の下、クリスマス一色に染まった街中を、私は手に息を吹きかけながら歩く。
そして、街で評判なケーキ屋さんで、小さなクリスマスケーキと、シャンパンを買った。

「ローソクをサービスでお付けしますね」

と、ケーキ屋の店員がかわいらしいサンタクロースの形をしたローソクを1本つけてくれた。
たったそれだけのことで、さらに私の足取りは弾んだ。



「剛、今夜雪が降るんだって!」

真っ黒な夜空を見上げながら、私は自分の背後にいた剛に話しかけた。

「へぇ〜」
「何、そのどーでもいいような返事は〜」
「だって俺は別にどっちだっていいもん」
「んも〜」

そう言って、私が振り返ると、さっきまできちんとした形をしていたハズのケーキが、
すみっこのひとかけらだけ減っていた。

「あー!!剛、ケーキつまみ食いしたー!!」
「別にいいじゃねぇかよ〜。ちょっとくらい〜」
「ダメだよ!小っちゃいケーキなんだから!」
「はいはい」
「それに、まだローソク立ててない!」
「ローソクぅ?」

私は、ケーキを買ったときにもらったサンタクロースの形をしたローソクを取りだして、ケーキの上に立てた。

「かわいいでしょ。これ、ケーキ買ったとき、サービスでくれたんだ」
「バースデーケーキじゃないんだから、別にローソクなんてなくてもいいじゃねぇかよ」
「剛ってば、夢がないよ」
「うるせぇよ」

そう言って、私が小さいケーキの真ん中に立てられた、サンタクロースのローソクに炎を灯した瞬間、
部屋の電気が一斉に消えてしまった。

「わっ、何!?停電!?」

その暗闇と共に、窓の外で大きな雷の音がして、まるでバケツの水をひっくり返したような雨が降り始めた。
こんな時期に雷!?
私は、真っ暗闇の中、手探りで窓を開けた。

「なんで雨が降ってくるの〜!?今夜は雪って言ってたじゃ〜ん!」
「うひゃひゃひゃ!残念でした〜」

また背後で剛が笑った。

「天気予報の嘘つき〜!」

今の停電は、きっとこの雷のせいなんだ。
せっかくのクリスマスイブなのに……。
せっかくの剛とふたりっきりの時間なのに……。

「はぁ〜……」

と、私が溜息を吐きながら、窓を閉めた瞬間、剛に思いっきり腕を引っ張られた。

「うわっ!剛、何すんのよ〜。ビックリしたぁ〜」
「座れよ。そう、溜息吐くなって!これもなかなかいいじゃん」

剛にそう言われ、はっと気がつくと、
部屋の中が真っ暗な中に、ケーキのローソクの炎だけがぽつんと点いていた。

「……ほんとだ。こんな状況もなかなかいいかも」
「だろ?」

ローソクの微かな炎の向こうに、剛の口元がニヤッと笑ったのが見えた。
私は、そんな剛に身を委ねて、寄りかかった。

「……剛は今、幸せですか……?」

私のそんな言葉に、剛の答えが私の唇に返ってきた。
私は、剛の想いをしっかりと受け止め、目を閉じる。
しばらく私たちは、お互いの想いを伝え合った。

そして、剛がふっと小さなローソクの炎を吹き消す……。
その先の私たちをケーキの上にいたサンタクロースだけがずっと見つめていた………。


−−−END−−−

最後の言い訳っ。

すいません。諸事情により、剛ちゃんのおはなしは、ちょっと短め(笑)。
まぁ、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、silver bellsの「よりそって Candle light」です(笑)。
そして、カミコン2001のsilver bellsの終わり方です(笑)。
タイトル、silver bellsでもよかったんだけど、全体的に見ると、あの歌詞って恋人同士の歌じゃないもんね。
これからって歌だからと思って、辞めにしました!
2002.12.17
* D r e a m e r  * B a c k  * H o m e *