夢現<ユメウツツ>


「ごめん、。俺、もうお前とはつき合われへん」

突然、准に言われた。

「えっ!?なんで!?」
「他に好きな子ができたんや。だからもうとは…」
「私のことが嫌いになったの!?」
「そうじゃない。のことは好きやねん。そやけど…」
「…だけど、その子ほうが、私よりも好きだ…ってこと?」

准は、それ以上何も言葉を発しなかった。
だけど、目がそうだって言ってる。

「それじゃ…」

准が私に背中を向け、歩き出した。

「待って!准っ!私たち、友だちにも戻れないの!?
ねぇっ!准ってばっ!准ーーーっ!!!!」


目が覚めた。
これは…夢?
一瞬、訳がわからなくなった。
私は、准と別れたの?
それとも、まだ恋人同士?
額にかいた汗と拭い去ろうと、右手を顔に近づけた時、
准がプレゼントしてくれた薬指の指輪が目に入った。

「私たち、別れてないんだよね?」

私は、指輪に向かって、思わず話しかけた。


「なぁ、お前、今日元気ないやろ?」

私の部屋に来ていた、准が話しかけてきた。

「え?」
「さっきからボーッとしてんで」

准と約束があった日の朝に限って、あんな夢を見てしまうなんて…。
私には、やけにリアルに思えて仕方なかった。

「そう?」
「熱でもあんの?」
「別になんでもないよっ!元気だってば!」
「ホンマに?」

と言って、准は私の額に自分の額をくっつけてきた。
ドキッと私の心臓が大きく反応した。

「よしっ!熱はないみたいやな」

准が円満の笑顔で言った。
その瞬間、一筋の涙が私の頬をつたった。
自分でも驚いてしまったけど、私の突然の涙にもっと驚いたのは准だった。

「お、おいっ!どないしたんや!?」
「准…私たち別れてないよね!?つき合ってるんだよね!?」

私は、准の腕をつかみ、大人げなく泣き叫んだ。

「はぁ?何言うてんねん。つき合ってるに決まってるやろ!?
そやから、こうしてお前ん家来てるやん!」

准は眉間にしわを寄せてそう言った。

「…今朝…夢見た…。
准が、他に好きな子ができたって。とはつきあえないって。
私、待って!って言ったけど、准待ってくれなかった…」

私はもう、一筋の涙どころじゃなかった。

「それが、やけにリアルで、
私の近くには准がもういないんじゃないかって思って…」

すると、准が私の体を自分に引き寄せ、私をぎゅっと抱きしめた。

「それは、完璧夢やね。
だって他に好きな子なんておらへんし、てゆうか、おる訳ないし。
俺は、だけが好きやねん」
「准…」
「それに、知ってた?
夢占いで、“別れ”は、“ふたりの愛はもっと深まる”ってことなんやて…。」

と言って、准は私にキスをした。

「なんて、クサイか!」

准が笑った。

「それにさぁ…」

そして、私の右手を手に取り、

「これがなんて言うても、俺らがつき合ってるって証拠やん」

私の右手と、准もペアで買った指輪をはめている右手を合わせて、准が言った。

「…なぁ、…」
「…何?」
「これから、“ふたりの愛を深めよう”か?」

その時にはもうすでに、私の夢現はどこかへ消え去ってしまっていた。
そして、私は迷わず答えた。

「…うん」

−−− E N D −−−

最後の言い訳っ。

鳥肌立つなぁ…(自分で言うな)
最初、准くんのセリフは、標準語で書きました。
そのあと、自分で関西弁に訳して、
関西在住のお友だち・穂乃香ちゃんにチェックしてもらいました。
けっこう間違ってたりして(汗)
やっぱあたしも関西弁取り違えてるんだなぁ。

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