3年目の浮気!?

もう付き合って3年かぁ。
結構早いもんだな。
付き合いだした頃、まだ未成年だったあゆみが、もう21歳になるんだもんなぁ。
早ぇ〜…。

3年前と比べたら、もちろん外見も変わっちゃって。
何気に料理の腕なんかも上げちゃってさ。
それが嬉しくて、友達に自慢なんかしちゃったりして。
まぁたまに「ん!?」って味のもあるけれど、それは愛でカバーって事で。

最近俺、見ちゃったんだよね。
もうすぐ2月14日、バレンタインデー。
1年目も2年目も、市販のチョコだったんだけど、
見ちゃった本に【彼に送る手づくりチョコ☆】なんて書いてあったもんだから、
“おいおい、3年目は手作りかよぉ〜”
なんて、大人気なく俺は照れちゃったりして。
別に市販だとか手作りとか、こだわってるつもりは無いけど、
やっぱ好きな子から手作りで貰えるっていうのは、嬉しかったりする。
まぁ手作りじゃなくて、あゆみにリボン結んでくれるだけでいいんだけど…。
あぁ〜いかんっ!!いかんっ!!!!
一人で変な事を考えた事を恥ずかしく思い、少しばかり頭を左右にブンブン振ってみた。

2002年2月14日。
バレンタインデー。
いつもと同じ様に、2人でTV見ながら晩飯を食べた。
あゆみは、食べ終わった食器を少し早めに片づけて、
隣の部屋から、ちょっと恥ずかしそうにチョコを持ってきてくれた。
「はい、チョコ♪今年はちょっと奮発しちゃった」
スカイブルーの包装紙で丁寧に包まれた小さめの箱に、
キレイなピンク色のリボンが結ばれていた。
「これ…ゴティバじゃん…」
「そうそう。結構ゴティバって高いんだよォ。ちゃんと甘さ控えめなヤツ、選んできたからね」

何で?
何で市販なんだ!?
手作りじゃないじゃんっ!!
包装紙も開けずに、箱を手に持ったまま固まってしまった。
“もしかして…コレって…”
「どうしたの?あっ、ゴティバ嫌いだった!?」
心配そうにあゆみが顔を覗き込んできた。
「いや、嫌いじゃないんだけどさぁ…。手作りは?」
俺は思い切って聞いてみた。
「…えっ…」

「お前手作りの本、持ってたじゃん。【彼に送る手づくりチョコ☆】て書いた本。俺見ちゃった。
 てっきり手作りだと思っててさぁ…。それかお前、他に手作り渡す奴とか出来たのかよっ」
「ちょっ、待ってよ」
「そいつには手作り渡して、俺にはバレない様にちょっと高めのチョコにしたんだろっ」
大人気ない…と思いながらも、腹が立ってきて怒鳴ってしまった。
そんな事、信じたくないけど。
もし、本当にあゆみがそんな事したんだったら…。
「いったい誰に手作り渡したんだよっ!!」
「あぁ〜…まぁくん」
あゆみは、少し呆れながら答えた。
まっ、まぁくん!?
まぁくんって…坂本昌行!?!?
「な、何であゆみが坂本君に手作りなんだよっ!!!」
よりによって坂本君って…。
30歳じゃん。もう今年の誕生日で31歳じゃんっ。
なんで…なんで坂本君なワケ!?!?
「いのぉ。何か勘違いしてない?
 坂本君って言ったけど、正確に言うと穂乃香ちゃんなんだけど」
え…え???
「だーかーらぁ。私じゃなくて、穂乃香ちゃんが坂本君に手作り渡したのっ!!」
「何で穂乃香ちゃんが…え?そうなの!?」
俺はやっと気づいた。
すっごい俺はバカだ。
手作りじゃ無かっただけで、あゆみを浮気扱いしてしまった。
しかもあゆみに言われるまで、穂乃香ちゃんが坂本君を好きだって事知らなかった…。
「そうっ。そういう事なのっ!!んで、私は穂乃香ちゃんに頼まれて、一緒に手づくりチョコの練習をしてた
 ってワケです。ご理解いただけましたでしょーかっ!?」
なんだよぉ〜……。

その後は、必死にただ謝るしかありませんでした。

「ヒドイよぉ。そんな簡単に、私は浮気なんてしませんっ!!
 まぁ、たまにカッコイイな〜なんて思うことはあっても、好きにはならないよぉ。
 私は、いのしかチョコは渡しませんっ!!だって、いのしか好きじゃないんだもん…」
ちょっと拗ねながらあゆみが言う。
「そうだよなぁ。ゴメンな、あゆみ…。お前も食えよ、ゴティバ♪」
申し訳なく思い、軽く頭を撫でた後チョコを差し出すと
あゆみは嬉しそうにチョコを食べ始めた。

2人で仲良くゴティバのチョコを食べる姿は、とてもとても幸せなラブラブカップルで…。
5個入りなのに、何故かあゆみに3個も食われてしまった。
あゆみ曰く、『勘違いした罰』なんだそう…。
これじゃ、どっちの為のバレンタインデーか分かんねーなぁ。
まぁ、そんな3年目のバレンタインデーも有りって事だな。

「あ、そういえば、穂乃香ちゃん大丈夫だったのかなぁ?」
そうだよ。
肝心の、手づくりチョコ事件の犯人。
穂乃香ちゃんの事を、自分が幸せ過ぎて忘れてたっ!!
と、そこへ坂本君からの電話が…。

少し話をして電話を切ったあと、
「坂本君があゆみに、『ご指導がよかったせいか、美味しくいただきました』って伝えてくれって」
「ほーい。それで?結果は?」
「OKなんじゃないの!?」
「何でその言葉だけで分かるの?」
「坂本君、甘いのダメな人なんだよ。そんな人が『美味しくいただきました』って言う位なんだからさぁ。
 まさか、何とも思って無い人から貰った手作りチョコ、食ったりしないでしょ」
それを聞いたあゆみは、自分の事の様に喜んでいた。

今年の2月14日は、どうやら幸せな人が多いみたいだな…。

あっ、今思い出したけど、
あゆみの奴、坂本君の事『カッコイイなぁと思う事はあっても』って言ってたよなぁ。
それって、ちょっとした浮気なんじゃ…!?

−−−END−−−


穂乃香ちゃん的コメント。

季節外れなお話でゴメンなさい。
ちゃっかり自分まで登場しちゃってゴメンなさい。
サヨナラしてゴメンなさい…(え?)。
快彦さん、ゴメンなさい…(違)。
某韓国アイドル風。

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