Don't correspond with the original story from 歌月十夜 & MELTY BLOOD
夜明けと共にメイドが起こしに来る。はやすぎ。 ――ようするに、ただ志貴の寝顔を眺めたいだけらしい。 起こされたあてつけに志貴に頬擦りして見せると、メイドは泣きそうな顔になった。うだつのあがらないやつ。 志貴がベッドから出て行ってしまってからも、しばらくそのぬくもりを楽しむ。 メイドが困った顔で見ているが、どいてやらない。 ベッドメイクの名を借りて志貴の匂いに埋れるのは、ゆるさない。
レンのいちにち
written by ばんざい 志貴が学校へ出かけてしまった後、暖かくなったので庭に出ると、割烹着がすかさずミルクを持ってきた。 だがうかつに口にすると怪しい薬を盛られるかもしれない。 だまって顔をみあげていると、割烹着はだいじょうぶですよー無添加ですよーと少し自分で飲んで見せた。 なかなか気がきくが、そもそも疑われるようなコトをしなければいいと言いたいところをがまんしてミルクを飲んであげる。 やたらと無遠慮に撫でてくるのもだまってゆるし、割烹着の膝の上で少し眠る。屋敷の住人とうわべだけでも仲良くしないと、志貴が心配するから。 昼には志貴の学校まで散歩。 ちょうど昼休み、志貴が教会の犬に拉致られかけているところだったので、志貴にじゃれついて阻止。 志貴はあからさまにホッとした表情でわたしを抱いて中庭に出る。 教会の犬もついてくる。空気が読めないおんなだ。 志貴の腕の中でまどろんだ後、陽だまりで本格的に昼寝。 日が傾いて寒くなったので目が覚め、屋敷に帰ると白いのが先に志貴のベッドに座っていた。じゃま。 ちょうど帰って来たいもうとをけしかけて追い払う。 ベッドをあたためて待っていたが、志貴は夜更けになって屋敷を抜け出した。 寒いからあまり出歩きたくはなかったけれど、志貴が見回りそうなところに先回りして、いるはずのないミニスカお下げやえせツインテールを追い払ってまわる。 公園で月を見上げ、志貴を待つ。 やがてあらわれた志貴は、当たり前のようにわたしを抱き上げて家路につく。 いっしょにまどろんでいるのがいちばん楽しいのに、志貴はいつもムリをするから世話がやける。 今日はすこし疲れた。 やっと志貴と眠れる。 おやすみなさい。 end
補足 mixiのレンコミュに投下した掌編。 |