ボディプロテクション怪我を減らす為の安全装備
バイクに転倒は付き物です。
どんなに気をつけようと、どれほど優れた技量を持とうと、誰しも必ず転倒します。
その際のダメージを最小限に控える為に。
理想的なのは言うまでもなくレーシングブーツ・グラブ・革ツナギのセット。
私もサーキットだけでなくジムカーナの練習の際も極力ツナギを着るようにしております。
……とはいえ、通勤通学や街乗りでいちいちツナギ着てられませんよね。
ツーリング等でもバイク降りたとき浮きまくるし(^^;
(――レースブーム華やかなりし80年代はツーリングライダーも結構ツナギ着とったんじゃよ?)
TPOに応じて利便性やファッション性と安全性、そしてコストとの妥協点を見出すしかありません。
まず、グラブ。
街乗りだろうが最低限指付きを激しく推奨。出来れば皮革製がよろしい。
ちょっとした転倒でも結構指先を怪我するものです。
私の場合、NSRで立ちゴケしてステアリングと路面の間に小指を挟み、爪の上の皮膚を脂肪層ごと
ごっそりやった事があります(指付きメッシュグラブ着用。グラブは破れませんでした)。
自転車と違い車重があるので、こういうケースは結構あります。
私はそれ以来グラブを選ぶ際、小指側にしっかり当て革されている物を選んでいます。
基節関節(ナックル)にプロテクタを着けていても、指先がおろそかになっているグラブがありますので要注意。
次に靴。
最低限、くるぶしが隠れる物。
お手軽なところではハイカットのスニーカやエンジニアブーツでしょう。
これならバイクを降りて歩く際も違和感無いし。
街乗りでも最低限この2点は抑えましょう。
長袖長ズボンは当然。
擦過傷は痛いですよ?
さて。
当サイトを閲覧して下さる物好きアグレッシヴなライダーへ。
転倒覚悟の激しい練習をする場合の話をしましょう。
想定するのはジムカーナ、各種講習会・ライディングスクール。ツナギの要らないミニサーキットまで。
革ツナギが理想なのは先に述べた通り。
ですが「高い」「暑い」「大袈裟過ぎる」と敬遠する向きも多いでしょう。
そこで妥協案ですが、抑えておきたいポイントを挙げてみましょう。
・怪我しやすいのは圧倒的に手と下半身。
・革以外の素材はあっさり破れるので消耗品と割り切るべし。
・プロテクタ剥き出しだと路面に引っ掛かりズレ易い。
下半身はプロテクタ入り革パンツ。
腰から落ちる事が多いですし、Gパン等はあっさり破れるので経済面からもお勧め致しかねます。
革パンは夏場を考えるとパンチングメッシュのものがお薦め。
冬はゴアテックスのインナーを重ねれば大丈夫。
ブーツは出来れば樹脂製プロテクタを装備したレーシングブーツ推奨。
私はSIDIのヴェルテブラを愛用。
コストパフォーマンスが高く、トゥスライダ下側がソール面まで伸びているので耐久性も優秀です
(トゥスライダが側面しかカバーしていないものは、ジム系の走りで爪先ソール側がどんどん磨耗して行きます)。
見た目大袈裟なのは嫌という場合も、裾をブーツの上に被せる革パンを合わせればそれほど目立ちません。
問題は上半身。
肘プロテクタのみの人も多いですが、私は超臆病で脊椎損傷が怖いので、
ツナギを着ない場合、左のようなインナープロテクタを着用します。
ちなみにゴールドウィン製ですが、これは腹部が上下に長過ぎてずり上がって来るのでイマイチ……(本来オフ車用?)
これだけ(プロテクタ剥き出し)で走る人もいらっしゃいますが、本来インナーなので、転倒するとあっさり破れます(右)。
しかも路面との摩擦でプロテクタがずれて、結局指先がすっぽり入るほどの傷を負ったりします……(左下)。
上に一枚、何でもいいから重ね着する事をお薦めします(プロテクタの上でウェアが滑ってくれます)。
モトクロスジャージを着る人が多いですが、高価で勿体無いのでバイク用品にこだわらず、
ユニクロ等の安い長袖Tシャツがお薦めです(フロントジッパーで全開になる物が便利)。
どうせ破れるものですし……。
私は夏場の練習では、投げ売りされていたぺらぺらに薄いメッシュジャケットを羽織っています。
プロテクタ別体ではなく、肘パッドや脊椎パッドを内蔵したジャケットも良いのですが、
やはり一発で破れることが多いので勿体無いです。
そういうのはツーリング用にしましょう。
もっともそういう場合も、プロテクタの上に用途に合わせたジャケットを羽織れば事足りてしまいますが……。
今まで10年転倒した事がなくとも、明日転倒するかもしれません。
あるいは貰い事故に遭うかも知れません。
普段の街乗りの方が、ジムカーナ以上のスピードで走っているはずです。
現実から目を逸らしてはいけません。
ちまたに「怪我したからもう乗らない」という話は枚挙にいとまがありません。
迷惑な話です。
社会的にバイクの危険性を(本人にその気があろうがあるまいが)アピールするだけして降りるなら、
最初から乗らないで頂きたい。
乗るなら、怪我をしない・しても最小限にとどめる為に最大限の配慮を。
そしてそれでも怪我してしまった際の覚悟を。
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